トヨタ ル・マン24への挑戦、9位完走が最高位・2台リタイアで苦難のレースに
TOYOTA GAZOO Racingは、FIA世界選手権(WEC)の今季第1戦、第2戦を制し、ドライバーとマニュファクチャラーの両選手権をリードして第3戦となるル・マン24時間に臨んだが、苦難のレースに終わった。3台体制で臨んだレースだったが、深夜に#7号車と#9号車の2台を失い、#8号車もトラブルのため一時54位まで後退。後半戦、懸命に追い上げた#8号車は9位でチェッカーを受けた。
優勝は、残り1時間あまりで首位に立ったポルシェ#2号車だった。
予選でコースレコードをたたき出しポールポジションを獲得するも・・・
小林可夢偉選手、マイク・コンウェイ選手、ステファン・サラザン選手のTS050 HYBRID #7号車は、史上最速のコースレコードでポールポジションを獲得し、最大目標であった初勝利へと大きな期待と共にスタートから10時間にわたってレースをリードした。しかし、154周目を迎えた深夜の1時15分、クラッチトラブルでその夢は消えた。
中嶋一貴選手、セバスチャン・ブエミ選手、アンソニー・デビッドソン選手の#8号車も同じく勝利を目指し、#7号車に次ぐ2位を走行していたが、8時間を迎える直前、フロントモーターにトラブルが発生、モーターとバッテリの交換を余儀なくされたが、チームは決して諦めることなく、2時間にわたる修復作業で再び#8号車をコースへと復帰させた。29周遅れ、54位でレースに復帰した#8号車は全体最速ラップタイムを叩き出すなど、懸命の追い上げを見せ、9位でチェッカーを受けた。
ニコラス・ラピエール選手、国本雄資選手、ホセ・マリア・ロペス選手の#9号車もアクシデントによりレースを終えることとなった。#7号車がリタイアした直後、#9号車は後方からLMP2車両に追突され、左リアタイヤのパンクと、油圧系統にダメージを負った。これにより、#9号車はシフトチェンジが出来ず、ピットまで残り僅かのところまでたどり着いたが、1時35分にリタイアとなった。
第3戦 ル・マン24時間 最終結果(LMP1-Hクラス)
1位:ポルシェ#2号車
9位:トヨタ#8号車
リタイア:ポルシェ#1号車
リタイア:トヨタ#9号車
リタイア:#7号車
ル・マン24はポイントが2倍!
通常のWECシリーズの2倍のポイントが獲得出来る第3戦ル・マン24時間で上位入賞が果たせなかったことで、マニュファクチャラーズランキングではライバルに36.5ポイント、ドライバーズランキングでは#8号車のドライバーが#2号車のドライバーに対し、21ポイントのリードを許すこととなった。
なお、ル・マンの規則では、リタイアした車両はレース終了までチームには返還されない。チームは車両が返還され次第直ちに#7号車と#9号車のトラブルとアクシデントの詳細な原因究明作業を行う。
TOYOTA GAZOO Racingは、次の目標である年間タイトル獲得に向け、7月16日(日)に行われるWEC第4戦ニュルブルクリンク6時間レースへ向け準備を開始する。
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