学生カーソムリエ達の新鮮な視点に“本気”で感動!ジュネーブショー2014 現地レポート/今井優杏(2/2)

学生カーソムリエ達の新鮮な視点に“本気”で感動!ジュネーブショー2014 現地レポート/今井優杏
今井優杏さんと学生カーソムリエ達 食事中の今井優杏さんと学生カーソムリエ (左から)甲斐亜偉人さん(立命館大学)/磯田薫さん(日本大学)/辻本健志さん(山口大学)/今井優杏さん (左から)今井優杏さん/辻本健志さん(山口大学)/甲斐亜偉人さん(立命館大学)/磯田薫さん(日本大学) フォルクスワーゲン グループ ジャパン 代表取締役社長 庄司茂氏と学生カーソムリエ達 フォルクスワーゲン 小型SUVコンセプト「T-ROC」 フォルクスワーゲン「ゴルフ GTE」 マクラーレン「650S」フロントイメージ マクラーレン「650S」リアイメージ ルノー 新型「トゥインゴ」フロントイメージ ルノー 新型「トゥインゴ」 画像ギャラリーはこちら

学生カーソムリエ達の視点は、実に新鮮で鋭い!

特別招待を頂いたフォルクスワーゲングループの前夜祭では、会場にみっちりと集結した世界中の報道関係者に気圧される場面も見受けられたが、ショーに先駆けて招待客にのみ公開されるニューモデルの数々を観ているうちにどんどん彼らの瞳が輝き始めたのだ。

それは翌日、待ちに待ったプレスデーの幕開けでしっかりと開花する。

フォルクスワーゲン「ゴルフ GTE」フォルクスワーゲン 小型SUVコンセプト「T-ROC」

彼らにとって産まれて初めてのプレスカンファレンスは前夜祭同様、ゴルフGTIをベースにしたPHV(プラグインハイブリッド)・ゴルフGTEや、同じくPHVを搭載するコンパクトSUVのコンセプトモデル・T-ROC(テイー・ロック)を公開したフォルクスワーゲンとなったのだが、気圧されていた前夜祭とは一転、メモを取ったりカメラを撮ったりと、そのジャーナリストぶりは実に堂々たるものだった。

日本のモーターショーではほんの数台しか展示されないプレミアムブランド、それはたとえばマセラティや、日本では展示さえもされないブガッティやマクラーレンにガッツリ食いついて貪欲に写真を撮り、報道関係者向けに配布されるプレスキットもしっかりと受け取り、プレスカンファレンスが始まる時間を綿密にチェックする。

(左から)今井優杏さん/辻本健志さん(山口大学)/甲斐亜偉人さん(立命館大学)/磯田薫さん(日本大学)

そんな姿を見ると“姐さん風”吹かせたくなるのも当然のことで、訪ねた先々で技術者や広報の方、またはジャーナリストとのインタビューの場を力の限りセッティングしたのだが、学生ならではの新鮮な視点からの質問の数々は私から見ても鮮やかな新鮮さを持つ鋭さを備えていて、本気で感動したものだった。

熱意はおそらくインタビューを受けて下さったメーカー・インポーター、または技術者・デザイナー氏、ジャーナリスト諸兄からしても同様に感じていただけたのだろう。

相当な熱意でお答えいただけたことは、きっと彼らの心に強い印象を残すものだったと、突撃インタビューに答えて下さった関係者諸兄にはこの場をお借りして御礼を申し上げたい。

ジュネーブモーターショーにおいても、エコ=オシャレという図式が成立する

さて、学生それぞれのレポートはすでに公開されているのでそちらも楽しんでいただきつつ、今年のジュネーブショーに関して個人的な感想を少し述べたいと思う。

冒頭に述べた通り、ジュネーブショーと言えばスーパーカーやスポーツカーなど、ラグジュアリーだったり、また常軌を逸して高額だったりするようなクルマが多く発表されるのが常だ。

マクラーレン「650S」フロントイメージ

今年も実に60を越えるコンセプトカーを含むニューモデルが発表されたが、その中にはかのブガッティ ヴェイロン 16.4グランスポーツ VITESSEの「レンブラント・エディション」やマクラーレン650Sなど、錚々たるモデルが発表され、“らしさ”溢れるモーターショーであった。

と同時に、VWは新型ポロや今後大きなキーを握るPHV車の数々、メルセデス・ベンツは新型CクラスやこれまたEV技術、シトロエンは軽量コンパクトクロスオーバー・カクタス、ルノーはトゥインゴ、次期デミオのデザインスタディと噂される『跳』、さらに日本未発売ではあるがトヨタの日本未導入マイクロカー・アイゴのフルモデルチェンジなど、現実的な価格帯であったりコンパクトカーだったり低環境負荷だったりする、いわゆる“市民カー”のアツさ(力の入れようという意味の熱さも、その層の厚さも両方を意味する)が印象に残った。

マクラーレン「650S」リアイメージルノー 新型「トゥインゴ」フロントイメージトヨタ 新型「アイゴ」フォルクスワーゲン 新型ポロ フロントイメージメルセデス・ベンツ 新型Cクラス フロントイメージ

単に「世界的に注目度の高いモーターショーだから有力な主要モデルの発表の場として選んだ」という以上に、世界的な環境負荷に関する意識の高まりからくるダウンサイジング志向の風が、今や世界最大のエコカーショーとも言えるIAAフランクフルトモーターショーや、環境技術の宝庫・東京モーターショーだけでなく、ジュネーブにも吹いて来たと考えていいと思う。

言い換えれば、この感度の高い顧客の集まるジュネーブショーでそれらのモデルがフィーチャーされるということは、ダウンサイジングカーや低環境負荷カーを選ぶことが特権階級からしても最先端のトレンドになり得ている、つまりエコ=オシャレという図式が良しとされているということでもあるのではないかと、それぞれのセグメントを越えた質感の高さをみて感じた。

今やコンパクトカー=廉価車ではなく、小ささはひとつの価値として評価され得る時代になったのだということを強く意識する結果となった。

それから、アップルの発表したCarplay(カープレイ)はじめ、本格的にクルマにコンピューターがシンクするという意味で、このジュネーブショーはマルチメディア化宣言元年となるだろう。

これを皮切りとした壮大な拡大にも今後注目していきたい。

ジュネーブモーターショー2014 学生カーソムリエ 関連コンテンツ

【フォルクスワーゲングループナイト 現地速報】

甲斐亜偉人(立命館大学)磯田薫(日本大学)辻本健志(山口大学)

【ジュネーブMS2014 プレスデイ初日 現地速報】

甲斐亜偉人(立命館大学)磯田薫(日本大学)辻本健志(山口大学)

【ジュネーブMS2014 現地インタビュー】

学生カーソムリエによるマツダ 次期「デミオ」コンセプトモデル『跳(HAZUMI)』デザイナーインタビュー

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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