内外装のパーツは“杉製”!? 産総研、光岡自動車らが「改質リグニン」を利用した試作車を発表

  • 筆者: オートックワン 編集部

杉から車のパーツができる?

2018年10月23日、産業技術総合研究所(産総研)、森林研究・整備機構 森林総合研究所、宮城化成、光岡自動車の4法人は共同で、世界で初めて杉から抽出した新素材「改質リグニン」を樹脂成分として用いたガラス繊維強化プラスチック製の自動車内外装部品を用いた試作車を製作したことを発表した。

また、実際の環境での評価試験を開始することも合わせて発表し、報道陣に向けて試作車が公開された。

試作車の展示会場には、産業技術総合研究所 理事 村山宣光氏、光岡自動車 ミツオカ事業部 企画開発課長 青木孝憲氏をはじめ関係各社からキーパーソンが駆けつけた。さらに進行役として「2018ミス日本みどりの女神」の竹川智世氏も参加し、クラシカルなデザインのビュートと共に会場を盛り上げた。

◆触っても違和感ナシ!“ 杉製”内外装パーツをチェック

改質リグニンって何?

改質リグニン(正式名称:PEG改質リグニン)とは、杉から抽出される「リグニン」という物質を、PEG(ポリエチレングリコール)によって改質することで生まれる、安定的に製造可能な素材である。

そもそもリグニンとは、植物の細胞壁を固くしっかりとした構造とするために存在する物質で、地球上の全ての木材に25%~35%程度含まれている成分。

リグニンから製造される素材は、強固でかつ耐熱性が示されることから、同成分は長年研究者の間で注目され続けていた。

一方、木の種類や生育環境によって抽出されるリグニンの性質がバラバラだったことから、工業製品として量産することがこれまで困難とされていたのもまた事実だった。

リグニンを工業製品化する壁を突破した鍵は“杉”

そのリグニンを安定して工業製品に用いることを可能としたのが、今回発表された「改質リグニン」。

安定した工業材料化に成功したポイントとしては、下記の2つが挙げられる。

【1】リグニンの性質のバラツキが少なく、かつ日本で多く植林されている杉を利用

【2】リグニンと相性がよく、安全性の高いPEGを改質(化学変化)に利用

これにより生み出された素材は、従来の素材と比べ強度が増していることが実証されており、今後は車の内外装パーツをはじめとして、生活の中で触れる様々な素材に用いられる可能性を秘めている。

今回発表された試作車は、その「改質リグニン」を用いたパーツを実際に車に搭載することで、リアルワールドでの耐久性を確かめるために制作されたものだ。

ボンネットは“杉製”!? 試作車に触ってみた

展示会場に置かれていた試作車は、光岡 ビュートに「改質リグニン」のパーツを装着したもの。

「改質リグニン」が用いられているパーツはボンネット、ドアトリム、アームレスト、スピーカーボックスの計4箇所。しかし、各箇所を凝視しても他の部分との違いは見受けられず、ボディ全体に馴染んでいる印象だ。各パーツに実際に触れても、通常の車の内外装パーツと印象は変わらない。

外装で注目すべきポイントは、ボンネットに記された「Viewt」のロゴ。これはボンネットの上から印字されたものではなく、文字部分に塗装を施さないことで表現されている。いわば「改質リグニン」を用いた強化プラスチック部品そのものの色という訳だ。

内装のドアトリム、アームレスト、スピーカーもチェックしたが、通常の内装パーツとの差異はとくに感じられず、まるで既に市販車へ用いられているパーツのような自然な印象だ。

今後の展望

この試作車はこれから1年ほど走行試験が行われ、「改質リグニン」が用いられたパーツに変化が生じるか検証される。内装パーツの変化も、車内に搭載された「車内環境測定装置」を用いて記録される予定だ。また、未塗装のボンネットが別途用意され、塗装で保護されていない場合の劣化具合についてもテストが実施される。

走行試験で問題が見つからなければ、光岡自動車でも採用が検討されはじめるほか、他メーカーへの展開も視野に入れられているという。

これからの車に日本の杉がどう影響していくか、注目が集まっている。

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筆者オートックワン 編集部
監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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