レクサス LX(2列シートモデル)試乗│冒険に出かけるような気分にさせてくれるレクサスのキレイ目クロカン4WD

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LXに2列シート5人乗りモデルが登場

国産乗用SUVのなかで、これほどのスケール感を持つモデルはない。全長5065mmと5mを優に超え、全幅は2mに迫る勢いの1980mm。全高1910mmはボディサイドに立つと5m超えの全長とともにその高さによって威圧感を覚えるほどで、「おおきいっ!」。

でも大丈夫。LXにとってそれは誉め言葉と言ってもいいはずなのだ。

そして乗用車としてはこの特大なボディサイズはもちろん、そこに込められたる本格的なクロスカントリー性能とプレミアムブランドであるレクサスのラグジュアリーな世界観の融合は、お世辞抜きで他では味わえない人間力ならぬ“クルマ力”=スケール感を生んでいる。他モデルでは味わえないという点では、レンジローバーやメルセデス・ベンツ Gクラスのようなライバルがいるけれど、LXにはLXの世界観が表れているのも明白だ。

LXはレクサスSUVラインナップのフラッグシップモデルとして、日本では2015年にこの三代目となるモデルから導入を開始。トヨタ ランドクルーザーをベースとする本格的なオフロード四駆でありながら、一方でオンロード使いを意識した、性能やデザインと質感を加味した“手”が加えられている。最近のトピックとしては、これまでLXは3列シートのみの設定だったが、2列=5人乗りも選べるようになった。

レクサス初のシャープシーケンシャルターンシグナルランプを採用

エクステリアデザインは、おそらくラインナップ中最大と思われる“スピンドルグリル”が“L”のバッヂとともにフロントマスクを飾り、LEDの形状も相まってボディサイズをより精悍に魅せるシャープな表情を創り出している。

またLEDライトにはシャープシーケンシャルターンシグナルランプをレクサスで初採用。テールライトともに、ウインカーやハザードランプを点灯させると、そのランプは流れるように「ピロロロローン、ピロロロローン」と、この表現はちょっとアレだが、エレガントさを演出する効果アリ。

一方でトレーラーハウスも引っ張って走ることができるヒッチメンバーが採用され、海外ならばボートや馬をも運ぶのだろうと想像すると、ますます優雅な乗り物に思えてくる。

フラッグシップSUVらしい“ホンモノ”感が整頓されているインテリア

インテリアでは、クロカン走行を支える走行モードスイッチ類などが並ぶ様子は、近年ますますモダン&シンプルな印象の強まる他モデルに比べ、やはりLXがホンモノのオフロード四駆であることを意味している。

コクピットまわりは上下でディスプレイゾーンとオペレーションゾーンに分けてデザイン。人間工学に基づいた設計がされていることがわかり、レクサスのデザインの世界観のなかに“ホンモノ”感が整頓されている。

唯一、液晶モニターの画像の鮮明さは、最新のレクサスのソレらに対し少々見劣りする点は否めないと思う方もいるかもしれないものの、厚みのあるレザーやメタル、本木目などを巧みに組み合わせたインテリアの仕上げぶりはフラッグシップSUVらしい。

他にも、タッチスイッチ式オーバーヘッドランプや、セカンドシートの中央席を倒すとアームレストとして利用できるだけでなく、ヒーターコントロールパネルやカップホルダーなどが標準装備されている。また4席独立してエアコンの温度設定が可能なだけでなく、リア左右席はシートヒーター、ベンチレーション付きと快適。

悪路もこなす実用と、上質な内装や装備が醸し出す“粋”の振り幅を贅沢に感じることができるLXは、室内に居るだけでそのスケール感を味わうことができるだろう。

また、昨年追加された2列シート仕様は、リアシート後ろのスペースが期待以上。3列シートタイプでもサードシートを畳めばその部分をラゲッジスペースとして使うこともできるが、やはり椅子を畳んだ分のスペースは取られてしまう。その点2列シートは広大なラゲッジを存分に活用できる。その広さは例えば、9.5インチのゴルフバッグを4本積むことができる。

2アクションで乗車する感じが、冒険に出かけるような気分にさせてくれる

さて、LXは言わばキレイ目クロカン4WDとも表現でき、乗り込みからして高いシートへのアクセスはステップに足をかけ、のぼるように2アクションで乗車する。ちなみに、降車の際は車高を下げるシステムが利用できるので、そのあたりの配慮は嬉しい。個人的には2アクションで乗車する感じが今どき新鮮で、冒険に出かけるような気分にさせてくれるので悪くないと思える。

視界の良さは申し分ない。LXはアンジュレーション(起伏)のキツイ砂漠をも走破できるモデルとして着座位置やシートのサポート性、そして視認性も重要だ。ボディの姿勢(状態)を把握しやすい設計は、街中での取り回しにも役立つLXにとっては走行性能の一部だ。

静粛性も高い5.7リッターV8エンジン

パワートレインは5.7リッターV8エンジン+8ATを組み合わせた1種類のみ(ランクルは4.6リッターV8エンジン+6AT)。これが377ps/5600rpmのパワーと534Nm/3200rpmを発揮する。トレーラーハウスも牽引できるタフな動力は、街中ではそのほんの一部を使うだけでスマートなドライブが可能。8ATの制御も賢く、ドライバーのアクセルの踏み込み度合や速度に応じて、スムーズな加速や速度維持が可能。静粛性も高い。

“個性”と快認できる動きの大らかさ

乗り心地は最初、最近のSUVに乗り慣れた体には少々フラットさに欠ける印象を抱くかもしれない。

しかしその動きに慣れると気にならない。むしろ動きの大らかさが、「これは、これ」と思える。クルマとドライバーとのコミュニケーションがリニアにスムーズに行えるからだろう。

もちろんかつてのクロカン4WDのハンドルを握ったことのある方が想像するような大きなロール感はない。ハンドルの操舵も乗用車と同等でむしろ柔軟さが優しい。操舵時の応答遅れもない。

前後サスにはスタビライザーも装備され、さらに走行モードが選べるドライブモードセレクトが採用されている。走行状態に応じてダンパーの減衰力を自動制御するAVS(アダプティブ・ヴァリアブル・サスペンションシステム)も採用されており、街中から高速走行の安定性を担保しているのだ。だから、“個性”と快認できるというワケ。

あらゆる走行シーンを安定感のある走りとともに快適さを保つ懐の深さ

オフロード走行時には路面の凹凸や滑りやすさをドライバーがアクセルやブレーキでコントロールすることなく、制御に任せて走ることができる“クロールコントロール”や、「このサイズにしてこのタイトコーナーは絶対にムリっ!」と普通なら諦めるような場面で、後輪のブレーキを使いハンドル操作も含めて任せられる“ターンアシスト”も装備(2年前に雪上で体験済)。日本の舗装路をメインにLXを選ぶとすると、その性能はオーバースペックとも言えるかもしれないが、ここにもあらゆる走行シーンを安定感のある走りとともに快適さを保つ、『LX』の懐の深さ=スケール感が感じられるのは間違いない。

先進テクノロジーを可能な限り搭載しているレクサス LX。先進予防安全システムに最新の“レクサス・セーフティ・システム+”を採用する。歩行者保護機能付きプリクラッシュセーフティ、レーンキープアシスト、先行車追従式レーダークルーズコントロールなどがパッケージされ、さらにブラインドスポットモニター、リヤクロストラフィックアラートなども標準装備される。

LXの存在はレクサスにとってSUVの頂点に立つモデルとして、RXやNXとは異なる立ち位置を持ち、その存在は他メーカーにもない強い個性がある。大きさのみならずあらゆる意味でのスケール感を楽しみ、味わえるモデルと言えるだろう。あとは1000万円を超える価格をアナタのスケールで計れるかどうか!?

[レポート:飯田 裕子/Photo:島村 栄二]

レクサス LX570(2列シート・5人乗り) 主要スペック

駆動方式

フルタイム4WD

JC08モード燃費

6.5km/L(JC08モード)

価格(消費税込)

11,150,000円

全長

5,080mm

全幅(車幅)

1,980mm

全高(車高)

1,910mm

車両重量

2,680kg

乗車定員

5人

ホイールベース

2,850mm

エンジン種類

V型8気筒 5.7L エンジン

排気量

5.662cc

最高出力

277kW (377ps) / 5,600rpm

最大トルク

534N・m(54.5kgf・m) / 3,200rpm

トランスミッション

8 Super ECT (スーパーインテリジェント8速オートマチック)

燃料

無鉛プレミアムガソリン

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新車価格:
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飯田 裕子
筆者飯田 裕子

OL時代に始めたレース活動をきっかけに、クルマへの興味/関心を深め、フリーの自動車ジャーナリストに転身。自動車雑誌への執筆や自動車系TV番組出演などから、活動の場を広げ、現在では女性誌および一般誌、新聞、Web、ラジオ番組でのパーソナリティ、TV、トークショーと活躍の場は幅広い。ドライビングインストラクターとしてのキャリアも長く、自動車メーカーをはじめ、一般企業、保険会社、警視庁などが主催するスクールでの指導にも定評あり。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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