清水草一の乗ればわかるさ!!トヨタ プリウス vs レクサス HS250h(2/2)
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:オートックワン編集部/原田淳/島村栄二
新型プリウスは先代より「余力感」タップリ!
まずプリウス。
改めて「現行プリウスには、もはや弱点は存在しない!なにからなにまで完璧だ!」と思わざるを得ませんな。デザインはクールでモダンで適度にスタイリッシュ。インテリアも未来感覚に満ちている。
乗り味はしなやかで、きわめて高級。静粛性も驚異的に高い!モーターは実に守備範囲が広く、街中ではいつでも強大なトルクを発揮して、スルスルスル~とクルマを前に押し出してくれる。1,800ccに排気量アップされたエンジンも、トルクが太くなって静粛性もアップ。もちろん燃費も大きく向上させている。
初代プリウスだと、箱根のワインディングの上りでは、エンジンが唸りを上げてフィーリング最悪となりますが、現行プリウスは軽やかに登ってくれる。
初代、2代目との最大の差はこの「余力感」だ。余力があると、快適性が大幅に向上するんだよね。用賀から小田原までのハイウェイセクションでの燃費は、リッター29.7キロ(エアコンオフ)でした。特にエコランをしたわけじゃなく、割合フツーに走ってこの燃費。
リッター約30キロってのは、もはや実感としては「いつまでたってもガソリンがぜんぜん減らないじゃん!」。スバラシイとしか言いようがありません。
HS250hはプリウスとそっくり?
一方の、レクサス HS250h。
こちらに乗り換えると、一瞬、プリウスとの差がわからないほど、乗り味がソックリです。しなやかな乗り心地、静かな室内、余力のあるパワー感、すべてソックリで、プリウスに対するアドバンテージはあまり感じられない。エンジンはプリウスより大きい2.4リッターだけど、同じ4気筒なので特に滑らかには感じないし、モーターは逆にプリウスより相対的に出力が小さいので、守備範囲が狭く、割合すぐにエンジンに頼ってくる。
プリウスよりクルマが重い分、乗り味が少し重厚かな、くらいのところで、差し引きプラマイゼロ。ほとんど似たような感じなのです。もちろん、内装のゴージャスさは段違いだけど同じトヨタ車、大衆車メーカーなわけで、どこか「後付けのゴージャスさ」という気がしないでもない。
個人的には、シンプルなプリウスのインテリアの方が、はるかに好ましく感じられる。後席の居住性はレクサスの方が若干上だけど、後席をいつも使うわけじゃないなら、それもあんまり関係ない。それで、お値段は2倍以上なわけですよ。2倍以上するクルマが、乗り味ソックリってのはどうなのか・・・という気持ちにならざるを得ない。
プリウスとHS250h、ドッチがお買い得?
確かに、HS250hが刺さる層ってのはあるでしょう。今、プログレに乗ってらっしゃるような裕福な老夫婦などには、落ち着いたセダンボディと、「プリウスより上級」という差別感は、とても好ましく感じるのではないでしょうか。でも、そういうのがないなら、どう考えても2倍以上プリウスの方がお買い得であります。
帰路、同じルートの燃費計測で、レクサス HS250hはリッター17.1キロをマークしました。このクラスのセダンとしては秀逸なれど、プリウスの約6割にとどまっている。乗り味はソックリ、値段は2倍、ガソリン代も2倍弱かかる。そう聞けば、いかにプリウスがスバラシイか、おわかりいただけるのではないでしょうか。
そう、乗ればわかるのです!プリウスとレクサス HS250hの差は!プリウスをご検討中の皆様、レクサス HS250hには、プリウスの代役は務まりません。私としては、ゴージャスでセレブ感のあるハイブリッドカーなら、レクサス RX450hをオススメ致します。
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