ルノー・日産、カナダケベック州と提携 … 電気自動車の普及を促進
ルノー・日産アライアンスは1日、日産のカナダ現地子会社のカナダ日産とケベック州政府、モントリオール市、ケベック市、ハイドロ・ケベック社、ケベックエネルギー効率局が、ケベック州におけるゼロ・エミッションモビリティを推進するためのパートナーシップを締結したと発表した。本パートナーシップでは、ケベック州における電気自動車の充電インフラの整備やゼロ・エミッション車の普及を促進する方策を検討していく。
ケベック州天然資源大臣のナタリー・ノーマンデューは、「本合意によって、数カ月以内に施行予定の電気自動車に関する政府の具体的な行動指針に一歩近づくことになる。ケベック州は97%の電力を環境にやさしい再生可能な資源から得ており、電気自動車の導入を後押しする好条件がそろっている」と述べた。
カナダ日産社長のマーク・グリムは、「ゼロ・エミッションモビリティは、CO2の排出削減と石油依存の軽減への最も効果的な解決策の一つである。『日産リーフ』をケベックで販売する日が待ち遠しい。『日産リーフ』は、手ごろな価格の量産型ゼロ・エミッション車である。われわれのパートナーはすでに、温室効果ガス排出に対処する断固たる姿勢を示しており、実り多い連携となるであろう」と述べた。
ハイドロ・ケベック社代表取締役社長のティエリー・バンダルは、「新しいパートナーと充電設備について前向きに協議したい。ドライバーは外出先でどのような場所での充電を望むか、急速充電器をどのように配置すべきか等といった点や、可能性のある様々なビジネスモデルなど、一緒に考えるべき課題は多い。ゼロ・エミッションモビリティのワーキンググループへの参加は、当社の『2009-2013年経営計画』遂行に必要な見識を与えてくれるだろう」と語った。
本合意のもと、ケベック州民を対象とした電気自動車普及に向けた啓発活動も、州および自治体レベルにて検討される。
モントリオール市の執行委員会メンバーで、財政、持続可能な開発、環境および公園担当のアラン・デ・サウサは、「モントリオールは温室効果ガス排出削減の真のリーダーである。今回調印した覚書は、モントリオール市の持続可能な開発に関する政府戦略の目的に合致する。2020年までに30%の温室効果ガス排出を削減する目標にも近づくだろう」と述べた。
ケベック市長のレジ・ラボームは、「このパートナーシップは、ケベック市がすでに進めている持続可能な輸送に向けた努力の延長線上にある。エコロバス・サービスや、旧市街地を走る排出ゼロの超低騒音の電気ミニバスは、州都の環境の質維持に貢献する顕著な成功例の一つである」と語った。
日産はアライアンスパートナーであるルノーと共に、ゼロ・エミッション車の世界的リーダーになることを目標として掲げている。日産は、手ごろな価格の量産型ゼロ・エミッション車である「日産リーフ」を2010年12月より、日本、米国、欧州にて販売を開始する。ケベック州など、カナダの一部市場では、2011年より発売される。
ケベック市について
50万人以上の人口を抱えるケベック市は、環境の美しさとクオリティ・オブ・ライフ、住民の活力と生活水準の高さが評価される北米有数の近代的な中規模都市である。開発と発展、イノベーション、国際的競争力に焦点を当てた教育の拠点となっているほか、環境マネジメントでも有名である。州都であると同時に北米の主要都市としても知られるケベック市は、欧州の歴史を感じさせる魅力と近代的な魅力が入り混じり、観光地としても人気が高い。
ハイドロ・ケベック社について
ハイドロ・ケベック社は発電から送電、電力の共有までを担う。同社の株式はケベック州政府が独占的に保有している。再生可能な発電方法を主に採用しており、水力発電を中心に、個人からの電力購入を通じて風力発電の発展も支えている。また、エネルギー効率など、電力に関する研究も行っている。
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