初代から新型まで、今年のトヨタブースはスープラ祭りだ!【SEMAショー2018】

今年の米国トヨタがフィーチャーするのはスープラ

SEMA SHOWに日本の自動車メーカーが自社ブースを出展するようになって久しいが、近年のトヨタブースは「注目の車」をフィーチャーした展示が行われている。例えば2016年は50周年を迎えたカローラが展示の中心となり2017年ではカムリがフィーチャーされた。それぞれ、デビュー時から最新モデルまで、歴代の車両が展示されたり、最新モデルをプロレーサーがカスタムするなど、ユニークな試みで多くの来場者を集めている。

そして今年の米国トヨタブースの目玉は、20年ぶりに新型が発売されることが決定したトヨタ・スープラであった。

日本でもアメリカでも車好きの若者の心をとらえ続けた4世代のスープラ(日本では1,2世代はセリカXX)を振り返ってみたい。

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アメリカで成功をおさめてきた歴代スープラがずらり

今年のトヨタブース注目の車がこちら。

1979-1981 Toyota Celica Supra [Fast(1st) Generation]

1979年に米国で発売された日本名セリカXX(A40/50)は米国ではセリカ・スープラと呼ばれた。当時、米国で大人気だった日産フェアレディZの対抗馬として米国トヨタの要望によって誕生したと言われている。標準のセリカをベースに、全長、全幅を拡大したボディを採用。

70年代後半、当時としては、日本はもちろん、アメリカの自動車界においても最新、最高の装備を備えたフラッグシップに相応しい仕様であった。

トランスミッションは標準の5MTの他に4ATの選択も可能で、パワステ、チルトステアリング、ディスクブレーキ、アルミホイール、AM/FMステレオラジオを標準装備。

オプションとしてクルーズコントロール、オートエアコン、パワーウィンドウ、パワードアロックに加えて、本革仕様のインテリアが用意されていた。ちなみに、写真のセリカ・スープラはアメリカ仕様のため、サイドミラーはドアミラーとなっているが、当時の日本はまだドアミラーが認可されておらず(1983年に解禁)、日本仕様はフェンダーミラーとなっている。

1982-1986 Toyota Supra [Second (2nd) Generation]

日本では2世代目セリカXX(A60)。 米国では1982年に発売されたこの2代目スープラから、「セリカ」の名称が外されている。

エンジンは2.0/2.8L DOHCの2種で、最高出力145馬力、0-100kmは9.8秒、最高速度は125MPH(200km/h)に達した。米国の著名自動車雑誌Car and DriverやMotor Trendなどで、非常に高い評価を獲得。83年にはパワーアンテナやヘッドライトウォッシャー、84年にはバンパーやテールライトのデザインを変更し、リアハッチに大きな「SUPRA」の車名が配されている。

トヨタブースの屋外展示スペースには一般オーナーの車も展示されている。こちらは、2世代目のセリカ・スープラで本来はドアミラーのはずが、真の日本仕様へのオーナーの強いこだわりからわざわざ、フェンダーミラーに変更されている。

1987-1992 Toyota Supra [Third (3rd) Generation]

この世代から日本でもセリカの車名が外れ、「トヨタ・スープラ」(A70)に車名が変更された。米国トヨタのスープラとしては1986年に発表された1987年モデルで、3世代目となる。

デビュー直後から米国では大人気となり、当時の米国市場で最も人気の高い日本製スポーツカーの1つとして地位を確立。2世代目スープラに比べて飛躍的にパフォーマンスがアップしており、最高出力230馬力、0-100km/hは6.4秒、最高速度は232km/hに達した。

1993-1998 Toyota Supra [Fourth (4th) Generation]

日本では2世代目となるスープラ(A80)で、こちらのモデルは米国4世代目のスープラとなる。映画「The Fast and the Furious」(邦題ワイルド・スピード)の1作目に故ポール・ウォーカー演じる主人公ブライアンの愛車として登場し、印象的なラストシーンを飾った車として多くの若者の心に残り、米国を中心に爆発的人気を獲得。アメリカではいまも非常に高い人気を得ており、今回のSEMAショウにも、この4世代目のスープラをベースにしたカスタム、チューニングカーが多数出展されていた。

右ハンドル仕様のスープラをわざわざ日本から輸入して乗る、究極の日本車ファンも少なからず存在する。「25年ルール」(製造から25年経過した車は右ハンドル車でも米国内の走行が可能)の適用により、1993年製造のA80であれば、2018年から、米国内での走行も解禁となっている。なお、米国ではNA(220馬力)とツインターボ(320馬力)の2種が発売され、0-100km/hはそれぞれ6.8秒、4.6秒をマークした。

公開が待ち遠しい新型スープラのNASCAR参戦モデルが登場!

すでにトヨタ自動車からも正式な発表があった通り、新型スープラの量産型モデルについては2019年1月の北米国際オートショーにて世界初公開が予定されており、最近では市販車販売に向けた最終的な公道テストの様子が日本国内の各地でも目撃されている。

SEMA2018で発表されたのは、NASCAR Xfinityシリーズ(NXS)に参戦予定のモデルで、TRDとCalty(カリフォルニアにあるトヨタの先行デザイン拠点)のコラボによって誕生した。この2社によるコラボはこれまでもカムリのNASCAR仕様制作で協力体制にあり、手がけたカムリは2017年のNASCARモンスター・エナジー・ナスカー・カップシリーズにてチャンピオンシップを獲得している。

[筆者:加藤 久美子/撮影:加藤 博人]

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加藤 久美子
筆者加藤 久美子

山口県下関市生まれ 自動車生活ジャーナリスト 大学時代は神奈川トヨタのディーラーで納車引き取りのバイトに明け暮れ、卒業後は日刊自動車新聞社に入社。出版局にて自動車年鑑、輸入車ガイドブック、整備戦略などの編集に携わる。95年よりフリー。2000年に第一子出産後、チャイルドシート指導員資格を取得し、チャイルドシートに関わる正しい情報を発信し続けている。 得意なテーマはオリジナリティのある自動車生活系全般で海外(とくにアメリカと中国)ネタも取材経験豊富。愛車は22年間&26万km超の916アルファスパイダー。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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