売れ筋輸入車ワゴン徹底比較(2/4)

売れ筋輸入車ワゴン徹底比較
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もっとも扱いやすいパワーシフト

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今回の中でもっともボディサイズがコンパクトながら、ボルボらしいスクエアな雰囲気を残しつつ、ボディパネルやルーフラインはかなり丸みを帯びているという表情豊かなものとなっており、ひとめでわかる存在感を醸し出している。段付きのウエストラインや、連続性のある縦長のテールランプが織り成すリアビューも印象深い。

2007年9月のマイナーチェンジで、前後ランプ類などのデザインがリフレッシュされている。

145馬力(107kW)を発生する新開発2L直4NAエンジンは、パワーシフトとの組み合わせに特化して開発された印象で、いかなるシーンでも必要十分なトルクを得ることができる。

トルコンを持つATに近い感覚のシフトフィールは、引っかかり感もなく、今回の3台の中でもっとも違和感なく乗れる。マニュアル操作をすると、メーター内のポジション表示が先行し、あえてゆっくりとシフトチェンジすることで、変速ショックを極力起こさないようにしている。クリープも自然で、車庫入れなどの微低速での移動もしやすい。いたって扱いやすい仕上がりである。

乗り心地も十分に快適に保たれているが、フットワークではスポーツワゴン的な引き締まった感覚もあり、小気味よい走りが楽しめる。走り味はいたって軽快ながら、ステアリングの切り始めはゆるやかに反応し、ゆったりと落ち着いて乗れる側面も併せ持つ。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

1.4LTSIでも十分にパワフル

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特徴的なワッペングリルに始まるエクステリアは、大きくスラントしたボンネットが、そのまま傾斜角のきついフロントピラーにつながり、Dピラーも大きく寝かせるワンモーション的なフォルムを形成している。

ただ、トレンドラインではスチールホイール+ホイールカバーが標準となるので、なんらか手を入れたいところではある。

初めてDSGに乾式クラッチを採用したことで注目されているが、ドライブフィールでは、ネガ要素が少々気になるところ。1.4L直噴ターボエンジンは十分にパワフルで、高速道路の再加速も不満なくこなす。ただし、ある境界点から急に過給される印象で、さらに、半クラッチ制御の難しい乾式クラッチと組み合わされたことで、実用域ではギクシャク感を伴いがち。とくに再加速時には顕著に顔を出し、低回転域でのジャダーも気になる。ダイレクト感は高いのだが、扱いやすさの面では弱点も多々見受けられるのは否めない。

流れに乗ってしまえばあまり気にならなくなるのだが、渋滞路や住宅地、車庫入れ時、とくに勾配のついた場所では、それなりに気を使うことになる。

ただし、このあたりは先般モデルチェンジしたゴルフⅥではだいぶ改善されていたので、その変更内容がヴァリアントにも早期に盛り込まれることを期待したい。

乗り心地は、3台中でもっとも快適といえる。ハッチバックのトレンドラインではエコタイヤが標準となるが、ヴァリアントは一般的なタイヤを履く。ゴルフらしいしっかり感があるものの、反面ロードノイズは大きめとなる。

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2L TFSIエンジン+7速Sトロニックの妙味

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Dセグメントとしては大柄なボディとなった現行A4のアバントは、セダン同様、ダイナミックで美しいシルエットを得た。Dピラーを細身に見せつつ、大きく傾斜させることで、ワゴンっぽさの払拭を狙ったかのような、スタイリッシュなボディに仕上がっている。

Sラインでは、専用のエアロフォルムバンパーとサイドシルなどが付くほか、足まわりが専用設定となり、ホイールも専用の5スポークデザインの18インチ仕様となる。

新設計されたエンジンは、従来と同じボア×ストロークだが、バランスシャフトや可変排気バルブリフトシステムを採用するなど、全面的に刷新されている。スペック面でも従来の2L TFSIよりも大幅に向上しており、1.8L TFSIに対しても、わずか200ccの違いとは思えないほど差が開き、ピークトルク値は3.2L V6をしのぐほど。実際にドライブしても、この恩恵を享受できる。また、静粛性は非常に高く、上質感も身につけている。

7速Sトロニックは、A3のものよりもだいぶ洗練されており、ダイレクト感を持ちつつも、扱いやすくしつけられている。パドルシフトを介して意のままに瞬時にシフトチェンジさせることもできる。ただし、微低速での移動のスムーズさについては、まだ改良の余地がある。

前後の駆動力配分を40:60とし、状況に応じて最大で20:80から60:40まで変化する最新のクワトロシステムにより、ナチュラルなハンドリングを得ているところもよい。

エンジン、AT、サスペンション、ステアリングなどの特性をスイッチ操作で切り換えることのできるオプションの「アウディドライブセレクト」は、高価ではあるが、クルマの特性がガラッと変わり、ドライビングプレジャーを高めてくれる。

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デザイン・スペックの総評

3モデルともデュアルクラッチトランスミッションながら、ドライブした印象は三車三様でけっこう違いがある。VWとアウディは、ダイレクト感を重視したと思われるが、反面ややギクシャク感を伴う。これも時間の経過により、洗練されていくことだが、現状では少々気になる。逆にV50は、扱いやすさを最重視したように思われる。あくまで現状における3モデルの仕上がりで、日本の道路事情においては、V50の味付けがもっとも適しているといえるだろう。

フットワークについては、俊敏でかつ安定性の高いA4アバントの仕上がりぶりが光る。それは、攻めた走りをしたときもそうだが、一般走行時においても痛感させられる。他の2モデルに対する価格差も大きいわけだが、やはりハイレベルな仕上がりではある。 ゴルフヴァリアントも、安定感は高く、もっとも乗り心地がよい 。V50は、乗り心地の快適性を損なうことなく、落ち着きのある中にスポーティな感覚も持ち合わせており、そのバランスは絶妙である。乗り比べてみるとそれぞれのよい点を感じ取ることができる。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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