遂にハイブリッドの“e-POWER”を搭載した、日産 セレナe-POWERの実力やいかに!?(1/3)

人気のセレナが、遂にハイブリッドの“e-POWER”を搭載!

数ある日産車の中でも、特に人気の高い車種がミニバンのセレナだ。

現行型は2016年8月に発売されて以来、堅調に売れている。広い室内によって多人数乗車時の居住性が優れ、多彩なシートアレンジにより自転車のような大きな荷物も積みやすい。運転支援のプロパイロットも装着されて注目を集めた。

一方、日産の先進技術として注目されるのが、ノートで採用されたe-POWERだ。ハイブリッドの一種だが、直列3気筒1.2リッターエンジンは、バッテリーの発電機として使われるのみで、ホイールを直接駆動しない。リーフと同タイプのモーターが、発電された電気を使って駆動する。いわゆるシリーズタイプのハイブリッドとした。

このe-POWERが2018年2月28日、ミニバンのセレナに新搭載された(発売は3月1日)。基本的なシステムはノートe-POWERと同じだが、エンジン/モーター/駆動用リチウムイオン電池などが幅広くパワーアップされている。

JC08モード燃費は26.2km/Lだから、トヨタ ヴォクシー/ノア/エスクァイア ハイブリッドの23.8km/L、ホンダ ステップワゴンハイブリッドの25km/Lを超えている。注目度の高い新型車だ。

そこで早速、セレナe-POWER ハイウェイスターV(340万4160円)を試乗した。車両の概要は2018年2月28日に掲載した「日産新型セレナe-POWER/新型車解説」をご覧いただきたい。

>>日産 新型セレナe-POWERを更にチェック(画像106枚)

動力性能は、2.5~3リッターエンジン並みの力強さ

セレナe-POWERで最も気になるのは動力性能だろう。前述のように基本的なシステムはノートe-POWERと同じで、エンジンは発電用とはいえ、直列3気筒1.2リッターと小さい。それなのにセレナe-POWER ハイウェイスターVの車両重量は1760kgだから、ノートe-POWERよりも500kg以上重い。かなり無理があるように思える。

しかし運転すると意外に力強い。直列4気筒2リッターのSハイブリッド(スマートシンプルハイブリッド)を搭載したノーマルタイプのセレナを上まわり、2.5~3リッターエンジン並みの余裕を感じた。駆動用モーターの最高出力は136馬力、最大トルクは32.6kg-mだ。エンジンは回転の上昇に伴って駆動力を高めるが、モーターは反応が素早いから、巡航中にアクセルペダルを踏み増した時は一層力強い印象がある。

加速している最中の印象も違う。これまでのセレナSハイブリッドは基本的にはガソリンエンジンと同様で、アクセルペダルの踏み方が一定でも、回転域によって加速の仕方が微妙に変わる。対するセレナe-POWERはモーター駆動だから、加速感が滑らかで直線的に速度を高めていく。このあたりは電気自動車と同じで洗練された印象があり、アクセル操作に対してほぼ忠実に駆動力が増減するから運転しやすい。

走行音が静かなこともセレナe-POWERの特徴だ。

フロント側のウインドウは重ね合わせたガラスの間に遮音フィルムを挟み、センターカーペットは4層構造としている。Sハイブリッドに比べると、遮音性能を大幅に引き上げて静かになった。

その一方でエンジン音を自然に聞かせる配慮も見られる。前述のようにe-POWERではエンジンが発電を行い、駆動はモーターが受け持つ。アクセル操作に反応するのはモーターだから、エンジンは効率の良い回転を保って燃費を向上できるが、アクセルペダルを深く踏み込むとエンジン回転も上昇する。

これはモーターの出力が増えることに応じて発電量を増やすためでもあるが、エンジン回転の上昇とノイズの拡大が速度上昇に合っているから、運転していて違和感が生じにくい。

SモードとECO(エコ)モードを選ぶと、アクセルペダルを戻した瞬間から強めの回生充電が始まることもe-POWERの特徴だ。減速エネルギーをフルに回生して、充電効率を高める。

この時の感覚はノートe-POWERのS/ECOモード、リーフのe-Pedal(イーペダル)と同様で、従来のエンジン車でいえば、低いギヤで強力なエンジンブレーキを利かせた時の減速感覚に近い。

慣れるとアクセルペダルの調節だけで速度を自由にコントロールできるから、運転しやすいともいえるが、逆にいえば右足の負担が増す。新鮮味のある運転感覚だが、一長一短でもあるだろう。

日産/セレナ
日産 セレナカタログを見る
新車価格:
276.9万円479.8万円
中古価格:
19.9万円517.7万円
1 2 3 次へ

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

日産 セレナの最新自動車ニュース/記事

日産のカタログ情報 日産 セレナのカタログ情報 日産の中古車検索 日産 セレナの中古車検索 日産の記事一覧 日産 セレナの記事一覧 日産のニュース一覧 日産 セレナのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる