欧州勢ミドルクラスSUVから選ぶならどれ? 日本で売れている「BMW X3」「メルセデス・ベンツ GLC」「ボルボ XC60」「アウディ Q5」を比較

画像ギャラリーはこちら

日本のみならず、世界中で人気となっているミドルクラスSUVは、まさに百花繚乱と言っても過言では無い状態だ。欧州勢ミドルクラスSUVを検討していながらも、「自分にはどのSUVが合うのか?」と頭を悩ませているユーザーも多いことだろう。

そこで今回は、ミドルクラスSUVのヒット作であるBMW X3を筆頭に、日本で売れ筋のライバルであるメルセデス・ベンツGLC、アウディ Q5、ボルボ XC60を比較してみよう。

目次[開く][閉じる]
  1. “ちょうどよい”サイズでヒット作となったミドルクラスSUV『BMW X3』
  2. ミドルクラスSUVは売れ筋カテゴリーだけに、ライバル多し!
  3. 永遠のライバル・メルセデス・ベンツが作る、隙のないSUV『メルセデス・ベンツ GLC』
  4. アウディらしいクールさと高品質が光る『アウディ Q5』
  5. ボルボ一連のモダンな北欧デザインが魅力の『ボルボ XC60』
  6. 各メーカーの個性に溢れるミドルクラスSUV

“ちょうどよい”サイズでヒット作となったミドルクラスSUV『BMW X3』

各メーカーがしのぎを削るSUV市場。今やスモールからラージクラスまで、数え切れないほどの車種が揃っている。それはかつて、ハッチバック車やセダンが築いていた車格をそのままトレースしたような様相。“ちょうどよい”サイズの車種に人気が集まったように、現在では、使い勝手とボディサイズ、価格のバランスが良いミドルクラスのSUVが世界中で売れ筋のひとつとなっている。

そんなミドルクラスSUVのヒット作の1つが、『BMW X3』だ。2017年デビューの現行型(G01型)は、SUVでは珍しいFRベースということもあり、ハンドリングの良さによってBMWらしい走りを楽しむことができる。

2021年10月28日には、マイナーチェンジが施された最新版が登場した。よりシャープに造形されたエクステリア、予防安全・運転支援システム『ドライビングアシストプロフェッショナル』を全車に採用するなど、安全支援装置が充実。AI技術が活用された音声認証システム『BMWインテリジェントパーソナルアシスタント』も搭載されたほか、コネクティビティ機能の進化も行われ、さらに魅力ある1台に仕上がっている。

>>個性溢れる各社のミドルクラスSUVを画像で比較する[画像ギャラリー]

ピュアEVから3リッター直6ツインターボまで揃えた豊富なパワートレイン

エンジンは、2リッター直4ガソリンターボ(184PS)、2リッター直4ディーゼルターボ(190PS)、2リッター直4+電気モーター(29PS)のプラグインハイブリッド(PHEV)。Mスポーツ仕様では3L直6ガソリンターボ(340/387PS)のハイパワーエンジンを積む。

トランスミッションはいずれも8速AT、駆動方式は4WD(xDrive)のみだ。X3のピュアEV版 iX3の航続距離(WLTCモード値)は450kmで、最高出力は286PSという性能を誇る。また、高性能版のX3 Mは、3リッター直6ツインターボ(480/510PS)という別格パワーを発生。価格は713万円から998万円(iX3、X3 M除く)だ。

ミドルクラスSUVは売れ筋カテゴリーだけに、ライバル多し!

前述のように、X3は売れ筋カテゴリーに属する。初代が2004年にデビューしたあと、各社も後を追いかけるように次々とミドルクラスのSUVを発表。レクサス NX、マツダ CX-5といった国産車のほか、メルセデス・ベンツ GLC、アウディ Q5、ボルボ XC60などのライバル車としのぎを削っている。

それでは、欧州勢ミドルクラスSUVを検討するユーザーに向け、X3と同じ欧州市場で生まれた3台と、X3を比較してみよう。

永遠のライバル・メルセデス・ベンツが作る、隙のないSUV『メルセデス・ベンツ GLC』

ドイツのプレミアムブランドとして、古くからガチンコ対決を続けてきたBMWとメルセデス・ベンツ。ミドルクラスSUVの世界でも、X3とGLCが競い合っている。GLCは2016年にデビュー。GLCの車名は、メルセデス・ベンツでSUVを示す「GL」に、「C」という記号がついていることから、「CクラスのSUV」を意味する。

ボディサイズは、X3の全長4,720×全幅1,890×全高1,675mmに対し、GLCは全長4,670mm×全幅1,890mm×全高1,645mm。パワートレーンは、2リッター直4ディーゼルターボ(194PS)、2リッター直4ガソリンターボ(258PS)、2リッターガソリンベースのPHEV(320PS)、AMGでは3リッターV6ツインターボ(390PS)、そして4リッターV8ツインターボ(510PS!)が設定される。

トランスミッションは全車9速ATで、駆動方式はこちらも4WD(4MATIC)のみ。これらを見ても、X3と真正面からぶつかるクルマだということがわかる。

安全装備・コネクティビティ機能面でも、装備・性能が十分に備わる。デザインは、近年のメルセデスの文法通り、曲面を主体としたもので、シャープさを強調したX3とは対象的だ。

X3や後述のアウディQ5より後発であるということ、メルセデス・ベンツが満を辞して送り出したSUVというだけあって、動的性能・車内の品質など、完成度の高さはかなりのもの。同社がこのモデルに力を入れていることを、強く感じさせる仕上がりになっている。価格は708万円~942万6000円(AMG除く)。

アウディらしいクールさと高品質が光る『アウディ Q5』

X3が出たことに対し、いわゆるドイツのプレミアムブランド御三家(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ)のうち、次に動いたのはアウディだった。同社が2003年に発表したラージクラスSUV「Q7」に続き、2番目のSUVとして2008年に誕生した「Q5」が、X3のライバル車にあたる。2017年には現行型となる2代目が登場。駆動方式は、アウディお得意のフルタイム4WD『quattro』を引き続き採用。2021年にはマイナーチェンジを受け、八角形のシングルフレームグリルを幅広い形状に変更するなど、細かな改良が行われている。

Q5のボディサイズは、全長4,680mm×全幅1,900mm×全高1,665mmで、これまたX3やGLCと近い。エンジンのラインナップでは、以前はプラグインハイブリッドモデルなども設定されていたものの、2021年12月現在では、2リッター直4ディーゼルターボ(204PS)・2リッター直4ガソリンターボ(249PS)+7段のデュアルクラッチ式AT『Sトロニック』と、高性能版「SQ5」が搭載する、3リッターV6ツインターボエンジン(354PS)+8速ATである。

アウディで定評のある、クールで高品質、異素材を上手に組み合わせたインテリアは、むろんQ5でも健在。ブランド力もある4WDシステムに対する安心感もあり、このクラスのクルマ選びにおける有力車であることは間違いない。価格は694万円~752万円(SQ5除く)。

ボルボ一連のモダンな北欧デザインが魅力の『ボルボ XC60』

日本の輸入車市場では、ドイツメーカーが絶対的な強さを維持しているが、それに対抗できる力を持つのがスウェーデンのボルボだ。同社のSUV「XC60」もまた、ドイツメーカーのクルマとは方向性を異にする1台である。

抑揚のあるボディを持つ初代は、2009年に登場。暖かみとモダン、使い勝手を融合した北欧デザインを採用したシンプルなインテリアで人気を博した。

2017年には、フルモデルチェンジによって現行型である2代目へと発展。余計な要素を削ぎ落としたようなエクステリア、初代と一変してきらびやかな印象に変化した内装で、さらに上質・高級感がアップしている。乗り味を含めてとても念入りな仕立ても評価が高く、2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。ボディサイズは、全長4,690mm×全幅1,900mm×全高1,660mm で、X3のライバルたちとほぼ同サイズだ。

2021年12月現在、パワートレーンのラインナップは、電動化を進めるボルボらしく、2リッター直4ターボ+モーターを搭載した48Vマイルドハイブリッドの「B5」(250PS)と、2リッター直4ターボ+スーパーチャージャー+モーターを積む48Vマイルドハイブリッドの「B6」(300PS)、そして2リッター直4ターボ+スーパーチャージャー+2つのモーターという「リチャージプラグインハイブリッド」と呼ばれるPHEV版「T8」(318PS)。以前設定されていた2リッター直4ターボの「T5」(254PS)、2リッター直4ターボ+スーパーチャージャーの「T6」(320PS)、2リッター直4ディーゼルターボ「D4」(190PS)などは外されている。

古くから、安全面に関しては妥協をしないボルボだけに、先進安全装備や運転支援機能は充実。価格は48Vマイルドハイブリッドが649~809万円、リチャージ プラグインハイブリッドが834万円~1034万円だ。

各メーカーの個性に溢れるミドルクラスSUV

このように、各メーカーが出すミドルクラスSUVは、サイズ・装備・性能・価格がいずれも拮抗しているが、それぞれのメーカーが持つ個性がしっかりと反映されているのは興味深い。しかも、どのモデルも、クルマとしての大きな欠点は見つからない。

そうなると、積載性能、燃費など、カタログ数値の比較か、乗り込んだ時の雰囲気・シートの座り心地・クルマの乗り心地・メーカー自体の好き嫌い・内外装デザイン、内装の明るさ、タッチパネルの反応など、感覚的・感性的な好みに大きく左右される。

あえてまとめれば、走りを楽しみたいなら『X3』、居心地のよい室内空間でゆったり走りたいなら『XC60』、総合的な満足度が高いのは『GLC』、といえるだろう。可能ならぜひディーラーに足を運び、実際に見て・触れて・乗って、その個性の違いを確認してみてはいかがだろうか。

【筆者:遠藤イヅル】

BMW/X3
BMW X3カタログを見る
新車価格:
790万円978万円
中古価格:
49.9万円918.8万円
メルセデス・ベンツ/GLC
メルセデス・ベンツ GLCカタログを見る
新車価格:
839万円998万円
中古価格:
197.5万円1,078.8万円
ボルボ/XC60
ボルボ XC60カタログを見る
新車価格:
739万円1,019万円
中古価格:
39.5万円884.9万円

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

遠藤 イヅル
筆者遠藤 イヅル

1971年生まれ。カーデザイン専門学校を卒業後、メーカー系レース部門にデザイナーとして在籍。その後会社員デザイナーとして働き、イラストレーター/ライターへ。とくに、本国では売れたのに日本ではほとんど見ることの出来ない実用車に興奮する。20年で所有した17台のうち、フランス車は11台。おふらんすかぶれ。おまけにディープな鉄ちゃん。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

BMW X3の最新自動車ニュース/記事

BMWのカタログ情報 BMW X3のカタログ情報 BMWの中古車検索 BMW X3の中古車検索 BMWの記事一覧 BMW X3の記事一覧 BMWのニュース一覧 BMW X3のニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる