レクサス 新型 UX 海外試乗|2018年冬にも国内導入!レクサスの新プレミアムSUVの実力をいち早くレポート!(2/2)

  • 筆者: 山本 シンヤ
  • カメラマン:レクサスインターナショナル
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レクサス 新型UXのシャシー構造と乗り味をチェック

レクサス UXのプラットフォームは、トヨタ プリウスやC-HR、カローラスポーツも採用するGA-Cをベースにしながら、高張力鋼板を最適配置したアンダーボディ、左右ドア開口部とバックドア開口部の環状構造等を採用。レーザースクリューウェルディングや構造用接着剤の仕様部位の大幅アップ等を実施した。

サスペンションはフロント・ストラット/リア・ダブルウィッシュボーン式で、ベースモデル/バージョンCはコンベンショナルなダンパー+215/60R17(ブリヂストン・トゥランザ)、バージョンL/Fスポーツには減衰力が電子制御可変のAVS+リアにパフォーマンスダンパー+ランフラットタイヤの225/50RF18(ダンロップSPスポーツMAXX)の組み合わせとなっている。

駆動方式やカテゴリーは全く異なるが、レクサス LC/LS同様にレクサスが目指す「すっきりとした奥深い走り」を再現するために、徹底した走り込みを行なったそうだ。

都市部での走りを重視しながらも仕様によって印象が異なる

その走りはUX=アーバンクロスオーバーの名の通り、悪路走破性よりも都市部での走りを重要視したセットアップとなるが、見た目の印象からかなりスポーティな味付けかと思いきや、いい意味で“普通”である。

誰でも気負わず扱えるような心地よいダルさを持つ滑らかなステア系、ドイツ車のような鉄壁のスタビリティではないが無駄な動きを抑えながらもヒラリと身をこなす身軽なフットワーク、しなやかな足さばきと、奇をてらわず基本に忠実なセットアップである。

クロスオーバーSUVを感じさせないロール感を抑えたハンドリングながらも、日産 ジュークNISMO RSやトヨタ ハリアーGRスポーツのように「足を固めてスポーティ」ではなく、「足を動かしながら正確にクルマを動かす」と言った基本素性の良さを活かす「内に秘めた」スポーティさなのだ。レクサス実験部部長・水野陽一さんは「実は普通にするのが一番難しい」と語るが、まさに “直球勝負”のハンドリングと言っていいだろう。

筆者はトヨタ プリウスPHV GRを所有しており、GA-Cに専用補強がプラスされたシャシーと専用サスの組み合わせによる走行性能と快適性のバランスに概ね満足していたが、UXに乗ってジェラシーを感じたほどである……。

レクサス UX、筆者オススメの仕様はどれ!?

ちなみに17インチ+コンベンショナルダンパー仕様はカローラスポーツのような期待をしたものの、UXのキャラクターを考えるとハンドリング/乗り味共に全体的に大味な上に、ハイトの高い17インチタイヤを履いている割には快適性も動的質感も平均的……。

なので、筆者のお勧めは断然18インチ+AVS+リアパフォーマンスダンパー仕様だ。LC/LSに続くランフラットタイヤを装着するが、ハンドリングと快適性共に大きなネガは感じなかった。ちなみにドライビングモードスイッチから「コンフォート」がなくなったのは、快適性の自信の表れと見た。 

ただ、個人的にはUXのキャラクターを考えると、LパッケージはこのままでOKだが、Fスポーツはキャラクターに対してちょっと“いい人”過ぎる印象で、もう少し“やる気”のセットアップでもいいような気がした。そもそも、内外装の意匠が異なる上にポジションも異なるはずのLパッケージとFスポーツの走りのセットが同じなのはちょっと疑問だ。

ただ、欲を言えばステア系のシッカリ感はもっと欲しいし、サスペンションもギャップを超える際のリアサスのショックのいなし方などはもう少し頑張れると思う。この辺りは年次改良に期待したい。

静粛性はクラストップレベルで、どちらのパワートレインも発生するノイズ、走行中の風切音などはかなり抑えられているものの、逆に周りが静かになったことでタイヤのロードノイズが耳についてしまった。この辺りは遮音のバランスの難しさだが、正式発売までに対策してほしいのだが……。

ハイブリッドとガソリン、どっちが買いか

パワートレインによる走りの差は微々たるもので、車両重量が軽い分ガソリン車が軽快だが、かと言ってハイブリッドが鈍重と言うわけでもない。むしろ走りのバランスと言う意味ではハイブリッドのほうがまとまっていると思う。ちなみにハイブリッドはFFとAWD(E-Four)が選択可能だ。今回オンロードを走った限りはクルマの動き、前後バランスなどを含めてFFのほうが印象は良かったが、クロスオーバーSUVのキャラクターを考えるとAWDのほうがアクティブに使えそうなので、非常に悩ましい……。

安全支援システムも抜かりはなく、検知性能を大きくレベルアップしたプリクラッシュセーフティ(PCS)を採用した第2世代となる「レクサスセーフティシステム+」や、高度運転支援機能「Lexus Co Drive(レーダークルーズコントロール&レーントレーシングアシスト)」などを搭載している。

日本導入に期待度アップ! バランス良好な”レクサスのやんちゃな末っ子”

結論、かつてレクサス CT200hを開発したエンジニアに話を聞いた際に、「末っ子は“やんちゃ”なくらいがいい」と言っていたが、UXはまさにそのような一台に仕上がっている。レクサスファミリーの一員としてRX/NXと共通性を持っているものの、決して「小さな●●」ではなく、UX独自の個性がシッカリ備わっていた。

LC/LSからスタートしたレクサスの第3チャプターだが、クルマのキャラクターや価格帯など誰でも体感するのは難しい。しかし、UXは最も人気なカテゴリーに投入されるため、誰でも体感できる初の新世代レクサスと言ってもいい。レクサス入門編として扱いやすいボディサイズやスポーティな内外装、そしてCT(=ハッチバック)いらずの素性のいい走りも含めて、日本市場ではヒット間違いないだろう。

[Text:山本シンヤ/Photo:レクサスインターナショナル]

レクサス 新型UXの主要スペック(欧州仕様)

グレード UX250hUX200
2WD(FF)AWD(E-Four)2WD(FF)

全長

4495mm

全幅(車幅)

1840mm

全高(車高)

1520mm

ホイールベース

2640mm

乗車定員

5人

車両重量(車重)

1540~1620kg

1600~1680kg

1460~1540kg

エンジン

M20A-FXS型 直4ガソリンエンジン

M20A-FKS型 直4ガソリンエンジン

排気量

1987cc

エンジン最高出力

107kW (146ps)/6000rpm

126kW (171ps)/6600rpm

エンジン最大トルク

180Nm(18.4kg-m)/4400rpm

205Nm(21kg-m)/4800rpm

駆動用主電池

ニッケル水素電池

モーター最高出力

前:80kW (109ps)

前:80kW (109ps)

後:53kW (72ps)

モーター最大トルク

前:202Nm(20.6kg-m)

前:202Nm(20.6kg-m)

後:55Nm(5.6kg-m)

システム出力

131kW (178ps)

トランスミッション

電気式無段変速機

Direct Shift-CVT

燃料

無鉛プレミアムガソリン

最高速

177km/h

190km/h

0-100km/h加速

8.5秒

8.7秒

9.2秒

※スペックは欧州値

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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