メルセデス・ベンツ THE WORLD RECORD TOUR 1989-2012 Mr グンター・ホルトルフ氏 インタビュー(1/2)

  • 筆者: 吉澤 憲治
  • カメラマン:Gunther Holtorf/メルセデス・ベンツ日本/オートックワン編集部
メルセデス・ベンツ THE WORLD RECORD TOUR 1989-2012 Mr グンター・ホルトルフ氏 インタビュー
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メルセデス・ベンツ Gクラスと走った距離は地球20周分、訪れた国と地域はなんと200以上!!

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みなさんはメルセデス・ベンツGクラスで、世界中を旅している男がいることをご存知だろうか。 これまでの走行距離は、地球20周分に相当する80万kmを超え、訪れた国と地域は200以上にも上るという、まさにタフ・ガイ。 しかもそれが御年75歳でやってのけていると聞けば、誰もがきっと驚くはずだ。

そんな彼の名はグンター・ホルトルフ。 夏真っ盛りの7月、ここ日本へやって来ているというので、先日我々は早速インタビューを試みた。 インタビュー場所となったのは、東京は六本木にあるメルセデス・ベンツの情報発信基地「メルセデス・ベンツ コネクション」

我々の顔を見ると、すかさず満面の笑顔と陽気な振る舞いで挨拶を交わす。なんとも親しみやすいご老人だ。 カメラを向けると、彼は相棒の300GDのボンネットやルーフへと軽々とよじのぼり、サムズアップのポーズを決めてくれる。 とても75歳とは思えぬ身のこなしように、一瞬こちらがヒヤリとさせられる場面もあった。

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この300GDという車は1979年から1991年まで、2万台が製造されたモデル。通称ゲレンデ・ヴァーゲンの名で世界中にファンを持つクルマだ。 ちなみに彼の愛車は1989年製造という初代モデルで、すでに20年以上の付き合いだという。

エンジンは3リッター直列5気筒ディーゼルエンジンを搭載。ボディは当初、鮮やかなスカイブルーだったのだろう。今となっては、多くの部分の塗装がはがれおち、これまでの道中の長さと過酷な自然環境を物語っていた。 運転席周りには、訪れた国で手に入れた小物やアクセサリーが飾られ、いかにも!といった雑然とした生活感が滲み出ている。

後席とラゲッジスペースはフラットに改造されており、1段目が荷物入れの引き出し、2段目がダブルの簡易ベッドという作りだ。リアの観音ドアを開けば、調理器具がきちんと整理されて掛けられており、キャンピングテーブルと卓上コンロを引っ張り出せば、所構わず即席キッチンへと早代わりする。ここでは大好きなもやしとガーリックのソテーを頻繁に作るという。

これぞGクラスキャンピングカー。撮影をしているとこちらのテンションも上がって来る。

ナチス政権化の1937年、ドイツはミュンヘン近郊で生まれ育ったというホルトルフ氏。 大学卒業後は、ルフトハンザ航空に30年ほど勤めた後、52歳のときにご夫人と二人きりでこのアドベンチャーツアーをスタートさせた。

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全てが順風満帆な旅となったわけではなかった・・・

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このワールドツアーをはじめたきっかけを聞いてみた。

グンター・ホルトルフ氏(以下:GH)「ルフトハンザ航空を退職後、人生一度きり、どうせなら楽しいことをやってみようと、はじめはドイツから南アフリカを目指して旅立ったんだよ。それがゴールしたら、今度は南米まで行ってみようかなという気になって、いつしか止められなくなってね、気がついたらこんなお爺さんになってしまったよ(笑)」

と、彼はドイツ語なまりの英語で我々を和ませてくれる。

しかし、全てが順風満帆な旅となったわけではなかった。 アフリカ東部を南下中の1991年、エチオピア・エリトリア内戦に巻き込まれたのだ。 そのほかにも各地で武力衝突の現場と遭遇するなど、主にアフリカでは危険とは常に隣り合わせだったと振り返る。

【GH】「それだけじゃないんだよ、サハラ砂漠や夜のサバンナでは、今度は動物が脅威さ。人間同士ならジェスチャーでなんとかコミュニケーションが取れるかもしれないけど、相手が動物だとそうもいかないから怖かったね。何度か寝込みを襲われそうになったこともあるよ。ハイエナやライオンとかにね。Gクラスが死んだ水牛にでも見えたんだろうね(笑)」

想像するだけで背筋が凍るような体験談だが、これも“アドベンチャーの醍醐味”と、ホルトルフ氏は楽しそうに語る。中でも中南米は日常的に治安の悪い国が密集している為に、一瞬足りとて気が休まらなかったと言う。

【GH】「日本人や、僕ら欧米人はお金を持っているというイメージが彼らにはあるから、こちらが用心していないと盗難に合い、そこから傷害事件に発展するケースだってあるんだよ。だから、親しくなった人に、次はどこへ行くんだい?と聞かれても、行く方向とは真逆の方向を言うようにしていたのさ。もしかしたら実は変な人かも知れないだろ?後をつけられたら怖いからね」

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そんな道中の話が盛り上がるにつれ、彼の口からはこんな意外なことが聞けた。

【GH】「実はね、思い出に残っているのが北朝鮮なんだよ。いろいろと話題に上る国だけど、僕にとってはとても平和な国だったよ。ただし、入国に関しては最終的にドイツ政府と北朝鮮政府間の交渉レベルにまで発展してしまってね、結局5,000ユーロ(約60万円)も北朝鮮税関に支払ったけど、あれはいい経験だったよ。通常なら4ユーロで入国OKなんだけどね」

一個人の車が、ワールドツアーの名目で北朝鮮に入国できたことにドイツ政府も正直驚きを隠せなったようだ。なにせ、北朝鮮に外国の登録車が入ったこと自体、彼の車が初めてだからだ。

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さらに彼は続ける。

【GH】「ピョンヤンは大きな街で、政府の要人や軍幹部なんかは並行輸入のSクラスや、カイエンなどに乗っているけど、一般人が乗る車が全くと言ってよいほど走っていないんだ。だから僕の車なんか目立つはずなんだけど、歩いている人はこちらを見ないんだ。まっすぐ前を見て歩いてるだけなんだよ。ちなみに国内を走る際は、僕の車には政府の役人が常に乗り込み、エスコートという名目で監視されてたね。確かに危険な目には遭わなかったけど、あの国の“統制力”というものには驚かされたよ」

緊張感伝わる話に取材陣も興味津々に聞き入る。

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筆者吉澤 憲治
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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