メルセデス・ベンツ Eクラス 試乗レポート/松田秀士 編(1/3)
- 筆者: 松田 秀士
- カメラマン:原田淳
走りを期待させる、都会的でシャープなフロントフェイス
先代のエレガントなシルエットから、シャープで都会的なイメージに進化した新型Eクラス。
なんとなくEクラスの礎となる大ヒットを記録した名車W124を思い出させてくれる、と思うのは私だけだろうか。
シャープな外観はエアロダイナミクスの進化を主張しているかのよう。
エンジンルームへの冷却エアの流れを必要に応じて制御する可変ファンルーバーを装備するなどして、風洞実験に力を注いだというだけに、Cd値はラグジュアリーセダンとして世界トップレベルの0.25を達成している。
この数値は先代よりも4%の向上。空力進化の主目的はやはり燃費の削減にあり、これにより欧州では130km/hでの高速走行で100kmあたり0.25Lの燃料の節約につながるのだという。
ところで、ボディーは一まわり大きくなっている。全高こそ-10mmと低くなっているが(これはアンテナの位置が変更されたため)、全長+20mm、全幅+35mm、とワイドになったことが見てとれる。
もともとメルセデスは競合他車に対してナローシルエットだったから、ある意味対抗策といえなくもないが、実のところは更なる衝突安全とボディー剛性の進化の結果だろう。
また、ホイールベースも+20mmとなりキャビンスペースが拡大され、後席の居住性はやはり四隅まで空間を感じられるようになった。
フロントフェイスで目を引くのは角目となったヘッドライト。先代からの独立4灯式というコンセプトを継承しながらも凛としたシャープなフロントフェイス。先行車のドライバーは、バックミラーに写ったその姿に威圧感を覚えるかもしれない。
今後導入されるEクーペは(09年夏の予定)、Cクラスアバンギャルドと同じようにグリルそのものにスリーポインテッドスターをあしらっているが、見るからに迫力満点のその姿は走りを大いに期待させるものだ。
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