運転が楽しくて街中でも使いやすく価格はお手頃、今では貴重な趣味性の強い3車を比較チェック(2/4)

運転が楽しくて街中でも使いやすく価格はお手頃、今では貴重な趣味性の強い3車を比較チェック
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トヨタの企画力とスバルの技術力が融合されて素性の良いコンパクトスポーツカーが誕生した

トヨタ 86(ハチロク)トヨタ 86(ハチロク)

メーカー間の業務提携は、クルマ好きにとってあまり愉快な話ではない。OEM車が増えて実質的に車種数が減ったり、共通化が進んだりする。メーカーが生き残るための方策で、クルマ好きにもメリットはあるが、楽しいとか面白いといった結果にはなりにくい。

ならば2005年に行われたトヨタとスバルの提携はどうか。提携後はスバルの軽自動車が次々とダイハツ製のOEM車に切り換わり、名車の「サンバー」も消滅した。このあたりはクルマ好きにとって悲しい流れだったと思う。

しかしその一方で、この2社の提携がなければ実現できなかった新しいクルマも生まれている。それがトヨタ86とスバルBRZの姉妹車だ。

86とBRZは、トヨタが企画を立案し、主にスバルが開発と製造を担当するクルマと考えれば良いだろう。エンジンは水平対向4気筒の2リッターツインカムで、最高出力は200馬力(7000回転)、最大トルクは20.9kg-m(6400~6600回転)となる。

エンジンはスバル製だが、トヨタの直噴技術も盛り込んだ。ボディサイズは全長が4240mm、全幅は1775mm。ロードスターよりはひとまわり大きいが、スポーツカーとしてはかなりコンパクトに抑えている。注目すべきは後輪駆動の採用。エンジンの位置を後退させ、水平対向の利点を生かして低く搭載している。前後輪の重量配分は53:47とバランスが良く、重心も下がった。

このレイアウトでは、スバルが得意な4WD化はほぼ不可能だが、水平対向エンジンの新しい価値が生み出されている。このような提携ならクルマ好きも大歓迎だ。

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爽快なオープンドライブの醍醐味を味わえる、今や伝統となった生粋の後輪駆動スポーツカー

マツダ ロードスターマツダ ロードスター

ロードスターの初代モデルは1989年に登場した。この時代はスポーツカーの最盛期。同じ年に発売された4代目のZ32型フェアレディZが280馬力の最高出力を達成し、後の自主規制の上限数値になった。

同時期にGT-RがR32型スカイラインで復活。翌年にはNSX、GTO、ユーノスコスモと「280馬力スポーツ」が出そろった。ツインターボ、4WD、4WS(4輪操舵)と280馬力スポーツがハイテク化すると、「本当に楽しいクルマなのか?」という疑問も生まれた。「ハイテクの恩恵で速く走らせてもらっている」感覚が伴うからだ。

特に日本の狭く曲がりくねった峠道では、大柄で重いボディは持て余す。そこで初代ロードスターに乗ると、1.6リッターエンジンは少し力不足ではあったが、とても楽しい。小さな軽いボディと後輪駆動の組み合わせにより、日本の峠道でも運転技量を駆使できた。

あれから20年以上を経て、ロードスターも3代目。エンジンは2リッターに拡大され、試乗したRHT(リトラクタブル・ハードトップ)の6速AT仕様は最高出力が162馬力(6700回転)、最大トルクは19.3kg-m(5000回転)になる。全幅も1720mmだから3ナンバー車だ。それでもロードスターの本質は変わらない。

海外でも売られるが、全長は4020mmに抑えられて日本の道路環境にもピッタリ。後輪駆動スポーツの楽しさを満喫できる。オープンドライブを手軽に楽しめることも大きな魅力。RHTのほかに本流となるソフトトップも用意され、オープンで走れば日常的な移動も楽しいドライブに変わる。

小さなボディにクルマの楽しさをギッシリと詰め込んだ。

マツダ ロードスターマツダ ロードスターマツダ ロードスターマツダ ロードスターマツダ ロードスター

価格が200万円を下まわる「楽しいクルマ」が激減して個性的でコンパクトなジュークに人気が集まった

日産 ジューク日産 ジューク

以前はレビン&トレノ、シビック3ドアSiRIIなど、200万円以下で購入できるコンパクトで運転の楽しいクルマが多かった。

それが90年代の中盤以降は、200万円以下といえば、背の高い空間効率の優れた実用指向の車種が売れ筋。楽しさを感じさせる車種は大幅に減った。

その点、ジュークはSUVながらも内外装のデザインが個性的。走行性能も優れ、楽しい雰囲気のクルマに仕上げた。価格は売れ筋の15RXタイプVが182万円少々。200万円以下で手に入る趣味性の強いクルマを求めるユーザーが、ジュークに目を向けた。その結果、売れ行きも堅調で個性派の人気車となっている。

一番の注目点はボディスタイル。丸みのあるフロントマスクには、丸型ヘッドランプ、ボンネットの左右には車幅灯とターニングランプが装着されている。ボディサイズは全幅が1765mmとなって3ナンバー車になるものの、全長は4135mmと短い。最小回転半径も5.3mに収まり、取りまわし性は良好だ。

試乗したグレードは、1.6リッターのターボを装着したエンジンを搭載する16GT(FOUR)。価格は200万円を超えるが、最高出力は190馬力(5600回転)、最大トルクは24.5kg-m(2000~5200回転)に達し、動力性能は2.5リッタークラスになる。その割に燃費が優れ、4WDながらJC08モード燃費は12.6km/L。小排気量エンジンにターボを装着することで、燃費効率を向上させた。

4WDの後輪側には、左右輪の駆動力を可変させる機能を装着。右回りのコーナーであれば外側に位置する左側の後輪に大きな駆動力を配分し、曲がる力を高めている。

日産 ジューク日産 ジューク日産 ジューク日産 ジューク日産 ジューク

デザイン・スペックの総評

86はドイツ車的な「理詰め」で開発されたスポーツカー。水平対向エンジンをボディの中央に低く搭載し、後輪を駆動することでコーナリング性能の向上を図った。

外観も同様。ボンネットの長いクーペスタイルは、スポーツカーの王道を行く。エンジンはターボなどを用いずに、2リッターのツインカムとした。

対するロードスターは、イタリア車を連想させる楽しさが持ち味。スポーツカーであると同時に、オープンドライブの爽快感も大切な魅力だ。リヤシートを設けずに2シーターとすることで、挙動の変化が分かりやすく、なおかつ全長を4m少々に抑えて可愛らしい雰囲気も感じる。日本の峠道における取りまわし性も良い。

ジュークは何よりもデザインが個性的。フロントマスクだけでなく、サイドビューも秀逸だ。SUVはデザインの自由度が広く、個性的なクルマを造りやすい。ジュークはそのメリットを十分に引き出した。5ドアボディだから居住性も優れ、ファミリーユーザーが求める実用性とクルマ好きが重視する個性を両立させている。

3車ともに見て、乗って大いに楽しめるクルマだが、持ち味はそれぞれ明確に異なり、好みに応じて選択できる。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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