金曽裕人/今井優杏の「あなたの愛車教えて下さい!」(1/2)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:オートックワン編集部
金曽裕人監督の愛車は分解調査済み(?)のプリウスほか、計5台!
これまでレーサーさんにお話を伺ってきた「あなたの愛車教えて下さい」ですが、プロフェッショナルはどんなクルマを選んでいるのか、その真実にぐいっと迫るべく2010年一発目はなんと!レーシングチームの監督さんにご登場願いました!
株式会社エー・ピー・アールは2009年シーズン、国内最高峰レースであるスーパーGT・300クラスに#43ARTAガライヤ、#31・#74カローラアクシオ2台を走らせる有名エントラントです。
そのエー・ピー・アールの代表であり、#43ARTAガライヤの監督でもある金曽裕人氏は、若手監督勢の中でも特にクルマ好きで知られる人物。そんな金曽氏の愛車はトヨタ プリウスです。
レーサーとは全く違った視点のクルマ選びを語って頂きました!
―業界でもクルマ好きで知られる金曽さんですけど、どれくらいお好きなんでしょうか?
う~ん、そうですね、簡単に言えば“自分でクルマを作っちゃうくらい好き”これに限ります(笑)。
―すごい説得力ですね(笑)。では、もともとレーシングガレージを始めたきっかけはクルマへの愛だったと?
そう「まずはクルマのメカニズムが知りたい」から始まって、分解して、組み立てて、クルマ出来ちゃった、じゃあ走らせようか、どうせだったらレースしようよ、と。
―すごい!今や3台をGTに参戦させる大所帯ですものね。ところで私生活では今、何台所有されてるんですか?
プリウス、メルセデスのCL、ノア、ポルシェ996、市販車ではないけどレストア中のGT-Rの計5台かな。ノアは愛犬用です。40kgのゴールデンレトリバーが2匹いて、溺愛しているんですよ。
レース以外の僕の日常は全部犬、犬、犬!(笑)犬とどっかに出かけたくて、ノアを買いました。そうやって考えたら、レース業界って猫好きよりも犬好きのほうが圧倒的に多いかもな。やっぱりレースは張り詰めているので、癒されます。
―かく言う私も犬派です(笑)さて、メインに使われてるのはプリウスだということですが、プリウスを選んだ理由を教えて下さい。
まずメカニズムを知りたかった。乱暴な言い方をすれば、エコなんてどうでもよかった。トヨタの最先端技術とは何たるか、これを知りたくて。燃費とかそういう以前にハイブリッドを分解して、どんなものかを把握したかったんです。
―分解ですか。
納車された瞬間にリフトで吊って、まるで服を脱がすように、タイヤ外してエンジンをバラすところから始めちゃった。おかげでプリウスの秘密をちょっとだけ知れましたよ。冷静に見てもプリウスは面白いクルマです。
エンジン自体はどうってことない普通のエンジンですが、電気的な制御は素晴らしい。エンジン走行とモーター走行の切り替え、このギャップのない繋ぎ目の処理なんかはありえない!と思っちゃった。普通のテクノロジーじゃ、あんなことできない。
―絶賛ですね!
ところがそうでもない。よく出来すぎてて“高級なパソコン買っちゃったな~”って感じなんです。クルマとしてのイノベーションを全く感じない。今問題になっていますが、静かすぎるっていうところも然りなんですよね。だから僕自身、オーナーとして不便に感じたからこそ、「アイホーン」(http://www.apr-jp.com/apr_parts/pro-ihorn.html)というパーツを作りました。
―歩行者に自車の接近を知らせるホーンですね。
「アイホーン」は、ニュースや雑誌でもずいぶん取材を受けましたから、皆が不便に思ってたことだったと確信してます。これからは、機械とユーザーの隙間をいかに埋めるかがメーカーの、それから僕らのようなガレージの責任なんじゃないかなと思いますね。
この記事にコメントする