メルセデス・ベンツ Eクラス 試乗レポート/松田秀士 編(3/3)

メルセデス・ベンツ Eクラス 試乗レポート/松田秀士 編
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質実剛健なメルセデスらしい進化

安全性の探求はメルセデスの普遍のテーマ。

今回、高張力鋼板の使用比率を 乗用車最高レベルの72%まで上げ、軽量で強いボディを実現。歩行者傷害を軽減するためにボンネットの後端を瞬時に持ち上げてエンジンとのスペースを作るアクティブボンネットを全車標準装備している。

また、総合的安全性として、

・事故を未然に防ぐ安全技術。

・事故を察知し備える安全技術。

・事故から乗員を守る安全技術。

・事故後に備える安全技術。

の4つに分類して安全技術を高めている。

たとえば、事故を未然に防ぐ安全技術として「ナイトビューアシストプラス」、「アダプティブハイビームアシスト」、「レーンキーピングアシスト」、「アテンションアシスト」を採用。

ナイトビューアシストプラスは赤外線カメラによって夜間の前方90mまでの範囲の画像を映し出し、歩行者検知機能を搭載している(オプション)。

眠気を検知して注意を促すアテンションアシストと、先行車や対向車を検知してヘッドライトの照射範囲を連続的に自動で調整するアダプティブハイビームアシストは全車標準装備。

このアダプティブハイビームアシストは実際に夜間体験したが、照射可変範囲が65~300mとかなり実用的で優れものだった。

レーンキーピングアシストは白線をカメラで検知し、はみ出しそうになったときにステアリングを振動させて注意を促すものだ。ややステアリングへの振動が弱いかなと感じたが、安全性は高い。ただ、オプションであることとE550アバンギャルドの3本スポークステアリングには設定がないのは残念。

全体的に見て、今回のフルモデルチェンジは非常に質実剛健なメルセデスらしい進化といえる。

今後、国内にも導入予定のリンバーン(希薄燃焼)を達成した直噴エンジン(リンバーンと直噴の組み合わせは技術的にハードルが高い)や、更なる環境性能を実現したディーゼルターボなど今後の進化から目が離せない。

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松田 秀士
筆者松田 秀士

1954年高知県生まれ。僧侶の資格を持ち、サラリーマン、芸能人の付き人を経て、28歳でレースデビュー。92年には、デイトナ24時間&ル・マン24時間レースに出場。94年、インディ500マイルレースに日本人2人目のドライバーとして初参戦。2年目の95年には完走を果たし、翌年、当時日本人最高位完走という成績を残した。同じ頃から東京中日スポーツ新聞等で自動車評論活動を開始。現在も執筆活動の傍ら、レーシングドライバーとしても活躍中。記事一覧を見る

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