自動運転技術「プロパイロット」搭載でライバルを猛追!魅力の高まった新型「セレナ」【徹底解説】(3/3)

自動運転技術「プロパイロット」搭載でライバルを猛追!魅力の高まった新型「セレナ」【徹底解説】
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低床化というライバルとのハンデを補う「プロパイロット」

以上のように、新型セレナは機能を幅広く向上するが、背の高いフラットフロア構造のミニバンに必要な低床化を見送った痛手は小さくない。

これを補うのが自動運転技術「プロパイロット」だ。

アクセルとブレーキを自動操作して追従走行できるクルーズコントロールの機能に、ハンドルの操舵支援も加える。

日産 新型セレナ

基本的な作動は、時速30~100kmの範囲でドライバーが速度を設定すると、アクセルとブレーキは車間距離を保つように自動調節され、なおかつ車線の中央を走れるようにステアリングにも操舵支援の力を加える。

そして設定速度が時速30~100kmでも、渋滞などで速度が下がった時は機能がキャンセルされず、全車速の追従走行を保つ。

ハンドルの操舵支援は、ドライバーがハンドルを握っていることが条件だ。手を離すと数秒後にはメーター内部に警報が表示され、それでもハンドルに触れないとメーター表示に加えてアラームも鳴る。最終的にはプロパイロットの作動が解除される。

ただし、例外もある。この操舵機能にはインテリジェントパーキングアシスト(駐車場所を設定すると電動パワーステアリングが自動的に回って車庫入れができる装備)のメカニズムを応用したこともあり、時速10km以下で追従走行している時は、ドライバーがハンドルから手を離しても操舵支援が保たれる。機能的には手放し状態の継続が可能だ。

「プロパイロット」は自動運転ではなく、あくまで“運転支援”

日産 新型セレナ

それにしても、日産の表現は誤解を招きやすいので注意したい。

「自動運転技術/プロパイロット」としているが、機能的には「自動運転」ではなくハンドル操作を含めた「運転支援」だ。自動的に走らせる装置ではない。開発者に「自動運転を可能にする技術を使った運転支援装置ではないのか」と尋ねると「まさにその通り」という返答だった。

日産では緊急自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)も、「自動ブレーキなら日産」などと宣伝している。自動という言葉は「自動ドア」「自動改札機」という具合に、人の操作が不要なことを意味するので、プロパイロットの表現としては妥当ではない。

日産 新型セレナ

使用上の注意にも触れたい。カーブで曲がり具合に合わせて速度を調節する機能はないから、例えば時速100kmに設定して走行中、急なカーブに差し掛かると曲がり切れないことが想定される。使用できるのは、ハンドルの操舵角度が小さい高速道路や自動車専用道路のみだ。

難しいのは、ドライバーが運転している“自覚”を持つこと。車間距離を自動制御するクルーズコントロールであれば、ハンドルは自分で操作するから自覚を失いにくいが、ハンドル操作にも支援が働くと意識が薄れやすい。

プロパイロットはメーカーオプションの設定が多いが、構成部品は単眼カメラや制御機能で、基本的には現在のエマージェンシーブレーキアシストと同等だ。追従停車した状態を維持できる電動パーキングブレーキが加わる程度だから、価格はさほど高まらないだろう。

プラットフォームまで踏み込まなかったフルモデルチェンジは腰が引けた印象だが、運転支援の機能で魅力を補っている。新型セレナも人気車種になるのは間違いないので、ライバルのヴォクシー/ノア/エスクァイア、ステップワゴンも割安な特別仕様車を設定したり、値引き額を増やすなどの対策を行うはずだ。

背が高いミドルサイズのミニバンを買うなら、セレナとライバル車を比較して選ぶのが良いだろう。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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