ボルボ C70 海外試乗レポート(1/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:ボルボ・カーズ・ジャパン
リトラクタブル式のハードトップを採用した新型C70
世界屈指のリゾート地としてその名を世界に轟かせるハワイ。こうして一般に『ハワイ』という名を用いる時、それは半ば当然のようにオアフ島の事を示す場合が多いようだ。
なるほど、世界各国からのフライトが到着する国際空港が置かれたこの島には、これもまた世界的に有名なワイキキ・ビーチあり、ホノルルには歓楽街がありと、まさに一級リゾート地としての条件が揃っている。が、成田空港からおよそ6時間のフライトの後、このオアフ島の空港乗り換えでさらに目指すのはマウイ島。それも、ハワイ諸島の中では二番目の大きさで「リゾート・エリアは西側に集中する」というこの島の中にあって、今回の目的地は敢えて人里離れた東側にあるという。
というわけで、主催者である北米ボルボがわざわざセスナ機をチャーターしてまでこうした辺境の地(?)にセッティングをしたイベントは、新型C70の試乗会。本国スウェーデンをはじめ、ヨーロッパの人は一体どうやってここまでやって来るのか!? などと余計な心配をしてみたところ、「実はヨーロッパからは余りに交通の便が悪いので、国際試乗会はすでに中東ドバイで開催済み」と言う。なるほど。
単発エンジンのセスナ機に揺られてホノルルの空港からおよそ一時間。初めて降り立つマウイの島は、想像をしていたよりも遥かに緑の色濃い土地だった。
パーキング・スペースはわずかに10台分ほど。空港、と呼ぶよりも「滑走路付きの広場」とでも表現をした方が良さそうな殺風景なエアポートを後に、いかにもアメリカ流の全然小さくない“ミニバン”に乗せられてイベント会場であるホテルへ。ちょっとしたジャングル風に生い茂った木々の中を行く道路は、「アメリカの道」というイメージを覆すほどに幅が狭く、そして曲がりくねっているのが印象的だ。
しかし、これほどまでに緑が色濃いという事はそれだけ降雨量も多いはず。実際、ホテルの部屋に入るとクローゼットの中には大きな傘と共に殺虫スプレーまでもが“標準装備”。せっかくのオープン・モデルのテストドライブなのに、雨だけではなくて毒虫(?)までが降ってくる事も考えなくてはならないのか、とちょっと憂鬱に。
いやいや、今度のC70は立派なリトラクタブル式のハードトップ付きだから、“万一のシーン”では速攻ルーフを閉じてしまえば良いのだ、と自らを説得。今は考えても仕方のないそんな事をあれやこれやと想いつつ、まずは明日の晴天を祈りながら今日は早めにベッドに就くことにする・・・。
この記事にコメントする