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自動車評論家コラム 2019/9/9 15:24

見かけたら超ラッキー? “世界の珍車” 5選

関連: AMC イーグル Text: 遠藤 イヅル Photo: 遠藤 イヅル
AMC イーグル SX4
WBX6シュコダ 120シトロエン VISA(ヴィザ)シトロエン VISA(ヴィザ)画像ギャラリーはこちら

世界は広い! 日本では見られないクルマがいっぱい!?

クルマの種類って多いですよね。現在の日本では、整理が進み車種が減りましたが、それでも今なお数百という単位で存在しています。日本だけでもこれほど多いのですから、クルマを生産している国の車種を合わせたら、一体どのくらいあるか見当もつきません。しかも、過去のクルマを入れたら、その数はさらに膨大になります。ですので、日本ではほとんどの人が知らないクルマもたくさんあることは言うまでもありません。

そこで今回は、過去のクルマの中から

・生産国や販売国ではよく知られていたが、日本では著しく知名度が低い

・意外性がある

・成り立ちがユニーク

・現在でも、日本に実在する

クルマたちを絞りに絞ってご紹介したいと思います。ポイントは最後の条件「現在でも、日本に実在する」ことです。

>>【激レア】イーグルやヴィザを含む珍車を画像で見る

その1:“早すぎたクロスオーバー”、「AMCイーグル」(アメリカ)

最初にお送りするのは、かつてアメリカに存在した自動車メーカー、AMC(アメリカン・モーターズ・コーポレーション)が1980年に送り出した「イーグル」です。特徴は、ズバリ「ジープばりの悪路走破性を持つ、快適な乗用車」でした。現在はクライスラーが持つブランド「ジープ」は、かつてAMCが持っていたのですが、同社はその4WD技術を、1970年代から発売していた乗用車「コンコード」と合体。ヘビーデューティーな用途にも耐える本格的な四輪駆動車でありながらも、あくまでも普通に乗れるクルマとして売り出したのでした。そう、これってスバル レオーネと同じコンセプトと言えるものですよね。

ですがイーグルがすごいのはここから。なんと、クーペ/3ドアハッチバックの「スピリット」にもジープ譲りの4WDを積んで、イーグルシリーズに組み込んでしまったのです。スポーティなスタイルの流麗なクーペなのにオーバーフェンダーが備わった姿にも驚きますが、でもこれって、今やすっかり当たり前になった「SUV+クーペ」の嚆矢(こうし)と言えるモデルなのではないでしょうか。進んでいる!

イーグルはそのニッチさが受けて、低迷していたAMCを(多少)救いましたが、1988年にAMC自体がクライスラーに吸収されたことで消滅。先見の明溢れた“早すぎたクロスオーバー”は、その生涯を終えてしまいました。

日本にも、少ないながらもイーグル・ワゴンが輸入され、現在でも現存しています。

その2:シトロエンの思い爆発? ブサカワ癒し系の「シトロエン・VISA」(フランス)

1919年創業のシトロエンは、1960年代〜70年代にかけて経営難に陥り、1974年にフランス政府の仲介でプジョー傘下に入ったのですが、それ以来、シトロエン各車は基本的にプジョー車ベースで開発されることに。そのため、合併後初のシトロエンの新車「LN」は、エンジンこそ「シトロエン 2CV」などに積んでいた空冷2気筒を載せていたものの、プジョーの小型車「104」の内外装をそっくり利用したモデルになりました。なお当時のプジョーは、堅実で優れた佳作を真面目に作り続けていたメーカーでした。

しかし1978年、シトロエンは、「104/LN」をベースに開発した「VISA(ヴィザ)」を発表しましたが、プジョー傘下にいつつ前衛的なクルマを出したかったシトロエンが、その思いを爆発させたかのように見えるクルマでした。というのも、VISAの内外装は実に独創的だったのです。猫背のルーフラインに泣き顔のフロントマスク、リアタイヤ周辺もスパッツ風処理が施された外観は、とってもシトロエンらしい、なんとも言えないブサカワ系。ダッシュボードの操作系にも、取説を見ないと使えないほど個性的、かつ合理的な設計のサテライトスイッチが採用されていました。

直4エンジンにツインキャブで武装したスポーツバージョンの「GT」が、1980年代に正規でわずかながら輸入されていたほか、最近は並行輸入で2気筒モデルも日本に入っており、時折イベントでも見かけることができます。

その3:アルファ ロメオにもバンがあった!? 「アルファ ロメオ F11/F12」(イタリア)

イタリア車を代表する名門、アルファ ロメオ。数多くの名車を生み出し、日本にもたくさんのファンを持っています。ところがそのアルファ ロメオが純粋な商用車、しかも箱型のバンを出していたことはあまり知られていません。

F11は、1950年代に発売されていた商用バン「T10“アウトトゥット”」の後継モデルとして1967年に登場したのが「F11/F12」でした。アルファ ロメオに古くから商用バンがあったのも意外ですが、T10、F11/F12ともにFF(前輪駆動)というのも意外です。当時のアルファ ロメオといえば、FR(後輪駆動)のイメージですものね。その一方で、「ああ、やはりアルファ ロメオだなあ」と思うのが、当時のバンといえば粘りあるOHVエンジンが相場、とも言える中、商用バンにもやはりDOHCエンジンを載せちゃっていること(それしかなかったので仕方ないのだけど)。ジュリアGT1300ジュニアでは89HPでしたが、F11/F12では、52HPへとパワーを落としたバージョンが用意されていました。なお、F11/F12の他に、トラック版の「A11」「A12」も存在しました。車名には意味があり、F=Furgone(バン)、A=Autocarro(ライトトラック)の略、11と12の違いは積載量(A11/F11は11キンタル=1100kg、A12/F12では12キンタル=1200kgまで)を表していました。

日本にも、数台のF12が上陸しています。

その4:快速“VWバス”、「エッティンガー WBX6/ポルシェ B32」(旧西ドイツ)

金太郎塗りの2トーンに分割された前面窓、丸いヘッドライトの愛嬌あるスタイルで人気の、いわゆる「VWバス」。正しくは、「VWトランスポルターType2 T1」ともいいます。現在のモデルは「T6」世代に当たりますが、T4以降はFFになっています。逆にいえば、T3まではビートル(Type1)由来のRR(リアエンジン・リアドライブ)でした。つまり最後のRR“VWバス”、T3「カラヴェル/ヴァナゴン」は、無骨とも言える真四角な車体に、VWらしい水平対向4気筒エンジンを積んでいること、発売当時に正規輸入もされていて今でも台数が多く残っていることから、生産が終わって25年以上が経った今でも人気が高いクルマです。

しかし、そのT3に水平対向6気筒エンジンを押し込んでしまったという“スーパー・バス”、「エッティンガー WBX6」になると、日本でも一気に超がつくほど珍しいクルマになります。WBX6は、VWやアウディのチューナーとして知られるエッティンガーが、同社とVWで開発した3.2もしくは3.7リッターのフラット6を積んだモデルで、3.7リッター版の最高出力はなんと180hp。ノーマルのフラット4エンジンの約2倍の高出力でした。WBX6も数台が日本で走っていると思われます。

なおもう1種類、フラット6を載せたT3がありました。それが、本家ポルシェが911カレラのエンジンを積み10台だけ作った「ポルシェ B32」です。さすがにこちらは日本に入っていないかも?

その5:こう見えてまさかのリアエンジン「シュコダ 120」(旧チェコスロバキア)

最後は、日常生活で接する機会がほぼない、いわゆる「東側」だった国のクルマです。ソ連の崩壊で“東西”という概念は薄くなりましたが、かつての東欧諸国は東側陣営で、チェコスロバキア(現:チェコ)もその一員でした。チェコスロバキアは古くから工業国として栄えており、19世紀末に創業した「シュコダ」は、現在もクルマを生産しています。そのシュコダは1960年代に入って、西欧諸国の最先端モデルに負けない内容を誇ったRRのサルーン「1000MB」を発表しました。1970年にこれを「100/110シリーズ」に発展させたのち、1976年には車体のみを時流に合わせて近代化した「105/120シリーズ」を追加。105/120シリーズは、1990年まで生産を行なっています。

105/120シリーズの特徴は、まさかこのカタチで後ろにエンジンが載っているようには見えない意外性です。ラジエターだけは前方に移設されたためフロントグリルがあるのも、RRに見せない要素かと。エンジンは水冷直4 OHVで、車名の通りそれぞれ排気量は1046cc・1174ccでした。普通の車ならエンジンが収まるフロントノーズ部は、逆に、そこそこの広さのトランクスペースになっています。

で、これも日本にあるの? と思ったかもしれませんが、この記事の主旨に「現在でも、日本に実在する」ことを挙げているので、はい、このクルマも日本にあります。筆者の知っている限りでは、好事家が自ら輸入した1台だけ!

ということで、日本にも実在し、キャラ的にも珍しい海外のクルマを選んでみました。かくいう筆者もこの5台と路上で会ったことはありません……(笑)。日本にはクルマが約7600万台あると言われていますので、稀少性が高い一部のスーパーカーよりもさらに数が少ないクルマを路上で見かけたら、その日、いやしばらくは超ラッキーかもしれません。だって、7600万台分の数台、という確率ですものね!

[筆者・撮影:遠藤 イヅル]

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