マツダ 新型MAZDA2 試乗│クラスを超える上質さに、ちょっと戸惑う私

  • 筆者: 伊藤 梓
  • カメラマン:小林 岳夫
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2019年7月、マツダのコンパクトモデルであるデミオがMAZDA2へ改名。それにあわせ、これまでのコンパクトカーの概念を打ち破り、見る人の心を動かすエレガントさ、新鮮さと存在感を高め、1クラス上の質感を手に入れた。今回は、そんな新しいMAZDA2を自動車ライター 伊藤 梓がレポート!

目次[開く][閉じる]
  1. クラスを超え上質感が増したMAZDA2
  2. すべての質感が高まったMAZDA2では、ガソリンエンジンだと少し物足りない?
  3. MAZDA2によって、クルマ本来の楽しさが伝わってほしい

クラスを超え上質感が増したMAZDA2

もしコンパクトカーを選ぼうと思った時、身の丈にあったクルマがいいのか、それともクラスを超えるような上質なものがいいのか……。MAZDA2に乗ってからずっとそんなことを考えていた。マツダのコンパクトカーであるデミオが名前をMAZDA2に改めてマイナーチェンジしたが、デミオだった頃は前者で、MAZDA2になった今は、はっきりと後者になったように思う。

これまで少しやんちゃな子犬のような顔をしていたのが、すっきりとシンプルなデザインになって、全体的に角を立てずに丸くなった印象だ。セラミックメタリックという陶器のような白ともグレーともつかないシックなボディカラーが今回から新たに追加されたのも頷ける。マツダのイメージカラーである赤だけではなく、こういったホワイト系の上質なカラーリングが似合うようになった。

上質感が増したMAZDA2を画像でチェック!

マツダ/MAZDA2
マツダ MAZDA2カタログを見る
新車価格:
154.9万円262.2万円
中古価格:
88万円238.2万円

すべての質感が高まったMAZDA2では、ガソリンエンジンだと少し物足りない?

実際に新型MAZDA2に乗り込んでみても同じ印象を受ける。包み込まれるような空間に1クラス上のクルマのような質感。新素材のシートを採用していることと、構造上ボディの間に隙間があった部分を埋めたりすることで静粛性をより高めたことが大きいような気がする。サスペンションの改良によって、乗り心地もデミオより突き上げが少なくなっているので、それも上質さに輪をかけているようだ。心地の良い椅子に体を預けて、静かな空間に身を置いていると、自分だけの部屋にいるような気持ちになる。

デミオは、良くも悪くも「コンパクトカーなり」というか、全ての質感がMAZDA2よりも軽くて、こちらはこちらで気負わずに毎日気楽にスイスイ乗れる良さがあった。エンジンもディーゼルだとちょっと重たくて、パワーもやりすぎに感じるくらいだったので、ベストチョイスは軽やかに走れるガソリンエンジンだと思っていた。

ところがMAZDA2になって、すべての質感が高まったクルマを運転していると、1.5Lのガソリンエンジンだと少し物足りないと感じるほど。パワーは問題ないのだが、必要なトルクを出すのに思ったより回転数を上げなければいけないので、エンジンの音が高まるにつれて、アクセルを踏み込むのに少し躊躇する。もちろん1.5Lのディーゼルエンジンもディーゼルらしい音はするのだが、頑張ってエンジンを回さなくても、どこからでも余裕を持って加速できるから、MAZDA2全体の質感に合っているし、より安心してクルマに体を預けて運転できるような気がした。

MAZDA2によって、クルマ本来の楽しさが伝わってほしい

「でも、280万円かぁ……」。

乗っていたモデルは最上級グレードのXD L Package(4WD)+諸々オプション付きだったので、もはや値段もコンパクトカーを超えてしまっている。ガソリンモデルは150万円代からあるが、新しいMAZDA2くらいにきちっとした質感があるクルマだと、やっぱりハイグレードを選びたくなってしまう。もちろんオーナーが手にして心から満足できるクルマはとても大切だが、コンパクトカーであればもう少し気軽にクルマを買えそうな値段のモデルがもっと魅力的だといいのに、とも思う。

冒頭に自問自答していたことをもう一度思い返す。やはりコンパクトカーは身の丈に合った選択ができるから良いのだろうな、と。

MAZDA2はとても良いクルマになっているからこそ、今のマツダの上質すぎるプロモーションだけの印象だけでは少し言葉足らずに思える。

“良いクルマ”を手に入れれば、毎日の運転を楽しくしたり、もっと遠くへ行ってみたいと思ったり……そんな風に日常を優しく変えてくれる存在になってくれる。そのことがユーザーにもっと伝わればいいなと感じた。

[筆者:伊藤 梓/撮影:小林 岳夫]

マツダ2 デザイナーインタビュー編はこちら

マツダ MAZDA2 主要スペック比較表

グレード名

15S Lパッケージ AT

XD Lパッケージ 4WD AT

価格(消費税込み)

209万円

267万円

全長×全幅×全高

4065mm×1695mm×1525mm

4065mm×1695mm×1550mm

ホイールベース

2570mm

2570mm

駆動方式

FF

4WD

車両重量

1060kg

1240kg

乗車定員

5名

5名

エンジン種類

直列 4気筒 DOHC

直列 4気筒 DOHC

総排気量

1496cc

1498cc

エンジン最高出力

81kW(110PS)/6000rpm

77kW(105PS)/4000rpm

エンジン最大トルク

141Nm(14.4kg・m)/4000rpm

250Nm(25.5kg・m)/1500rpm

トランスミッション

フロア 6

フロア 6

使用燃料

レギュラー

軽油

タイヤサイズ

185/60R16

185/60R16

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伊藤 梓
筆者伊藤 梓

グラフィックデザイナー時代にミニカーの商品を担当するようになってから、どっぷりと車に魅了されるように。「こんなに人を惹きつける車というものをもっとたくさんの方に知ってほしい」と、2014年に自動車雑誌の編集者へと転身。2018年に、活動の幅を広げるために独立した。これまでの経験を活かし、自動車関係のライターのほか、イラストレーターとしても活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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