スズキ スペーシア 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
ワゴンRを上回る「29km/L」という超絶低燃費を実現!
「疑問がなさそうで、実は知りたいことが意外に多いクルマ」
それが、背の高い新型軽自動車の「スズキ スペーシア」ではないだろうか。2月26日に「スズキ スペーシア 新型車解説」を掲載しているので詳細は省くが、一番の疑問はJC08モード燃費が29km/Lに達する燃費性能だろう。
2012年9月に登場した同じスズキの「ワゴンR」は、28.8km/Lという超低燃費でニュースになった。スペーシアは車両重量がワゴンRよりも60kg重い850kg(ノーマルエンジンのX)、全高は95mm高い1,735mmだ。ボディが重く、空気抵抗も増えれば燃費で不利になるが、JC08モードの数値はスペーシアが0.2km/L優れている。
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ワゴンRよりもさらに低燃費な理由
開発者に尋ねると、「ワゴンRに対して複数の改善を加えたため」と言う。
タイミングチェーン(バルブを駆動する機能でベルトではなくチェーン式)の幅を35%細くし、パワーロスを低減している。さらに、エンジンの吸排気系統に備わる可変バルブタイミング機能の作動も見直して、ワゴンR以上に効率の良い燃焼が行えるよう工夫した。
CVT(無段変速AT)は副変速機を備えたタイプだが、ワゴンRに比べるとローギヤを使う頻度が抑えられている。低速域でもハイギヤの状態を長く維持することで、エンジン回転を抑える制御とされた。
こういったさまざまな工夫を施すことで、より背が高くボディも重いスペーシアにもかかわらず、燃費はワゴンRを上まわっている。
ちなみに、スペーシアの登場とほぼ同時期の2013年2月20日には「アルトエコ」もマイナーチェンジが図られ、JC08モード燃費を従来の30.2km/Lから33km/Lへと大幅に向上させている。スペーシアと同様の機能を組み込んで、約10%の燃費改善が図られている。
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