レクサス 新型IS プロトタイプ 試乗レポート/河口まなぶ(1/2)
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:茂呂幸正
欧州ブランドと真っ向から対峙するための強い押し出しとインパクトを表現
レクサスの新型ISのプロトタイプは見た目から、中身から、走りから、作り手の熱い想いが感じられた。正直、想像以上の仕上がりだったと報告したい。
実は今日、新型ISに触れるまで、「最近のレクサスの方向性の変化ってどうなの?」と思っていた。
なぜなら同ブランドは、2005年の日本展開時に欧州の競合と一線を画す控えめさを美徳とした経緯がある。だが今、レクサスはブランドの方向性を180度変え、欧州ブランドと真っ向から対峙するための強い押し出しとインパクトを表現しようとしている。
そのあまりの変わり様に対して正直疑問を抱いていたりもしたが、新型ISに触れるとそんな変わり身にも、なるほど納得できるものがあった。
体幹がしっかりしているからこそ、あらゆるパフォーマンスが引き出せる
↑↑↑ 河口まなぶ氏によるレクサス新型ISの動画レポートはコチラ ↑↑↑
まず、その典型といえるのがデザインだろう。写真を見ても分かるように、新型ISはともすればオーバーデコレーションかと思うほど、デザインに力が入っている。
ライトの前にアロー形状に入れられたLEDランプや、サイドシルからテールレンズへと伸び上がっていくライン、そしてショルダーの極めてRが小さく鋭いキャラクターライン…好き嫌いはともかく、強い印象を持っているものとして感じられ、競合の中で際立っていることは間違いない。
また、それに手垢のついた表現ではあるが、写真で見るよりも実物はずっと見応えがあったし、悪くないなとも思えた。
次に、中身としてはなんといっても、走り出した瞬間に「相当鍛えたな」と思えるだけの乗り味・走り味が伝わってきた。まず、印象的なのがボディのしっかり感。乗った瞬間からカチッとした感覚を受ける。
これは昨年のLSから導入したボディを面で接着するタイプの構造用接着剤や、レーザースクリューウェルディングと呼ばれる溶接技術によって従来よりも打点を増やしたことが奏功している。それはまるでアスリートの鍛え上げた体幹を思わせる感覚。つまり体幹がしっかりしているからこそ、あらゆるパフォーマンスが引き出せるわけだ。
それもあってか、現行ISに比べると乗り心地がかなり向上している点が印象的。足回りの設定はモデルによって細かに味付けが異なるものの、各モデルともスポーツセダンながらも優れた乗り心地といえるレベルにある。
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