”トップofレクサス” 新型「LS500」「LS500h」に公道試乗|レクサスが目指した”他ブランドにはない味”とは(1/2)

ライバルの後追いから脱却し全てが生まれ変わった新型LS

すでにオートックワンで清水和夫さんのインプレッションが掲載されているトップofレクサスの新型「LS」。

2017年の10月から国内発売が開始されているが、実はハイブリッドの新型LS500hのみで、ガソリン車の新型LS500の発売は少し遅れて2018年1月から。そのため、これまでの新型LS500の試乗レポートはクローズドコースと言う限定された場所による物だったが、今回は晴れてナンバー付モデルによる公道でのインプレッションとなる。

改めて新型LSを簡単におさらいすると、開発コンセプトは「よりエモーショナルに」、「よりエキサイティングに」、「より先見的に」だが、その背景には世界の高級車を震撼させた初代LS(=セルシオ)以上のインパクトを与えることが至上命題だった。

そのためには、ライバルの後追いをするのではなく、大きく変える必要があり、結果として全てが刷新された。

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ドイツのライバルとは違う! LSならではの独自性を前面に主張

ジャーマン3とは明確に異なる個性を得たスタイリング

フォーマルセダンながら、エクステリアは6ライトのクーペシルエットをもち、ジャーマン3のライバルとは異なる独自性を表現している。

従来モデルの要所をシッカリと抑えたレクサスらしいスタイリングは、すでに街中に上手に溶け込んでいるような気がする。

匠の技が盛り込まれた”和風”インテリア

インテリアでは、水平基調のインパネ周りは加飾も少なめで本質にこだわったデザインとクオリティ。上級モデルには日本の伝統美を形にした「TAKUMI(匠)クラフトマンシップ」が随所に盛り込まれている。

新プラットフォームによる低重心パッケージは低めの着座位置。運転席周りはドライバーズカーらしいほど良い“包まれ感”が得られる。

いっぽう後席はフォーマルセダンらしいゆったりとした空間を実現した。ヘッドクリアランスが狭いと言う意見もあるが、これはある意味確信犯。今までのレクサスならそんな事は許されず、全高を引き上げて中途半端なデザインになっていたはずだが、「よりエモーショナルに」の実現のために割り切った英断は評価したい。

そもそも、広さを求めるなら高級セダン市場に割って入ってきたトヨタの高級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」と言う選択もあるわけで・・・。

全てが新しいLS500用V6 3.5リッターツインターボ

ガソリン車であるLS500のエンジンは新開発のV6 3.5リッターツインターボ。今までのトヨタ/レクサスのエンジン型式名付けルールとは異なる「V35A-FTS」と呼ばれるユニットだが、これまでのNAのV8 4.6リッターから全てを刷新したダウンサイジングターボである。

レクサス インターナショナルの旭 利夫 チーフエンジニアは「今後のパワートレインを考える際に、いつまでも大排気量ではないな・・・と思いました。社内で高速燃焼や高効率ターボの開発が進んでおり、V6と組み合わせることでV8並みの動力性能と圧倒的な燃費性能をアピールできると判断、採用を決めました」と語っている。

ちなみに小さな排気量で大きな排気量並みのパフォーマンスと言うのは、大排気量を搭載するライバルに対してV8 4.0リッターにこだわった初代LSに通じる部分でもある。

キーワードは「高速燃焼」と「高効率ターボ」で、それを実現させるために石橋を叩いて壊すほど慎重なトヨタ/レクサスながらも新技術を惜しげもなく投入。世界でも類を見ないロングストローク(ボア85.5×ストローク100.0mm)仕様で、最高出力421ps/最大トルク600Nmのパフォーマンスと10.2km/L(JC08モード)の燃費性能を両立。トランスミッションはLCにも採用されるダイレクトシフト10速ATだが、LSに搭載するにあたり専用制御となっている。

ターボらしくない自然で滑らかなエンジン特性

V6 3.5リッターツインターボの印象だが、いい意味でターボらしくない自然で滑らかな特性だ。

1600rpmから最大トルクを発生する特性とクロスレシオ化された10速ATにより、エンジン回転数をさほど上げることなくいいリズム感で速度はスーッと高まっていく。この時はいい意味でエンジンの存在を感じさせない。

その一方でアクセル開度を大きめにすると、心地良いサウンドと相まって回すほどに盛り上がるパワー感はスポーツエンジンのそれに近いフィーリング。6400rpmのレッドゾーンを超える勢いで気持ちよく回る。そういう意味では、新型LSはこれまで得意分野だった「静」のみならず、「動」も上手にコントロールしているのがニクイ部分かもしれない。

ただ、ちょっと気になったのは燃費の部分で、今回の試乗コース(高速道路7割:一般道3割)で10km/L前後だった。JC08モード燃費測定値の10.2km/Lに近いのだが、同条件でライバルを走らせると14~15km/L近い値が出ている。この辺りを開発者に聞くと、「日本の速度域(=100km/h)だと条件によって10速に入らない事もあります。それによって燃費がだいぶ変わってしまうかもしれません」との事だった。この辺りは世界統一スペックを掲げているので仕方ない部分はあるが・・・。

>>レクサスが目指した”味”に最も忠実な仕上がりをみせるLS500[次ページ]

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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