エンジンかけずに自分で発電!?新型「プリウスPHV」、2つの“世界初”が凄い!(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
電気(EV)だけで走れる価値を高めた
従来型のプリウスPHVでは、ベースのプリウスと同様にオートエアコンを装着していた。
消費電力の少ないステアリングヒーター、高効率な暖め方をするシートヒーターも備えていたが、それでも足りずにオートエアコンを作動させると、モーター駆動のみの走行時でもエンジンが始動してしまう。要は暖房の熱源とする目的でエンジンを始動させるのだから、もったいない話である。
またプリウスPHVでは、短距離の外出などを充電された電気(EV)だけで走れることに価値がある。この段階でヒーターのためにエンジンが始動したら、PHVとして機能する場面が大幅に減ってしまう。
開発者は「ヒーターについてはお客様からも疑問の声が聞かれた」と言う。
新型プリウスPHVは冬季も経済的で快適に過ごせる!
そこで新型プリウスPHVは「ヒートポンプ式オートエアコン」を採用する。
同様の仕組みは日産 リーフにも追加設定されている。ヒートポンプはエアコンに使われる冷媒を利用して外気を取り込み、ポンプで圧縮することによって高温にする。これに車内の冷えた空気を当てて暖める仕組みだ。この方式であれば、消費電力は圧縮ポンプの作動だけなので、電熱線式ヒーターなどに比べると負荷が小さい。
だが、新型プリウスPHVではこのヒートポンプ式オートエアコンに、ガスインジェクションの機能も組み込む。外気温が特に低い時には暖房の効果が下がるので、一度車内に放熱された冷媒の一部を圧縮ポンプに戻すことで、暖房効率を高める。
ほかのメリットとしては、スマートフォンなどを使ったリモートコントロールで、出発前にヒーターを作動させて車内を暖めておくことも可能だ。なお、少ない消費電力で即座に暖まるステアリングヒーターとシートヒーターも、引き続き採用する。
新型プリウスPHVであれば冬季のドライブも快適に、しかも経済的に楽しめるだろう。
[Text:渡辺陽一郎]
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