BMW アクティブハイブリッド X6 試乗レポート(3/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:BMW Japan
日本とはハイブリッド・システムの解釈が異なる
7速ATと表現されるトランスミッションは、実は「2つのCVTモードと4つの固定ギア比を備えるアイテム」だが、このCVT機能の部分を連続可変ではなく、敢えて3つの擬似ギア比として計7速を演じているのが特徴。これは、滑り感の強いCVT特有のフィーリングを嫌ったためと考えられる。
例えハイブリッド・モデルでも、そこは“駆けぬける歓び”に拘るBMW車であるわけだ。
国際試乗会が開催された米国マイアミ近郊では、平坦な土地柄ゆえにワインディング路でのチェックを行う事は出来なかった。ここでちょっと気になるのは、およそ260kgというハイブリッド・システム搭載による重量増と、駆動用バッテリー搭載のため、スペース的にリアの左右輪間で駆動トルクのアクティブ配分を行う従来のX6が売り物としてきた“ダイナミック・パフォーマンス・コントロール”の装着が不可能になったという部分。
さしあたり、乗り心地面には大きなマイナスは感じられなかったし、新採用の電動式パワーステアリングが生み出すフィーリングにも違和感が無かった点は褒めたい一方、ハンドリング感覚への影響の可能性はちょっと気になる部分だ。
日本では「燃費の向上=CO2の削減への特効薬のひとつ」と解釈されるハイブリッド・システムだが、X6で求められたポテンシャルというのは、それとは少々異なっている。
この部分が理解出来ないと「今の時代に485hpのクルマなんて」という事にもなりかねないが、それはまたハイブリッド・システムが秘めた幅広いチューニングのポテンシャルと表裏一体にあるというわけだ。
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