【トヨタ ノア&ヴォクシーVSホンダ ステップワゴン比較】 モデル末期の今買うならどちらを選ぶべき?

  • 筆者: 青山 尚暉
  • カメラマン:小林岳夫・和田清志・トヨタ自動車
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いよいよミニバンの主力モデルとなるMクラスボックス型のトヨタ ノア&ヴォクシー(2022年早々)、ホンダ ステップワゴン(2022年中?)のフルモデルチェンジが迫ってきた。現行ノア&ヴォクシーは2014年1月、ステップワゴンは2015年4月のデビューだから、それも当然だ。

しかしながら、新型が登場したとしても、半導体不足などの世界的事情によって、納期がどうなるかは分からない。それもあって、すでに生産済みの現行モデル、モデル末期の両車を今買うなら、どちらを選ぶべきかを検証したい。

ここでは、走りの質感でステップワゴンがリードする……なんていう走行性能については言及せず、主に装備や室内空間、ラゲッジスペースの使い勝手、および価格について比較することにした。

目次[開く][閉じる]
  1. 全長は同等で全高はステップワゴンのほうが15mmほど高い
  2. 重い荷物の出し入れするならステップワゴンがリード
  3. 現行モデルではステップワゴンの方が有利だが、どちらも新型でアップデートされる予定だ
  4. 価格はステップワゴンの方が高価だ

全長は同等で全高はステップワゴンのほうが15mmほど高い

まず3サイズだが、全長は同等、車幅もほぼ同等で変わりなく、全高はステップワゴンのほうが15mmほど高い程度。注目はホイールベースで、室内長にかかわるステップワゴンのほうが40mm長い。

一方、カタログ値の室内寸法は、長さでステップワゴンが、幅はノア&ヴォクシーが、天井高はステップワゴンが上回ることになるのだが、そもそもMクラスボックス型ミニバンの両車の室内空間は余裕たっぷり。あまり気にすることはない。

1列目席はシートの高さ、アイポイント地上高でノア&ヴォクシーがリード。よりアップライトで視界の高い着座位置、見晴らし視界となる(厳密なアイポイント地上高はノア&ヴォクシーが1380mm、ステップワゴンが1368mm)。ちなみに横方向の視界、ボディサイドの見切り性にかかわるサイドウインドウの下端地上高は前端、後端ともに109/113mmと、両車、見事にまったく同じである。

2列目席の乗降性はノア&ヴォクシーが有利だ

2列目席の乗降性については、スライドドアの開口部寸法は同等。ステップ高はノア&ヴォクシー360(前端)~400mm(後端)、フロアとの段差25mm。ステップワゴンは同385mm、段差なし。ここも大きな違いにはならないと思える。

2列目キャプテンシートのシートサイズもまた両車まったく同じでクッション長490mm、幅530mm、シートバック高600mmだ。お互い、徹底してライバルを研究しているあとがうかがえる。2列目席はミニバンの特等席だから、居住空間(キャプテンシート)の広さも気になるところ。

身長172cmの筆者のドライビングポジションを基準に、その背後に着座すると、ノア&ヴォクシーは頭上に260mm、膝周りに最大300mm。ステップワゴンは同290mm、360mmと、ステップワゴンが優位に立つ。

が、ノア&ヴォクシーの2列目席は前後左右にスライドし(ステップワゴンは前後のみ)、キャプテン、セミベンチシートの両方で使えるとともに、ノア&ヴォクシーの切り札として、トヨタ エスティマやアルファードのリラックスキャプテンシート同様に、シートの中寄アレンジによる超ロングスライドが可能。それを行うとノア&ヴォクシーの2列目席最大膝周り空間はなんと600mmに達するのである。

ステップワゴンの2列目席が左右スライド不可であることを含め、2列目席のアレンジ性ではノア&ヴォクシーがリードすることになる。加えて、シートの着座性、立ち上がり性にかかわる、フロアからシート前端までの高さ=ヒール段差もノア&ヴォクシー370mm、ステップワゴン340mmと、ノア&ヴォクシーが優位である。

3列目の居住性ではステップワゴンの圧勝だ

ミニバンならではの3列目席はどうか。両側スライドドアからの乗降では、2列目席ウォークインによる乗降間口の広さでノア&ヴォクシーがリード。キャプテンシートの2-3列目席スルー幅は同等。

しかしステップワゴンはわくわくゲートのサブドアからも乗降でき、後席乗降性の自由度、楽しさ!?ではステップワゴンが優位に思える。

3列目席の居住性は、ステップワゴンの圧勝と言っていいかもしれない。頭上方向はノア&ヴォクシーが160mmのところ、ステップワゴンは210mm。

2列目席膝周り空間を200mmに揃えた場合の膝周り空間でもノア&ヴォクシー160mmに対して、ステップワゴンは250mmもあるのだから、3列目席の使い勝手では、くどいようだがテールゲート側からも乗降できるステップワゴンがリードしていると言っていいだろう。

ただし、シートのかけ心地そのものは、シートアレンジ優先、床下収納のステップワゴンのほうが小ぶりで、座面がごく低いため体育座り的になり、着座感そのものはノア&ヴォクシーのほうが上である。

重い荷物の出し入れするならステップワゴンがリード

ラゲッジルームの使い勝手では、ステップワゴンが優位に違いない。最大の違いは、巨大なテールゲートの開閉方式だ。ノア&ヴォクシーは上に跳ね上げる一般的な開き方で、全開にするには車体後部に1m程度のスペースが必要だ。

が、わくわくゲートの横開きとなるサブドアなら、車体後部に400mm/640mm/760mm(3段階)のスペースがあれば、荷物の出し入れが可能なのである。

そして重い荷物の出し入れにかかわる開口部地上高もまたステップワゴンが445mm(段差190mmあり)、ノア&ヴォクシーは500mm(段差なし)と、ステップワゴンがリードする。

3列目席使用時のラゲッジスペースはノア&ヴォクシーが奥行400mm、ホイールハウス間の最小幅980mm、天井高1240mm。ステップワゴンは同500mm、1220mm、1290mmとすべてでリード。

3列目席格納時の奥行は、ノア&ヴォクシーが1140mm、ステップワゴンが1180mm(いずれも2列目席スライド最後端位置)と、ステップワゴンのほうが荷物の積載性で優位に立っている。

しかも3列目席格納時では、ノア&ヴォクシーが左右跳ね上げ式で幅が制限されてしまうのに対して、ステップワゴンは3列目席床下収納式だから、幅方向はそのまま。ただし、転がりやすいものや普段使わないもの、汚れものの収納に便利な床下収納かあるのはノア&ヴォクシーのみ。このあたりは3列目席の格納方法とのバーターである。

現行モデルではステップワゴンの方が有利だが、どちらも新型でアップデートされる予定だ

装備面で両車を比較すれば、実用装備に大きな違いはないものの、先進運転支援装備では、さすがにデビュー年次が古いため、最新とは言えないものの、現状、ステップワゴンがほんの少し優位。例えばノア&ヴォクシーにはACC(アダプティブクルーズコントロール)は未設定。

ステップワゴンには渋滞追従機能はないものの、一応、旧式ながらホンダセンシングの一部機能としてACCが装備されている(最新のACCと比べると使いにくいが)。

このあたりの先進装備に関しては、両者ともに新型で一気にアップデートされ、ノア&ヴォクシーは最新のトヨタセーフティセンスが採用されるだろう。また、コネクテッド機能を含め、充実するはずだからそのあたりの装備が気になる。あるいは必須なのであれば、新型を待つのが正解と言えるだろう。

価格はステップワゴンの方が高価だ

最後に価格を比較してみると、人気のエアロモデル、そしてこの時代に相応しいHVモデルでは、例えばヴォクシーのHV ZSが334万7300円。ステップワゴンのe:HEVスパーダGホンダセンシングが342万7600円となる。

ステップワゴンがちょっぴり高いのは、わくわくゲートのサブドア分の便利差と考えてもいいかもしれない……。

ただし、ステップワゴンに関しては、現行モデルの人気が主に女性から今一つな理由として、左右非対称&バンパーレスデザインのわくわくゲートが挙げられるため、次期型でわくわくゲートが採用されるかは不透明。

もし、第5のドアと呼べる、車体後部からも乗降できるわくわくゲートのサブドアの便利さがお気に入りなら、現行モデルを買うのがいいかもしれない。よって、新型の情報に注視したいところである。

【筆者:青山 尚暉】

トヨタ/ヴォクシー
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新車価格:
309万円396万円
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ホンダ/ヴェゼル
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青山 尚暉
筆者青山 尚暉

学生時代はプロミュージシャン、その後自動車専門誌2誌の編集を経てフリーのモータージャーナリストに。現在は自動車業界だけでなく、愛犬のラブラドールとジャックラッセルとともに、愛犬との快適で安全なクルマ旅を提案するドッグライフプロデューサーとしても活動中。また、クルマのパッケージを寸法で比較するため、独自の計測ツールを開発。1台につき25項目以上を詳密計測。実用性の目安として、記事中で展開している。現在、自動車用純正ペット用アクセサリーの企画、開発も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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