ドイツ同門ホットハッチ 徹底比較(1/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
「ホットハッチ」のルーツを辿ると、初代ゴルフGTIに行き着く。一見、速そうに見えない小さなハッチバック車が、実は走らせる速いというのが始まりである。
Cセグメント全体の車格が上がり、見るからに走りそうになった今となっては、「ホットハッチ」という表現は、ちょっと相応しくなくなった気もするところだが、今回はゴルフGTIの登場を機に、アウディS3、シロッコという、ゴルフGTIファンも迷いそうな現代の同門ホットハッチ3台を集め、比較してみたいと思う。
フォルクスワーゲン ゴルフは、2009年4月にフルモデルチェンジし6世代目に移行。当初はコンフォートラインとハイラインというスタンダードモデル2機種のラインアップだったところ、2009年8月に待望のGTIが追加された。211psまでパワーアップされた2L直噴ターボエンジンを搭載し、先代と同じく、足まわりや内外装にも数々の専用アイテムがおごられる。価格366万円。
当初は3ドアのみのラインアップだった2代目アウディA3は、のちに5ドアのスポーツバックのみとなった。そして2009年2月、S3が発売された。
A3スポーツバックのトップモデルであり、アウディSモデルの中でのエントリーモデルでもある。発売から約半年後の同年7月、磁性体を駆使した連続可変ダンピングシステム「アウディ マグネティックライド」が標準装備された。価格535万円。
シロッコというのは、もともとゴルフのコンポーネンツを流用したスポーティモデルとして、1974年に初代がデビューしたのがはじまり。1981年にフルモデルチェンジし2代目にバトンタッチしたが、それが1992年をもって生産終了となっていた。
20年近くのインターバルを経て復活した3代目シロッコは、2008年に本国でゴルフVIよりも先に発売され、2009年5月に日本でも発売された。1.4L直噴ツインチャージエンジンを搭載する「TSI」(価格392万円)と、2Lシングルチャージエンジンを搭載し、上級装備が標準で付く「2.0TSI」(価格447万円)の2グレード展開であるが、今回はゴルフGTIと価格差を近づけることと、撮影に使用したゴルフGTIと異なる仕様のクルマでどのくらい違うかを見るため、あえて下のTSIを持ち込んだ。
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