アウディ S7スポーツバック 海外試乗レポート/大谷達也(3/3)
- 筆者: 大谷 達也
- カメラマン:アウディジャパン(株)
「洗練されたスポーティモデル」という新時代を切り開くアウディ
乗り心地も、この種のスポーティモデルとしては非常に洗練されたもの。
荒々しいところがなくて、スムーズで、快適なのだ。だからといって、よくあるラグジュアリーモデルのようにフワフワしているわけじゃない。必要なときにはピシッと落ち着いたマナーを示す。だから、アウトバーンを240km/hで飛ばしても、全然怖くなかった。
そういえば、乗り心地はS6とS7スポーツバックで微妙な違いを感じた。
S7スポーツバックのほうがより滑らかで洗練された方向性だったのだ。しかも、タイヤから伝わるロードノイズもS7スポーツバックのほうが小さかった。だから、ひょっとすると装着していたタイヤの違いが原因と考えられなくもないけれど、いずれにしてもその差はわずか。それに、ボディ形式による使い勝手の違いもあるので、この部分だけをもってしてS7スポーツバックのほうがいいと断言する気にはなれない。
そうそう、S6とS7スポーツバックの違いといったら、やっぱりデザインとボディサイズである。
テールゲートを持つスポーティ・サルーンとして開発されたS7スポーツバックは、S6より少し長くて少し幅広く、3cmほど低い。だから、スタイリングはS7スポーツバックのほうがスポーティ。
でも、だからといってS7スポーツバックが狭苦しく感じられることはない。正直、S7スポーツバックのほうが微妙に低いかな、という程度で、ほとんど変わらない。いっぽう、後席のスペースは当然のことながらS6セダンのほうが余裕がある。
ラゲッジルームは、テールゲートを持つS7スポーツバックのほうがS6セダンよりも荷物の積み下ろしは楽かもしれないけれど、容量そのものはほとんど変わらない。もっとも、たくさん荷物を積みたいならワゴンボディのS6アヴァントを選ぶのが正解だ。
繰り返しになるけれど、3モデルの差はごくごく小さい。それだけ、アウディはユーザーの要望にきめ細かく応えているともいえる。
S7スポーツバックとS6で、洗練されたスポーティモデルの新時代を切り開いたアウディ。
そのピュアな世界は、さらに純度を高めたようである。
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