90年代、皆が憧れた ”黄色いボルボ”に再試乗！ ～ボルボ 850 T-5R エステート[1995年式] 試乗レポート～(3/3)

今乗ると実に絶妙なボディサイズ

車検証によると、全長が471cm、全幅が176cmと、当時の同クラスとしては一般的なサイズだが、今だと小さく見えて、日本の駐車場など、これぐらいのほうが取り回しに優れることをあらためて痛感した。

それでも乗っていて室内空間に狭さを感じることなどなく、十分な広さが確保されているし、全方位にわたって視界がとても良好なことも印象的だった。中央のアームレストは展開するとチャイルドシートになることも思い出した。

荷室の優れた使い勝手には、改めて学ぶべきところも多い

ボルボのエステートが世で高く評価された要因のひとつであるラゲッジルームも、とても広くて使いやすい。

リアシートはダブルフォールディングが可能で、タイヤハウスの張り出しも小さく、低い位置でスクエアな形状に近い広い荷室ができあがる。

あらためて、よく考えられているなと感心しきりである。

新しいクルマもそれはもちろんいいところはいっぱいあるが、このクルマから学ぶことも少なくないのではないだろうか？

黄色い850 T-5Rは「R-DESIGN」や「POLESTER」モデルのルーツ

黄色い850 T-5Rの登場から20年。

その後、マイナーチェンジで車名が「850R」に変わり、以降も「R」と名の付くスポーティなボルボがたびたび登場し、のちに「R-DESIGN」のように定着していくことになるのはご存知のとおり。それで物足りない人のためには「POLESTER」のようなモデルも存在する。

最新モデルとT-5Rを比べてどうかというと、やはり20年という歳月の大きさを感じずにいられないわけだが、現在のボルボを象徴するスポーティモデルの流れはまさしくここからスタートしたのだ。

長く愛されたクラシックモデルを、これからも乗り続けられるように・・・インポーターの次なる一手にも期待！

一方でボルボというのは、年式の古い個体を大事に乗り続けている人も少なくない。

それらクラシックボルボのメンテナンスを生業としているショップも存在するが、今回あえてT-5Rのレストア車両を広報車として用意したのは、ゆくゆくはそのニーズにインポーターとして応えていくことも視野に入れているからなのかもしれない。

そんなわけで、懐かしさにひたりつつ、たっぷりと楽しませてもらった、T-5Rと過ごしたひとときであった。

[レポート：岡本幸一郎]

※画像をクリックすると、より詳細な「ボルボ 850 T-5R」をチェック出来るフォトギャラリーページへとジャンプします！

「VOLVO 850 T-5R」[FF](1995)　主要諸元

全長x全幅x全高：4710x1760x1415mm／乗車定員：5名／エンジン種類：直列5気筒 インタークーラー付 ターボチャージャー DOHC 20V ガソリンエンジン／最高出力：240ps/5600rpm／最大トルク：30.6kg-m/2000-5600rpm／トランスミッション：4速オートマチックトランスミッション／ボディカラー：クリームイエロー／車両本体価格：6,150,000円[※1995年新車当時]

■取材車両の主なレストア内容

トランスミッションを載せ換え／ラジエター他エンジン補機類交換／サスペンションのコイル・ダンパー他交換／ボディのオールペイント／ホイール及びタイヤ新調／ガラス・ラバーモール・樹脂パーツ交換／インテリアのリフレッシュ／その他、可能な限りのパーツをリフレッシュ