フォルクスワーゲン トゥアレグハイブリッド 試乗レポート/小沢コージ(1/4)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:佐藤康彦
いよいよ本格化するドイツの逆襲劇!
「日本はもしや、こうやって戦争に負けていくのだろうか?」
私はふと思ってしまった。そう、フォルクスワーゲンの新型「トゥアレグハイブリッド」に乗ってからだ。
おそらく今の日本人のほとんどは、自動車関連のエコ技術では、自分たちが世界最先端に立っている、と思っている。実際、そういう部分も多い。
世界初の量産ハイブリッドカー「プリウス」は、なんと今から10年以上も前の1997年に発売され、今だ世界最多販売台数であることに間違いはなく、量産EVにおいても「三菱 i-MiEV」が世界初で、こと量産規模ということであれば「日産 リーフ」も凄そうだ。
しかし、エコカー技術でもう一つ重要なのは「安くシンプルな構造で達成する」ことだ。
現状、クルマは日欧米のように燃料やサービスの質が高い国ばかりで売るわけではない。それどころか、今は新興国での需要が増えている。その点、複雑なハイブリッド系は不利であり、シンプル系だとドイツが世界一なのだ。
具体的には、規制が厳しい日本には入っていない大量のクリーンなディーゼルや、既に日本にも導入されているガソリンの小排気量直噴ターボ技術では、完全にVWや BMW、メルセデスの方が上。
つまり、エコカーにおけるある種のハイエンド技術は日本が握っているかもしれないが、ベーシックな技術はドイツが抑えている。
そしてそのハイエンド技術の象徴であるハイブリッドの牙城へも、ドイツはキバを伸ばし始めており、その最右翼が「トゥアレグハイブリッド」なのだ。
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