売れ筋輸入車ワゴン徹底比較(4/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
ボルボの一員であることの期待に応える
V50の登場時は、割高感を覚えたものだが、時代のニーズもあり、こうしてリーズナブルなグレードが追加されたことを歓迎したい。また、見た目にも、ドライブフィールにおいても、他モデルと巧みに差別化を図り、ボルボらしさを上手く打ち出しているところには好感を抱く。
価格をリーズナブルに抑えつつも、装備面での手抜かりはない。2.0e Aktivグレードではいうまでもなく、車両価格300万円を切った2.0eパワーシフトグレードについても、現実的に必要と思われる装備類は標準で与えられている。この価格でありながら、内容としては、けっして廉価版的な印象を与えない仕上がりとなっている。加えて、ボルボならではの安全対策もぬかりはなく、多くの人がボルボブランドに求めるであろう付加価値を、期待どおり身につけているのである。
そこにさらに、燃費に優れるエンジンとパワーシフト(トランスミッション)が与えられ、リーズナブルな価格に抑えたのが、このモデルである。総合的に見て、非常に買い得感のある1台といえるだろう。
コンフォートライン相当のグレードに期待
ハッチバックのゴルフがモデルチェンジしてゴルフⅥに移行したばかりだが、ワゴンのヴァリアントは、まだ登場から2年ほどしか経過しておらず、モデルチェンジはだいぶ先になると思われる。
そうなると、現行モデルのうちに、まだ何らかの動きがあると思われる。であれば、ゴルフヴァリアントについても、ゴルフⅥのラインアップに準じた展開が予想されるが、その中で注目しているのは、同じパワートレインを搭載しつつも、グッと装備の充実した「コンフォートライン」である。これと同様の内容を持つモデルの発売を望みたいところである。
また、乾式クラッチを採用したDSGは、コスト低減と燃費の向上にはメリットがあるが、ドライバビリティ面では、現状では少なからず難がある。その難点が、ゴルフⅥではだいぶ改善されていた。これらの要素を盛り込んだランニングチェンジに期待したいと思う。
比較する相手が変わっても・・・
この2.0TFSIのデビューが、なぜモデルチェンジと同時でなかったのかが気になるところだが、それは、より完璧な形で市場投入すべく、綿密に開発されたからだろう。
上記2モデルと同セグメントではあるものの、上記2モデルが、もともとよりもさらにリーズナブルな価格帯のグレードを追加したのに対し、アウディA4の2.0TFSIは待望の中堅グレードであり、その点では横並びに比較できず、価格差も大きく、実際、手に入れて得られるバリューはそれなりに差があることに疑いはない。
本来であれば、価格帯を考えると、メルセデス・ベンツCクラスや、BMW3シリーズなどが比較する相手になるのだが、その場合もA4アバントはけっして負けることはなく、多くのアドバンテージを持っている。追加された2.0TFSIは、クワトロであり、パワフルなエンジンに、7速Sトロニックを搭載するという、逆に、この価格帯で多くの付加価値を身に着けているという、非常に買い得感のあるという見方もできる。
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