エンジンかけずに自分で発電!?新型「プリウスPHV」、2つの“世界初”が凄い!(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
ソーラーパネルで1日充電すると約「5km」の走行が可能
ソーラーバッテリーを経由する理由を開発者に尋ねると、「駆動用のリチウムイオン電池はとてもデリケート。充電する時にもさまざまな制約がある。そこでニッケル水素のソーラーバッテリーに蓄えた上で、駆動用のリチウムイオン電池に充電するようにした」と言う。
ちなみにソーラーパネルの最大出力は約180Wで、量産車に装着されるソーラーパネルとしては、世界最高の出力だという(最近はキャンピングカーなどにも180Wのソーラーパネルが使われるようになった)。
充電される電気の量は日照時間などによって左右されるが、晴天の日に1日充電するとJC08モードで約5kmの走行が可能だという。新型プリウスPHVは駆動用リチウムイオン電池が満充電された状態で60km以上を走れることが目標だから、あくまでも単純にいえば、12日くらいで満充電できる発電能力を備えることになる。
ソーラー発電は自分で発電する手段を持つ価値が大きい
「1日で約5km」という充電能力が多いか少ないかは別にして、災害時などには威力を発揮するだろう。車内に装着されたAC100V・1500Wのアクセサリーコンセントを使えば、ソーラー発電された電気によって家庭電化製品を使用することも可能だ。
開発者によると「プリウスPHVが自分で発電する手段を持つ価値が大きい」と言う。従来のクルマはエネルギーを消費して走るのが当たり前だったが、ソーラーシステムを備えれば、エネルギーを少量であっても自分で作り出せる。これはプリウスPHVのコンセプトに結び付く装備でもあるだろう。
なお、ソーラー充電システムはオプションで用意するという。屋根のある車庫に駐車すると、充電される時間が大幅に限られて利用価値も下がるからだ。
オプション価格は未定だが、先代プリウスのソーラーパネル付きムーンルーフは21万6000円であった。次期プリウスPHVのソーラー充電システムも、性能を高めることまで考えると同等かそれ以上の価格だろう。
つまり損得勘定を超えた装備だが、太陽光でクルマを走行できる価値は大きい。
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