90年代、皆が憧れた ”黄色いボルボ”に再試乗! ~ボルボ 850 T-5R エステート[1995年式] 試乗レポート~(1/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:小林岳夫
20年の時を経て・・・こんなに良好なコンディションのボルボ 850 T-5R エステートと出会えるとは!
2015年5月某日。まさかこのタイミングで、こんなに良好なコンディションの850 T-5Rに乗れるなんて思ってもいなかった。
このクルマは、レッキとした「広報車」。広報車というのは、我々が取材するためにメーカーやインポーターが用意している車両のことで、通常は発売されてまもない現行モデルに限られるのだが、今回の個体は20年前に初度登録された車両をフルレストアしたもの。新車の輝きと走りを取り戻した「ボルボ 850 T-5R エステート」を、ぜひ味わって欲しいとの思いから、期間限定でボルボ・カー・ジャパンが広報車として設定してくれたのだ。
そもそも当時、街はベースである日本でも大人気だった850であふれていて、筆者のまわりにも850を所有している人は何人もいた。
イチから新設計された、ボルボの既存モデルとはほとんど共通性のない、まったくのブランニューモデルであった850は、それまで高い安全性を誇る半面、鈍重なイメージの根強くあったボルボのイメージを一変させることに成功した。 さらには850のエステート(ステーションワゴン)でBTCC(英国ツーリングカー選手権)に参戦したことも世界を驚かせた。
そして、シリーズタイトルにこそ手は届かなかったものの、何度か優勝するほどの好成績を挙げたその活躍ぶりは、かつて80年代に同じくレースで活躍した240ターボを彷彿とさせ、「フライング・ブリック(空飛ぶレンガ)の再来」と呼ばれたものだ。
実際、エステートボディはサルーンボディよりもボディが長いためダウンフォース面で有利だったという。
こうしてワゴンは走りがよろしくないというイメージの払拭を図ることにも成功した850は、その後ますます販売台数を上積みしていったわけだ。
[そうそうこの感じ! 現代に蘇った850の走行フィールとは・・・次ページへ続く]
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