フォルクスワーゲン トゥアレグハイブリッド 試乗レポート/小沢コージ(3/4)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:佐藤康彦
ハイブリッド車だからこそ際立つ「クオリティの高さ」
肝心の走りだが、実はシンプル系ハイブリッドの最大の良さは、従来のクルマの味を変えずに、新しい味を加えられることだ。
複雑系のトヨタ派は、正直モーターだかエンジンだかワケ分からないまま加速することになるが、トゥアレグハイブリッドはそんなことはない。そして、それこそが伝統的な高級車には有利。VWもその点は良く分かっているようで、見事に“従来版高級車+α”な乗り味となっていた。
そもそも、トゥアレグハイブリッドは驚くほどボディが軽量化されている上、剛性も高くなっている。
そしてベースとなる3リッターV6エンジンは高品質なアウディ製な上に、ツインスーパーチャージャーが装着されて、トルク“増し増し”な44.9kgmをわずか3,000rpmから発生、ピークパワーも333psと絶大。さらにアイシン製の8速ATをも備えている。
つまり元々の素性となるクルマの味や質感が徹底して高い。そこへ上手に(わずか46psとはいえ)電気モーターを加えられるようになっているのだから味が悪いわけがない。
まず発進は充電状態にもよるが、軽く踏むとモーターだけで進む新鮮な感覚。そして、ちょっとでも多く踏むとエンジンが始動する。そこは、同様のシステムを持つ日産フーガより少々極端。
だが、そこでなにが際立つってステアリングフィールだ。不肖小沢はそれこそが最近のVW車の美点だと思うが、恐ろしいほど素直でヴィヴィッド。
そして想像して貰えばわかるが、エンジンが止まってる時にハンドルを動かすと、そのナチュラルさが余計深く感じられる。まるでミネラルウォーターを飲んだ直後に良質なスイーツを食べるようだ。しかも車重2.3トンクラスのクルマでこの味わいは、まさに驚きに値する。
そもそもエンジンがかかっていると言っても滑らかなアウディ製V6な上、しかも時折止まるのだ。ここがシンプル系の最大のメリットで、要は“走行中アイドルストップ”のようなことができるわけ。
モーター容量はそれほどでもなく、加速時のEV走行は最長わずか2kmだが、このアクセルオフ時の走行中エンジンストップは何回でも何kmでも出来、しかも時速160kmまで可能。
そんなときに際立つのは、ステアリングフィールの良さやボディのガッチリ感、静かさ、ブレーキタッチの良さや効き具合など、つまり素性の良さだ。
元々旨かった料理から、さらに不純物を取り去るわけだから余計に味が際立つ。トゥアレグハイブリッドはエコなだけでなく、そんな新世代高級SUVなのだ。
その上、アクセルべた踏みでフル加速をするとエンジンとモーターが同時に働き、379psの最大出力を発揮する。
これは同299psのレクサス RX450hを数値で圧倒するのみでなく、本当に速い。おそらく今の低速社会ニッポンでは、これを使う機会はほとんど訪れないだろう。
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