アルピーヌ A110S海外試乗|期待を超えるコーナリングを魅せたトップエンドモデル(4/5)

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一般道とサーキット、ここまで違った乗り心地

路面がひどすぎた一般道ルート

いずれにしても今回の一般道の試乗ルートは、なぜこの道? と思ったほど路面の荒れていた箇所が多くて、おまけに狭いし先の見通しの悪いところが多いし交通量が少ないわけでもないし、ぶっちゃけ、+40PSの恩恵を含め、A110Sのよさをあまり体感できなかった。

マットグレイの方の乗り味が、A110Sのバネ1.5倍、スタビ2倍と聞いて想像するよりは全然よかったということだけは解ったけど。

夢のようなサーキット

ならばサーキットではどうだったかというと、これはもう夢のように楽しかった。

ほぼ静止してる状態からアクセルを全開にして加速してみると、40PSの違いはそれほど体感としては感じられない。その理由は、全域がバランスよく力強さを増しているから、だろう。

それよりむしろ嬉しかったのは、トップエンドまでツマリを見せずに伸びていくこと。とりわけ中回転域から高回転域までの伸びの気持ちよさとパワー感/トルク感はスタンダードA110にはないもので、これは文句ナシに素晴らしい。

一般道を走ったときにはそこまで回せなかったわけだけど、よくよく考えてみたら回転の低い領域でも力強さと扱いやすさはスタンダートA110と変わらない。いいエンジンに仕上がってるな、と思う。

A110Sの真髄、思わず声が漏れるほど…

驚きのコーナリングスピード

そして今回最大のキモといえるシャシーの出来映え。これは完全にアルピーヌの意図したとおりになってるのだな、と感じた。

コーナリングスピードは、体感的には10%以上は高くなっていると思う。記憶にある「スタンダードA110だとこのくらいから来るはずだよな」という辺りなら、4つのタイヤが余裕で路面を捕らえたままグイグイと曲がっていく。

タイヤが鳴きはじめるくらいのペースまで上げていくと、思わず声が漏れるほどに速い。なるほど、「スタビリティを重視した」というエンジニアの言葉は全く確かで、加えてどの領域からでも気持ちよく加速してくれるエンジンの性格もあるし、“S”専用開発のタイヤもかなりグリップの強力な方向に仕立てられてるから、ラップタイムを計ってみたりしたら驚くほど速くなっているに違いない。

今まで以上に、僕を主役にさせてくれるクルマ

といって、ベタベタにグリップして微動だにしないような、ある意味では面白味に欠けるクルマになってるわけでもないのだ。

フロントタイヤに強く荷重をかけながらステアリングを切り込んでいけばしっかりとテールは滑り出すし、例えば4速でアクセルを踏み込みながら「どこまで続くんだー!?」というくらいの長いコーナーを走っていくときなんて、途中途中で何度も後輪がスル~ッとグリップを手放しはじめていく。

けれどそんなときには、クルマが今どうなっていてこれからどうなろうとしているのか、ということを驚異的なくらい解りやすく伝えてくれるし、正確なステアリングでもツキのいいアクセルペダルでも、どちらでもそう難しいことなしにコントロールしていける楽しみを与えてくれる。

そういうコーナリング時のバランスのよさはスタンダードA110で感じたものとほぼ同じ。違うのは、そのときのスピードの高さ。それにスライドが比較的早めに収束して前へ前へと進んでいこうとすることだ。

…楽しいか? もちろんだ!

気持ちいいか? もちろんだ!

A110Sの真髄は、間違いなくここにある。

アルピーヌ/A110
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新車価格:
990万円1,550万円
中古価格:
648.9万円1,379万円

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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