日産 セレナAUTECH試乗|デザインも走りもこだわったプレミアムスポーティミニバンの新提案(2/2)

  • 筆者: 大谷 達也
  • カメラマン:原田淳・島村栄二 協力:株式会社オーテックジャパン
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セレナAUTECHの最上級モデル“SPORTS SPEC”に試乗

今回、試乗したのはセレナAUTECHのなかでも最上級グレードにあたる“SPORTS SPEC(スポーツ・スペック)”と呼ばれる仕様。これは前述したエクステリアやインテリアのカスタマイズに加え、走りのキャラクターにも手が加わえられている。

チューニングの基本となるボディ剛性は、フロント、中央部、リアの3ヵ所にフロア下側からメンバーを追加して強化。スプリングやダンパーも専用パーツに置き換えられ、15mmのローダウンが施されている。タイヤはミシュランのパイロットスポーツ4(205/50ZR17)だ。

>>プレミアムな内外装が特徴のセレナAUTECH SPORTS SPECのすべてを画像で見る(147枚)

また、ECUをチューニングしてシャープなレスポンスと心地よい加速Gの持続を両立。VDCも専用チューニングを受けており、ドライバーが操る余地を拡大した設定に改められているという。

ちなみに、こうした走り関連のカスタマイズは基本的にセレナNISMOと同じ内容。ただし、NISMOではタイヤをブリヂストンのポテンザ アドレナリンRE003とすることで、NISMOらしいスポーティなイメージを表現したそうだ。この辺の違いは、いずれ改めて試してみたい。

今回は短時間ながらこのセレナAUTECH SPORTS SPECに試乗した。コースはオーテックジャパン本社のある茅ヶ崎で、一般道と高速道路の両方を走行した。

ECUのチューニングがもたらす適切なレスポンスが好印象

乗り始めてすぐわかるのは、ソリッド感が大幅に強まった乗り心地。重心高の高いミニバンのボディをしっかりと支えてくれている印象で、安心感が強い。

しかし、だからといって路面からのゴツゴツ感はさほど強くなく、段差に乗り上げても強い突き上げ感は認められない。この辺は、メンバー追加で剛性を高めたボディがしっかりと衝撃を受け止めている証拠だろう。

あとは、細かいボディの上下動をもう少し穏やかに抑え込んでくれれば言うことなしと思えたくらいだ。

ECUのチューニングを受けたスマートシンプルハイブリッドのパワートレーンは、最高出力や最大トルクがスタンダードなセレナと共通なだけに、特別速いとは感じられないものの、アクセルペダルを踏み込んでから加速に移るまでの遅れが少ない点は印象的だった。これはハンドリングも同様で、ステアリングを切った瞬間にガキッ!と曲がり始めるわけではないけれど、ドライバーの自然な感覚に寄り添ったレスポンスが得られる。

腕利きのなかには「ミニバンを運転するときはその遅れ分をあらかじめ織り込んで早めに操作を開始する」なんてドライバーもいるだろうが、セレナAUTECH SPORTS SPECだったらそんな必要はない。プレミアムスポーティというコンセプトをうまくミニバンに落とし込んでいると感じた。

幅広いラインナップを取り揃えるセレナAUTECH

「これほどこだわった作りのセレナAUTECH、きっとさぞかし高いだろうなあ」と心配されている皆さんに朗報がある。今回試乗したセレナAUTECH SPORTS SPECでも、スタンダードなセレナ(ハイウェイスターVセレクション)との価格差は約30万円ほど(同等のオプションを装着した場合)。

「AUTECHのスタイリングは欲しいけれど走りのカスタマイズは不要」というユーザー向けのSafety Package仕様であれば、その差は約20万円ほどへと圧縮される。

さらには、人気のe-POWER仕様も設定されているなど、幅広いラインナップが用意されていることもセレナAUTECHの魅力といえるだろう。

[TEXT:大谷達也/PHOTO:原田淳・島村栄二/協力:株式会社オーテックジャパン]

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大谷 達也
筆者大谷 達也

1961年、神奈川県生まれ。エンジニア職を経験後、1990年二玄社に就職し、CG編集部に配属となる。以来、20年間にわたり同誌の新車情報、モータースポーツに関する記事を企画・編集・執筆。2010年3月フリーランスとなる。現在もCGの編集・執筆業務に携わる傍ら、ENGINE、GENROQ、東京中日スポーツ新聞、レーシングオンなどにも寄稿。日本モータースポーツ記者会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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