日産 新型ジューク、やはり日本スルー!?

フランクフルトショーに姿なし

「なぜ、このタイミングで欧州?」

日産は2019年9月3日、フルモデルチェンジした新型ジュークを欧州各地での日産独自イベントで発表した。日本人としては、なんとも唐突な出来事に思える。

>>大刷新! 新型ジュークの内外装を画像で見る

理由その1:モーターショー不遇時代の到来

筆者が考える理由その1は、2019年9月10日からプレスデーが開催される、独フランクフルトショーに日産は未出展だからだ。欧州市場向けの新車発表は通常、9月に隔年開催されるフランクフルトショーかパリモーターショー、または3月開催のジュネーブショーで行うのが業界の常識だった。

ところが、2018年のパリモーターショーを皮切りに、全世界の主要モーターショーでは軒並み出展社数が一気に減少する緊急事態となった。日産としては以前から、世界でのモーターショー出展の効率化を掲げて、出展先を絞ってきたが、そうした動きが業界全体の動きを見据えてさらに加速したかたちだ。

筆者はいま、本稿をフランフルトショー・プレスデー二日目の現場で書いているが、こうしたモーターショー不遇の時代が一気に訪れたことに驚きを隠せない。

理由その2:イギリスのブレグジット(EU離脱)との絡み

理由その2は、イギリスのブレグジット(EU離脱)との絡みだ。ジョンソン首相と議会との一進一退の攻防が続く中、日産としてはジュークをはじめとする欧州向け製造拠点の在り方について見直しを迫られている。

ホンダは、2019年4月に英国からの生産撤退の準備に入ることを発表。日産としても、生産調整で済むのか、それとも完全撤退かとの選択が迫られている状況だ。

こうした中で、英国工場の従業員や英国政府を含めて、欧州内で働く日産関係者に向けて、新型ジュークの姿をまず見せる必要があったのではないだろうか。

以上のような政治的な背景のほか、ジュークにはもっと深い、根本的な課題がある。

それが、日本市場への導入に大きく関わる。

そもそも異端児

「まさか、このデザインで世に出るとは思わなかったでしょう?」

2010年にジュークがデビューした際、日産のデザイン本部長(当時)だった中村 史郎氏が筆者に向かって自慢げな顔を見せたことを、いまでもはっきりと覚えている。 

中村氏によると、ジュークについては、あまりにも奇抜なデザインであることに対して日産社内でも賛否両論があったという。ジュークは、日産の異端児なのだ。

それでも、当時の日産経営陣の中には、リーフによるEV改革、そして各種クロスオーバーSUVによって新しいマーケット創造のためのブレイクスルーが必然だと考えがあり、そうした思いがジューク誕生を後押しした。

ジューク誕生を後押ししたキャッシュカイの存在

もうひとつ、ジュークが世に出ることできた背景には、欧州で販売が好調だったキャッシュカイの存在が大きい。

キャッシュカイの商品コンセプトは、欧州各地で気軽に使える生活四駆だ。

ハードなオフロード走行ではなく、自宅から出る時にちょっとした雪道や、ぬかるみから脱出できるような、そんなイメージの生活四駆として企画された。

日産の読みは大きく当たり、キャッシュカイは欧州市場でコンパクト・クロスオーバー生活四駆という新たなる分野を作り上げることに成功した。

こうしたキャッシュカイが生み出した市場の中で、「もう少し、遊び心があるコンパクトなクロスオーバーがあっても良いのでは?」という発想に至った。

それがジュークだ。

このような欧州での新しいトレンドを、日産は英国から日本へ持ち込もうとした。具体的には、初代キャッシュカイをデュアリスとして英国工場生産で日本へ輸出した。

だが、日本市場では生活四駆のデュアリスよりも、より本格的な四駆であるエクストレイルの需要が大きく上回った。そのため、日本ではデュアリスなきあと、ジュークは日産ライナップの中で孤独な存在になってしまった。

日本で新型ジュークを売るのか?

こうしたジューク生誕の裏事情を知ると、「本当に日本で新型ジュークを売るのか?」という疑問が芽生えてしまう。

現在、日本市場においてジュークがいるコンパクトSUVセグメントは、トヨタ C-HR、ホンダ ヴェゼル、マツダ CX-3など売れ筋のライバルたちが多い。

逆に言えば、市場はしっかりと確立しているのだから、新型ジュークが日本に登場しないワケがない、とも言える。そうならば、もちろん、パワーユニットはe-POWERになるのが筋だ。

一方、欧州仕様の新型ジュークは、1リッター3気筒直噴ターボを採用。これには、今後さらに厳しさを増す、欧州CO2規制に対する配慮がある。

新型ジュークの日本発売はある? それともない?

こちら、新型ジュークが先行発表された欧州の地で感じる筆者の肌感覚は、「五分五分」だ。

[筆者:桃田 健史]

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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