ドイツ同門ホットハッチ 徹底比較(2/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
リラックスして楽しめるスポーティテイスト
3台を比べると、車高が高めであることが見て取れる。
レッドのラインを施したフロントグリルなどGTIの伝統を採り入れつつ、大きな開口部にハニカムグリルを配したフロントバンパーなど、精悍さの増したフロントに対し、リアビューはちょっと個性が薄れたような気もしないでもない。18インチ仕様のホイールは、非常にデザイン性の高いものが付く。
GTIの伝統にのっとって、ベーシックなゴルフをもとに、強力なエンジンや強化したサスペンションなどが与えられ、走行性能が高められている。
新開発2L直噴ターボエンジンは、最高出力は155kW(211ps)/5,300~6,200rpm、最大トルクの280Nm(28.6kgm)を1,700rpmという低回転から発揮。これに6速DSGのみが組み合わされる。MTの設定はない。
素早くダイレクト感のあるシフトチェンジが楽しめるのは従来どおり。また、半クラッチの制御も非常にスムーズで扱いやすく、これなら駐停車時など微低速での移動や、発進~停止を繰り返す市街地走行においても、煩わしさを感じることはないだろう。
エンジンは非常に力強く、中~高回転域での力感が従来よりも増している。ただし、わずかながら圧縮比が落とされたせいか、低回転域でのピックアップは微妙に落ちているようだ。
クルマ自体の静粛性は高いのだが、このエンジンが奏でる野太いエキゾーストサウンドを味わいながらドライブできるのもGTIに乗る楽しみのひとつだろう。 足まわりは、強化サスと17インチタイヤが標準で、18インチタイヤをDCC(アダプティブシャシーコントロール)とセットでオプションにて選ぶことができる。
撮影車両がまさにその仕様で、乗り心地がよく、フラットライドでライントレース性も高く、リラックスしたままスポーティな乗り味を楽しめるまとまりのよさには、感心せずにいられなかった。
DCCは、sportでも乗り心地がよく、comfortでも腰砕けにならず、非常に万能性の高い仕上がりである。
スポーツカー顔負けのドライバビリティ
縦にクロームのダブルラインを配した専用グリルやシルバーのドアミラー、サイドシルスポイラー、専用のSデザイン18インチホイールなどが、A3スポーツバックに対する外観上の相違点で、それほど派手に差別化されているわけではない。
2L 直4TFSIエンジンは、基本的にゴルフGTIやA3の2.0TFSIクワトロとベースは同じだが、専用に大幅にパワーアップされている。最高出力は188kW(256ps)/6,000rpm、330Nm(33.7kgm)/2,400~5,200rpmと、2.0TFSI クワトロに比べると、出力が28%、トルクが18%も向上していることになり、アウディTTSに近いハイスペック仕様となっている。
これに6速Sトロニックが組み合わされ、わずか5.6秒でゼロスタートから100km/hの速度に達するという。
TTSもそうだったが、低回転域や再加速でのレスポンスにやや遅れが見られるものの、そこから上のパワー感では、ゴルフGTIをはるかにしのぐものがあり、レブリミットの7,000rpmまで頭打ちになることなく一気に吹け上がる様は絶品だ。
センターはドッシリと据わりながら、切り始めから遊びなく反応するステアリングもアウディならでは。足まわりには、当初はオプションだったが、現在は標準装備とされたマグネティックライドが与えられ、これの仕上がりもまた素晴らしい。やや固めの引き締まった乗り味の中で、路面のうねりに対してはタイヤをしなやかに追従させ、フラットな姿勢を乱さない。
また、VWの2モデルに対しては、横置きエンジンながらクワトロである点もS3の特徴。高いスタビリティと、スポーツカーをも凌駕するドライバビリティを身につけた、ホットハッチの頂点といえるモデルだ。
差別化されたスポーティテイスト
ゴルフをベースに、2ドアのスポーティな仕様とするという手法は、旧来のシロッコと同じ。ただし、長いルーフと切り落とされたようなテールゲートや、後方にかけて大きく絞り込んだリアセクションなど、往年のシロッコにならったわけでもなく、また他のどの車種にも似ていない、非常に特徴的なスタイリングをまとっている。
フットワークの味付けは、あえてゴルフ系と差別化した印象で、乗り心地は全体的に固め。クイックなハンドリングや軽量なボディにより、身のこなしは軽く、限界域ではFR的な操縦性を示す。決してVW車としての枠から外れてはいないが、VWとしてはかなり攻めたセッティングといえるだろう。
また、2.0TSIにはDCCが標準装備されるが、TSIでは選ぶことができず、タイヤも17インチと18インチという違いがある。
パワートレインは、TSIには、最高出力118kW(160ps)/5,800rpm、最大トルク240Nm(24.5kgm)/1,500~4,500rpmの1.4L 直4ターボ+スーパーチャージャーエンジンに乾式単板クラッチを持つ7速DSGが組み合わされ、2.0TSIには、同147kW(200ps)/5,100~6,000rpm、280Nm(28.6kgm)/1,700~5,000rpmという、ゴルフGTIに近いスペックの2L 直4ターボエンジンに湿式多板クラッチを持つ6速DSGが組み合わされる。
動力性能は、走り出しのごく初期の過給が安定しない領域ではツキが悪い部分もあるが、1,200rpmも回せば、上記2モデルよりも力強いトルク感があり、決して負けているわけではない。このあたり、購入検討者は乗り比べて確かめたほうがいい。
デザイン・スペックの総評
見た目においては、シロッコのユニークさが光る。
走行性能面では、万能性の高いゴルフGTIを基準として考えると、アウディS3とシロッコは、いずれもスポーティに味付けされているが、それぞれ「味」が異なる。ゴルフGTIは、スポーティながらいたってリラックスして乗れることが身上。
走りのダイレクト感はS3が上で、シロッコはスポーティテイストを強調しているという印象。
ちなみに、車検証上の車両重量および前/後軸重は、ゴルフGTIが1,430kg(=910kg+520kg)、S3が1,540kg(930kg+610kg)、シロッコTSIが1,340kg(870kg+470kg)となっており、ドライブフィールにもそれが如実に表れていた。
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