DESIGNER'S ROOM vol.2 SUBARU LEGACY 磯村 晋(3/4)

  • 筆者: オートックワン 編集部
  • カメラマン:小平 寛 / 富士重工業株式会社
DESIGNER'S ROOM vol.2 SUBARU LEGACY 磯村 晋
磯村氏 イメージ スバル レガシィB4 走り 磯村氏 イメージ スバル レガシィ ツーリングワゴン サイド スバル レガシィB4 サイド スバル レガシィ アウトバック 3.6R サイドビュー 磯村氏 イメージ スバル レガシィツーリングワゴン スバル レガシィB4 スバル レガシィアウトバック 磯村氏 イメージ 画像ギャラリーはこちら

ちなみにツーリングワゴンやアウトバックではいかがですか?

スバル レガシィツーリングワゴンスバル レガシィアウトバック

磯村)ツーリングワゴンやアウトバックに至っては、開発段階ではリアゲートはもっと広大な面積を持っていました。

ただ、商用車みたいな道具感は出せたのだけど、レガシィシリーズが持つスポーティ性というのが弱かったのです。それで、パッセンジャーズファンは確保しながら“無駄な肉を削ぐ”ということを行ったのです。

その結果、ルーフがなだらかにリアへ向かって落ちてくる様子を「スロープ」と呼んでいるのですが、そのスロープの仕方や窓形状を試行錯誤することにより、次第にレガシィらしさの“スポーティ性”というものが現れてきたのです。

ちなみにリアゲートのガラスの角度も、最初はもっと角度が立っていて、もっとスペーシーだったのですが、最終的に出来上がったガラスの角度を測ってみると、先代モデルとわずか3度しか変わらなかったのです。

これは計算したわけでもなく、図面をトレースしたわけでもないのです。これはレガシィらしさを追求しながら作っているうちに、レガシィのリアの佇まいが、あるべき所にたまたま行き着いたと言いますか、つまり着地点がレガシィオリジナルの“ゲートの傾き”だったというわけです。

結果的に骨格を踏襲できていたからこそ、再びしっかりレガシィになれたのだと思います。

やはり名車は、名車の後を追うのですかね。他にはどんな部分がありますか?

スバル レガシィツーリングワゴン ヘッドランプ(2.4GT S-package)スバル レガシィツーリングワゴン 並列化されたカップホルダー

磯村)他にはヘッドランプも存在感を出すために縦置きのかなり複雑な三次元形状にしました。

これはランプのデザイナーだけではなく、車体の設計に関わる多くの部門の人達とも連携しながら、やりたいデザインや理想の設計というものを実現させました。

あとインテリアに関しても、今回から電磁パーキングというものを採用したのですが、室内空間の充実ということで、センターコンソールのカップホルダーを従来の縦列配置から、並列配置に変更しました。

実はこれって簡単なようでものすごく難しいのです。スバルのパワーユニットは4駆ですから、車体真中にAWDの構造帯が走っているのでスペース的な部分での難しさが当然出てきました。

これもインテリアデザイナーだけでなく、車体の設計に関わる各部門の人達と共有連携しながら作ったので大変でした。

欧州のグランドツーリングカーのようなエレガントな雰囲気を感じますが、やはり狙いはあちらのクルマですか?

スバル レガシィ アウトバック 3.6R磯村氏 イメージ

磯村)先代レガシィの時もそういう声を多くいただきました。実は先代も今回の新型も、欧州テイストというものを特別意識して造り込んだわけではないのです。

恐らく多くの方がそう思われるのは、スポーティさを表現するということの一つに、シャープエッジという手法があるのですが、エクステリアとインテリアに緊張感を持たせたライン構成を用いた結果から来ているものと考えています。

それは興味深いですね。例えばどんな点ですか?

スバル レガシB4 フロント

磯村)例えばドア下方の厚みを持たせるために、プロテクターモールや大きい切り返しのアクションはやめました。とにかく要素を減らして狙いを明確にしようと・・・。

しかしシンプルに造るがゆえ、今度は面構成に注力させないとホントにつまらないクルマになってしまうのです。サイド面のキャラクターラインが上に在りすぎると、腰高になってしまい、安定感が表現しづらくなってしまいます。

そのため、線一本一本の適切な位置を吟味して、スタイリングを決めるのですが、その辺りは苦労しましたね。

ですからおっしゃるエレガントさというのは、造り込まれた面の佇まいそのものを感じ取っていただけているのだと思います。

シンプルに尚かつ美しく表現するって至難の業ですよね。レガシィのデザイン、欧州車に負けてないですよ。

スバル レガシィツーリングワゴン磯村氏 イメージ

磯村)欧州車は日本車に比べ開発期間が長いので、“造り込み”ということに注力することができます。

スバル車もモデルとモデルのサイクルが割りと長いので、今回のレガシィも6年ぶりのフルモデルチェンジというわけです。

ですからスバルファンの方々にはいつもお待たせしてばかりです(笑)

しかしその分、多くの人手が開発段階で投入されますので、欧州車同様じっくり造り込んで、アピールするところはアピールする、といったスタンスで開発を行いました。

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筆者オートックワン 編集部
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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