2015年ル・マン復帰の日産、「NISSAN GT-R LM NISMO」を世界初公開 ~前代未聞の“FFモデル”で参戦!~

米・スーパーボウルのコマーシャルタイムにサプライズ!?

日産は、米国・アメリカンフットボールの『第49回スーパーボウル』のコマーシャルタイムに“ル・マン24時間レース”参戦車両である「NISSAN GT-R LM NISMO」を発表した。

2014年のスーパーボウルの視聴者数は1.1億以上を数え、米国テレビ史上最多視聴番組である。今年は、「NISSAN GT-R LM NISMO」を発表する日産の「父親と共に」コマーシャル(www.withdad.com)を初放映する絶好の機会となった。

NISSAN GT-R LM NISMO

マシンの全貌が明らかに!同時に1人目のドライバーも発表!

2014年5月23日、GO NISSANの日にロンドンで、『日産が2015年、「NISSAN GT-R」の名を冠したマシンでル・マン24時間レースに復帰』という驚きの発表があった。また、2015年のFIA世界耐久選手権(WEC)には、2台のLMP1マシンと共にワークスチーム体制で参戦するというもので、日産の参戦は1999年以来、実に16年ぶりとなり注目を集めた。

マシンについての詳細は公開されず、「NISSAN GT-R」の名を冠したものという情報のみに留まっていたが、ここにきて「NISSAN GT-R LM NISMO」の詳細が明らかとなった。

写真は発表時のもの

日産はレースの技術規定を革新的方法で解釈し、『V6 3リッターガソリン・ツインターボエンジン』とエネルギー回生システムを搭載した、斬新なフロントエンジン前輪駆動車を開発した。

同新型マシンは、スポーツカーレーシングの世界最高峰カテゴリーである『FIA世界耐久選手権』の“LM P1”(ル・マンプロトタイプ1)クラスで戦う。英国・シルバーストンで4月12日開幕し、シリーズはベルギーのスパ、ル・マン24時間およびドイツのニュルブルクリンクを経て、アメリカ、日本、中国、そして中東へと世界を転戦とする。

FIA世界耐久選手権は、ここで得られた技術を今後のロードカー開発に反映するため、自動車会社にとって究極の試験場となっており、エネルギー効率に注目する点において、レースカーエンジニアはロードカー開発のエンジニアと同様の挑戦に向き合っている。F1より技術的自由度が広いので、LM P1エンジニアには革新へのチャンスが多いのである。

NISSAN GT-R LM NISMO
マルク・ジェネ氏

2014年にアリゾナでスタートしたNISSAN GT-R LM NISMOのテストプログラムは、アメリカ南部の温暖な気候のもと、今週もテキサスのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで続けられている。

また、日産は1人目のドライバーがマルク・ジェネ氏であることを発表。スペイン出身のジェネ氏は、ル・マン24時間レースでLM P1(ル・マンプロトタイプ1)クラスに8回参戦と豊富な経験を持つドライバー。ジェネ氏の経験は多方面で重用されており、2005年からはスクーデリア・フェラーリのテストドライバーを務めている。なお、その他のドライバーは近々発表の予定とのことだ。

ルー ドゥ・ブリース氏のコメント (日産グローバルマーケティング ブランド担当常務執行役員)

「スーパーボウルでNISSAN GT-R LM NISMOを発表することは私たちにとって大きな誇りです。世界で最も視聴者数の多いスポーツイベントであるスーパーボウルとル・マン24時間レースの組み合わせは、私たちの最も意欲的で新しいモータースポーツプログラムをお見せする絶好の機会となりました。GT-Rは私たちのフラッグシップロードカーです。この究極のGT-Rは、日産のモータースポーツおよびパフォーマンス部門を担うニスモが30年間にわたって培ってきたスポーツの血統を継承しています。革新性が試されるル・マンの舞台での成功は、私たちのロードカーラインアップに多大な革新をもたらします。私たちはル・マンではまだ新参者でありライバル達は大変優れていますが、私たちは準備ができています」

宮谷正一氏のコメント (ニスモ社長)

「これこそがいままでになかったワクワクと言えます。持続可能であることが私たちの最重要項目であり、ル・マンの技術規定はその点において新しいアイディアを追求する自由度があります。ル・マン24時間レースにおける我々の最高記録は総合3位であり、まだやり残した仕事が残っています。お客様、従業員そしてファンの皆さんのためにも、やるからには勝ちたいし、勝つための知見があると思っています。競争は他に類を見ないほど厳しく、この挑戦には身震いする思いです。」

ダレン・コックス氏のコメント (ニスモのブランド マーケティング・セールスヘッド)

「私たちのLM P1プログラムは、世界中の観衆に私たちのブランドDNAを示すことで、公道でのニスモとサーキットでのニスモを結びつけます。私たちは、あらゆるコミュニケーションチャンネルを通じて、技術革新の夢や人間ドラマを語ることで、モータースポーツをより広めていきたいのです。サーキットの外でも中でも私たちは革新を続けるでしょう。だから、これはまだ序章に過ぎません」

新しいLM P1パートナーが明らかに

日産は、LM P1プログラムにおける3社との複数年パートナーを発表した。

(1)TAGホイヤー

スイスの腕時計メーカーであるTAGホイヤーは、公式腕時計パートナーであり同時にタイム計測でも協力。LM P1ドライバーは全員TAGホイヤー腕時計を着用し、両社の提携による新たな取り組みが世界的規模で進められる。詳細は今後数カ月以内に発表される予定。

(2)モチュール

モチュールは、公式潤滑油パートナーであり、ニスモのエンジン開発部門と連携し、競争力と効率を追求する高性能製品を開発。同社は過去20年にわたってニスモと長期契約を続けており、パートナーシップは新たなLM P1プログラムにも拡大していく。昨年のSUPER GTでは、象徴的な#23 MOTUL AUTECH GT-Rがチャンピオンに輝いている。

(3)ミシュラン

LM P1プログラムはミシュランから供給されるタイヤを使用。フランスのタイヤメーカーである同社は、NISSAN GT-R LM NISMOの専用タイヤを開発しており、マシンの開発テストプログラムに不可欠な存在である。

NISSAN GT-R LM NISMO テクニカル仕様・主要諸元

全長×全幅×全高:4.645m×1.9m×1.03m/最低重量:880kg/燃料タンク容量:68リットル/レイアウト:フロントエンジン前輪駆動/エンジン:ニッサンVRX 30A NISMO:3.0リットル バンク角60度V6 直噴ガソリン・ツインターボ/トランスミッション:前進5速+後退 シーケルシャルギアボックス+ニューマチックパドルシフトシステム

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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