ポルシェ、ル・マン3連覇を達成!56位から懸命に走り抜き見事勝利を掴む

ポルシェ/ル・マン24(2017)

6月17日~18日に決勝レースが行われた『第85回ル・マン24時間レース』において、ポルシェ 919ハイブリッドの#2号車(アール・バンバー選手、ティモ・ベルンハルト選手、ブレンドン・ハートレイ選手)が優勝を果たした。

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ポルシェ#2号車は、フロントアクスルドライブのトラブルのため、1時間5分に及ぶ修復作業が必要となり、18ラップの遅れをとった上に、フロントアクスルの駆動力を失っていた。しかし、85回目のル・マン24時間耐久レースでは予期せぬ出来事がいくつも起こり、チームが一丸となって戦った結果、3人は総合順位56位から優勝まで上り詰めることができた。

これにより、ポルシェはル・マン3連覇を果たし、計19回目の勝利を掴んだ。

「まさかこのままLM P2レースカーが優勝!?」な場面も

ポルシェ/ル・マン24(2017)

10時間以上レースをリードしていた#1号車のポルシェは、11時過ぎにコース上でストップしてしまい、望みは#2号車に託された。

ハートレイ選手は、連続スティントで徐々に順位をあげていった。312周目で最後の燃料補給を行い、325周目でベルンハルト選手へドライバー交代。LM P1のレースカーは全てリタイアしているか遅れていたため、LM P2レースカーが首位を走行している時間もあり、「このままLM P2レースカーが優勝か!?」との声がちらほら聞こえる中、ポルシェ陣営は諦めてはいなかった。

12:50には、#2号車は首位のレースカーと同ラップ(レースラップ330)に追いつき、338周目を終え、ベルンハルト選手が燃料補給を行い、347周目でトップに立った。360周目で最後の燃料補給を終え、素早くコースに戻った。367周目を終え、ベルンハルト選手はチェッカーフラッグを受け、見事勝利を掴み取った。

各コメント

ポルシェ/ル・マン24(2017)

ポルシェ919ハイブリッドカー#2号車のドライバー

▽アール・バンバー選手

「1時間にわたってピットでの修復をしたあと、順位が大きく落ちてしまったので、今回の結果には非常に驚いています。ブレンドンもティモもポルシェLM Pプログラム当初から頑張っていますし、ピットのチームメンバーも頑張ってくれました。彼らの努力がなければ、レースカーの復帰も優勝も不可能でした」

▽ティモ・ベルンハルト選手

「今回の優勝がまだ現実とは思えません。1999年にジュニアドライバーとしてポルシェチームに入ったときから、ル・マンに参戦し優勝することを夢見ていました。いつかそのレベルまで成長できればと思っていました。18年後のいま、チームメンバーと一緒に達成することができました。最後のラップは感動的なものでした。この勝利を実感するまでに時間がかかりそうです」

▽ブレンドン・ハートレイ選手

「ル・マンはクレイジーなレースです。ピットクルーは土曜の夜、全力を尽くしてくれ、驚きの速さでレースに復帰させてくれました。それ以降、私とティモとアールの3人はエンジニアと共に、常に100%を出し切って、我々の努力が報われることを祈っていました」

ポルシェ/ル・マン24(2017)

▽ポルシェAGのR&D責任者のミカエル・スタイナー氏

「ル・マン3連覇はポルシェにとって夢であり、夢を実現させた今回の優勝はチームにとって特別なことです。長時間にわたるピットでの修復などがあっても諦めなかったポルシェチームを非常に誇りに思っています。今回の優勝は我々のE-Performance技術と革新的なハイブリッド技術の賜物と誇りに思います」

▽LM P1代表のフリッツ・エンツィンガー氏

「2017年シーズンの大きな目標は、ハットトリックを達成することでした。この24時間では夢にも思わないようなことを経験し、実現することができました。今回の24時間レースでは、レースカーもチームメンバーも極限まで追い込まれました。チーム全体が一丸となって努力することで、驚くべきことが達成できます。一番早いレースカーより、一番優秀なチームを持つことが大切です。このチームは世界最高のチームです。だからこそ、優勝することができました。ポルシェ社員や世界中のファンからのリアクションは圧倒的なものでした。とにかく私をこの素晴らしいプロジェクトの責任者に任命してくれたポルシェと、一致団結し素晴らしい貢献とチームプレイを発揮してくれたチームメンバーの一人ひとりに感謝しています」

▽チーム監督のアンドレアス・ザイドル氏

「今回の結果にはとても驚いています。何と言っていいかわかりません。ドライバーを含めたチームメンバー全員は最高の仕事を見せてくれました。ここ2週間は多くの苦労をし、浮き沈みが激しかったですが、ポルシェスピリットを胸に頑張りました。今回達成したことを実感するまで、少し時間がかかりそうです。ル・マン3連覇は、本当に素晴らしいことです。チームはこれまで12ヶ月諦めずに頑張ってくれました。トヨタは強力なコンペティターでした。トヨタは我々を限界の先まで追い詰め、お互いにその代償を払うことになりました。ニール・ジャニ、アンドレ・ロッテラー、ニック・タンディの3人は長時間レースをコントロールしていたので、リタイアしてしまったのは残念です。しかし、アール・バンバー、ブレンドン・ハートレイ、そして特にティモ・ベルンハルトは優勝にふさわしいと思います。ティモはプログラム当初から開発ドライバーでした。長時間の修理があったにもかかわらず、彼らは頑張り続け、その努力が報われたのです」

第3戦 ル・マン24時間 最終結果(LMP1-Hクラス)

1位:ポルシェ#2号車

9位:トヨタ#8号車

リタイア:ポルシェ#1号車

リタイア:トヨタ#9号車

リタイア:トヨタ#7号車

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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