BMW アクティブハイブリッド X6 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:BMW Japan
燃費を20%向上しながらスポーツカー並のパフォーマンスを持つ
注目すべきはやはりそのパワーユニットで、かいつまんで言えば「『50i』グレードが積む最高407hpを発生する4.4リッターのツインターボ付きV8エンジンと、最高67kWと63kWを発生する2基の電気モーター、そしてニッケル水素バッテリーから成る“電気自動車部分”を、3組の遊星歯車と4組のクラッチから成るトランスミッションで組み合わせた」というのが、BMWが『世界最強のハイブリッド』を謳うこのモデルのシステム概要だ。
やはり2基のモーターを用いるトヨタ/レクサスの各ハイブリッド・モデルと同様、スタート時の低速域は電気モーターが主役となるのがX6ハイブリッドの走り。
それ以上は、アクセルペダルの踏み具合に応じてエンジンが自動的に始動するが、その際の挙動がすこぶる静か、かつスムーズな点には感心する。
加速力が必要無くなると最高60km/h程度までは再びエンジンが停止する場面が多く、そんな“EV走行”は最大で2.5km程度の距離まで可能であるという。
トヨタ/レクサスの各モデルに比べるとより高い速度、より長い距離までをEV走行出来るのが特徴だが、これは「ヨーロッパの市街地に多い50km/h規制区間はエンジンを掛けずに走りたい」という狙いからチューニングされているという。
市街地を抜け高速道路に入ると、トータルで485hpのシステム出力が威力を発揮してさすがにパワフル。何しろ、0-100km/h加速はわずかに5.6秒で、最高速も236km/hと世界一級のスポーツカー並のパフォーマンスを謳うのがこのモデル。
そう、実はこのモデルのハイブリッド・システムは燃費追求型というよりは「圧倒的な動力性能をキープしつつも効率を向上」という考え方によるものなのだ。
実際50iグレードと比較すると、同等の動力性能を持ちながら、燃費性能は20%ほど上回るという。BMWの作品であるからには、「ハイブリッドは燃費と共に走りも良い!」というイメージをまずは構築する必要があるという事だろう。
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