ドライバーズミニバン 徹底比較(2/4)

ドライバーズミニバン 徹底比較
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先代よりも向上した快適性

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低床プラットフォームに低い全高というパッケージングにより得た余裕を、さらに走行性能の向上に費やしたという印象のフットワークを誇る。すでに高いレベルに達していた走りを、4代目モデルではよりグレードアップした。

標準モデルのFF車には、173psのエンジンにCVTが組み合わされるのに対し、アブソルートの2.4L直4エンジンは206psを発生。高トルクに耐え、リニアな5速ATが与えられる。

踏み込めばVTECらしいレスポンスと爽快な吹け上がりを示す。従来よりも低~中回転域のトルク感が増し、高回転域でのタレがより小さくなったような印象で、ドライバビリティの向上が、痛快なエキゾーストサウンドにも垣間見られる。

専用にチューニングされた足まわりは、スポーツカーをも凌駕するほどのハンドリング性能が光る。しっかりと手応えのあるステアリングフィールを持ち、切り込めば瞬時に反応しつつ、攻め込んでもタイヤがずっと追従していく。高いボディ剛性に裏付けられた、接地性に優れるサスペンションを持てばこそなせる業であろう。

乗り心地は、これでも固いと感じる人もいるだろうが、先代に比べると、とくに後席の快適性が向上した。従来は少々気になった微振動もよく抑えられている。

エクステリアは見てのとおりキープコンセプトで、先代より全体のフォルムを受け継ぎつつも、ボディパネル面の抑揚や、燃料電池車FCXクラリティに通じるメッキ多用のマスクなど、モダンなアプローチが見られる。ただ、テールランプのデザインについては、ややアイキャッチが弱いように思えなくもない。

全体的としては、背は低くてもミニバンの一端であることを匂わせた先代から、セダンのような乗用車としてリデザインされた印象である。

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乗りやすさはピカイチ

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少し離れて見るとレガシィと見間違えそうなスタイリングは、「3列シートのあるレガシィのようなクルマが欲しい」というユーザーの声に応えるべく、スバル開発陣によると“あえて”こうしたという。エクステリアデザインはレガシィ譲りだが、SIシャシーコンセプトをはじめ、ハードウェアはインプレッサ~フォレスターとの共通性が多い。

ロールーフとはいってもそれなりに車高が高いクルマだが、低重心のボクサーエンジン、シンメトリカルAWDレイアウトによって、もはや旧世代のレガシィよりも乗りやすく、もっと車重の軽いインプレッサにも匹敵するフットワークを披露する。

2Lの水平対向4気筒ターボエンジンは225psを発生し、ピークトルクは326Nmに達する。自然吸気エンジンは4速ATとなるが、ターボ車には5速ATが与えられ、3段階にエンジン性能を任意に選択できるSI-DRIVEが装備される。ただし、たとえ最速の「S#」に設定しても、低回転域での踏み始めのトルク感が薄い。その先の中回転域で示す、ターボらしい盛り上がり感のある加速には、さすがのものがある。

全体の走りのフィーリングは、極めてナチュラルで、いたって運転しやすく、気になるところがない。後席も含め乗り心地も良好だ。最小回転半径は5.5mとオデッセイに一歩譲るが、ボディサイズがひとまわり小さいこともあり、取り回しにも優れる。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

4WDはドライ路面でも安定性高し

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マイナーチェンジで、フロントマスクをはじめエクステリアがより個性的になり、リアも含めメッキ部分が増えるなどして華やかな印象となった。

全体のフォルムでは、ボンネットの存在を強調し、ミニバンでありながら、ミニバンっぽさの払拭を狙ったような印象でまとめられている。

今回は、あえてAWDモデルを持ち込んだ。車重がFFに比べ100kgあまり重く、2t近くに達するのだが、245psを発生する2.3L直4直噴ターボエンジンは、レスポンスがよく、フラットなトルク特性を示し、重さのハンデをあまり感じさせない。今回の中では唯一、6速ATを搭載するところも強みだろう。

大柄で重い車体のクルマだが、スポーティなミニバンを標榜しているだけあって、運転感覚においては、重いクルマのハンデをあまり感じさせない。

重心もそれなりに高いが、ストロークを十分に確保した足まわりは、乗り心地を悪化させることなく、ある程度はロールさせつつも、安定したコーナリング姿勢を保つ。マイナーチェンジ後のモデルは、従来からのハンドリングのよさをそのままに、足まわりのつっぱった印象が薄れ、乗り心地のカドが取れて、より快適性が向上した。

取材車両は4WDで、電子制御アクティブトルクコントロールカップリングを用いたスタンバイ式を採用。さらに、23TグレードのリアデフにはトルセンLSDを装備する。

FFと比べると、低速走行時の違いは体感されないが、ドライ路面でも高速コーナリング時などの安定感が異なる。これが雪道など低ミュー路になると、FFとの差は歴然としてくるはずだ。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

デザイン・スペックの総評

ミニバンにもさまざまなタイプがあるが、この3台は、数あるミニバンの中でも、とりわけスポーティな走りを楽しめる。3台それぞれに走りの良さがある中で、スポーティな印象が際立つのは、やはりオデッセイ・アブソルートだ。

エクシーガのGT、MPVの23Tも、それなりに車重があり、重心が高いパッケージながらミニバンとは思えないハンドリングを身につけている。また、この2台は、ターボエンジンをラインナップする点がポイント。オデッセイとMPVはAWDを選べるが、エクシーガの場合、ターボは無条件にAWDとなる点はメリット。その上、車重は3台の中で最も軽い。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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