波乱のSUGO、近藤真彦監督率いるフォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが今季初優勝!【スーパーGT第4戦 GT500クラス】

スーパーGT第4戦SUGO GT500クラス

2016 AUTOBACS SUPER GT第4戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝レースが7月24日にスポーツランドSUGO(宮城県)で行なわれた。

GT500クラスはNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rの佐々木大樹選手/柳田真孝選手組が、予選9位からタイヤ無交換作戦を決行し、見事な逆転勝ちを決めた。

No.39 コバライネンとNo.19 関口、2台のRC Fが激熱のトップ攻防!

スーパーGT第4戦SUGO GT500クラス
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午後1時5分からグリッドへの試走がスタートしていき、ポールポジションのNo.6 WAKO'S 4CR RC Fを先頭に14台のGT500マシンがグリッドについたが、No.12 カルソニックIMPUL GT-Rはグリッドへの試走時、ストレートに差しかかったところで駆動系のトラブルによりストップ、ピットスタートを強いられることになった。

多くのファンで賑わったグリッドウォーク時、細かい雨粒が舞ったものの、スタート時のコースコンディションはドライのまま。各車スリックタイヤを装着し、宮城県警の白バイ5台、パトカー1台の先導による1周のパレードラップをこなした後、フォーメーションラップに入っていった。

迎えたスタートでは、No.6 WAKO'S 4CR RC F(アンドレア・カルダレッリ選手)がリードを守り1コーナーへ。No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(小暮卓史選手)、No.38 ZENT CERUMO RC F(石浦宏明選手)と続いていく。オープニングラップこそ静かな戦いだったが、SUGOでのレースを象徴するような激しいバトルが展開されていくことになる。

3周目、10番手を争っていたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(柳田真孝選手)とNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GT(野尻智紀選手)がハイポイントコーナーでわずかに接触。野尻選手がスピンを喫してしまう。さらに、5周目にはGT300クラスが前方に出現しはじめると、トップ争いが一気に接近。No.6 WAKO'S 4CR RC Fの背後にNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT、No.38 ZENT CERUMO RC Fが一気にバトルへと発展していった。

6周目、三つ巴のバトルはGT300車両をかき分けて1コーナーにアプローチするが、No.6 WAKO'S 4CR RC FはGT300のNo.22 アールキューズ SLS AMG GT3と接触。2台ともにスピンを喫してしまい、これでNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTがトップに浮上する。

No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは10周目には2.961秒のマージンを築いていくが、やはり周回遅れのGT300に出会うタイミングによって、一気に差が詰まっていく。16周目、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTの背後に近づいたNo.38 ZENT CERUMO RC Fは馬の背コーナーでインを突くも、2台は接触。これでNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTはスピンオフを喫してしまった。

トップを走る車両が続々とスピンを喫するなかで、今度はトップに浮上したNo.38 ZENT CERUMO RC Fの背後に、8番手から1台、また1台と華麗なオーバーテイクを披露してきたNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン選手)が接近しはじめる。F1勝利経験者らしいアグレッシブな走りをみせるコバライネン選手は、12周目にはNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTをパスすると、20周目にはNo.37 KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター選手)をパス。さらに、23周目の1コーナーでは一気に首位のNo.38 ZENT CERUMO RC Fをオーバーテイク。首位に浮上した。

一方、コバライネン選手同様素晴らしいペースでレース前半を盛り上げたのは、関口雄飛選手のNo.19 WedsSport ADVAN RC F。24周目にはNo.37 KeePer TOM'S RC Fをかわすと、さらに25周目には軽く接触しながらNo.38 ZENT CERUMO RC Fをかわし、トップのコバライネン選手を追った。

しかし、26周目の最終コーナー立ち上がりでGT300クラスのNo.5 マッハ車検 MC86がクラッシュ。この処理のため、セーフティカー(SC)が導入されることになった。このSC導入が、レース展開を大きく左右することになる。

今シーズン、セーフティカー中のピットインは禁止されるレギュレーションとなったが、31周目にリスタートとなると、コース上の混雑を避けるべく、GT500クラスでは真っ先にNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R、No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT、No.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTがピットへ向かう。

一方、上位を走っていたレクサスRC F勢はコース上にとどまり、35周を終えて3番手を走っていたNo.38 ZENT CERUMO RC Fもピットへ。さらに、44周を終え2番手No.19 WedsSport ADVAN RC Fもピットイン。さらに、46周を終えNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fもピットに入っていった。

逃げるトップのNo.24 GT-Rの佐々木を3台のRC Fが猛追!

スーパーGT第4戦SUGO GT500クラス
スーパーGT第4戦SUGO GT500クラススーパーGT第4戦SUGO GT500クラス

しかし、レクサスRC F勢がピット作業を終えてコースに戻ると、その前方には1台のマシンが。セーフティカー明けにピットに入った4台のうち、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rがマージンを築きながら先頭を走っていた。No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rだが、実はピットインに際してタイヤ無交換作戦を敢行。「ヨコハマタイヤさんを信じて、セーフティカー時に決断しました」という近藤真彦監督の決断により、迅速なピット作業で柳田選手から交代した佐々木大樹選手をコースに送り出していた。

トップを走っていたNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rの後方には、みるみるうちにタイヤを温めたNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平選手)が接近する。No.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fは、インフィールド区間ではNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rとの差を縮めるものの、コース後半のスピード勝負で離される展開が続いてしまい、なかなかオーバーテイクするには至らない。

さらにその後方では、No.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路選手)、No.19 WedsSport ADVAN RC F(国本雄資選手)、No.6 WAKO'S 4CR RC F(大嶋和也選手)による戦いが激化する。しかし、終盤に向け雲の切れ間から青空が広がり気温が上昇しはじめると、ふたたび首位のNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rと2番手No.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fの差が縮まり、さらに3番手以下の3台のレクサスRC Fまでも接近していった。

レースも残りわずかという72周目には、さらに5台の差は接近。「もう意地でした」という佐々木選手のNo.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rはタイヤが苦しくなったが、GT300クラスをうまく使いながらトップの座を譲らず、5台は大混戦状態に。76周目には、ついに混戦のなかでNo.38 ZENT CERUMO RC FがNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fをパス。残り5周、さらにバトルが激しくなっていくかと思われた。

しかし76周目、最終コーナーでGT300クラスのNo.18 UPGARAGE BANDOH 86がクラッシュ。タイヤバリアが飛散する危険な状況となってしまう。そのため、レースコントロールは赤旗中断を決断した。

その後、レースはそのまま終了が決定し、No.24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-Rが今季初勝利を飾ることになった。日産GT-R NISMO GT500勢は今季3連勝。74周終了時の結果となったため、2位はNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F、3位はNo.38 ZENT CERUMO RC Fという表彰台に。そしてレクサスRC F勢が2~5位までを占めた。Honda NSX CONCEPT-GT勢では、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTが6位フィニッシュを果たしている。

スポーツランドSUGOらしい波乱の展開となった第4戦。SUPER GT真夏の3連戦の幕開けは、白熱のバトル満載となった。第5戦は、ふたたび富士スピードウェイで8月6~7日に開催される。

GT500 リザルト

スーパーGT第4戦SUGO GT500クラス
スーパーGT第4戦SUGO GT500クラス

1位 #24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木 大樹 / 柳田 真孝)

2位 #39 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン / 平手 晃平)

3位 #38 ZENT CERUMO RC F(立川 祐路 / 石浦 宏明)

4位 #6 WAKO'S 4CR RC F(大嶋 和也 / A.カルダレッリ)

5位 #19 WedsSport ADVAN RC F(関口 雄飛 / 国本 雄資)

6位 #17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越 広大 / 小暮 卓史)

7位 #15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤 英紀 / オリバー・ターベイ)

8位 #37 KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター / 平川 亮)

9位 #1 MOTUL AUTECH GT-R(松田 次生 / ロニー・クインタレッリ)

10位 #100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本 尚貴 / 伊沢 拓也)

11位 #36 au TOM'S RC F(伊藤 大輔 / ニック・キャシディ)

12位 #64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋 大祐  / ベルトラン・バゲット)

13位 #46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山 哲 / 千代 勝正)

14位 #8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦 孝亮 / 野尻 智紀)

- #12 カルソニック IMPUL GT-R(安田 裕信 / J.P.デ・オリベイラ)

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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