【試乗】BMW 4シリーズグランクーペ「435i グラン クーペ M Sport」 試乗レポート/今井優杏(2/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:オートックワン編集部
クールビューティな切れ長アイ
まず“イバれる美しい外観”から見てみよう。最近、グローバルでは“細目”ヘッドライトがブームだ。フロントマスクを全部覆うような“大顔”ヘッドライト時代は一旦終焉を迎え、シャープでツンとした印象を与える、縦幅の浅いクールなキレ長のフロントライトを備えるのがジワジワ来ている。
たとえば「イヴォーク」以降のレンジローバーもそうだし、ジープの「チェロキー」なんかも大胆な細目フェイスで登場している。同社「i8」もその流れを汲むが、4シリーズとて例外ではない。横方向に広いキドニーグリルに繋がるのは、BMWのアイデンティティ、左右2灯ずつのライト・リングを仕込んだクールビューティーな切れ長アイ。その印象は同シリーズに共通した端正さだ。
ワイド・アンド・ローの美しいフォルムは、4ドアといえクーペそのもの
ボディサイズ的には3シリーズとよく似ているが、スタイリングというよりも走りの味付けのほうに効果が出るように性格が分けられている。
「3シリーズ セダン」と比べればホイールベースが同じでトレッドが+35mm延長され、「3シリーズ グランツーリスモ」(GT)と比べればトレッドが+15mm、しかしホイールベースは110mm短くなっている。つまり3シリーズよりもどっしりと、3シリーズGTよりも高い旋回性能を性格づけている。
しかし3シリーズGTよりも短いからと言って、寸詰まり感あるデザインには終わっていない。真っ白な紙に美しい線をしゅっと描いたように、なめらかに傾斜したルーフラインは、なるほどクーペのそれに間違いはない。
オトナ4人のための絶妙な広さ
その話は次のセンテンス、“オトナがしっかりゆったり4人乗車できるニークリアランス”にも流れ込む。実は私がこの4シリーズ グラン クーペに一番感動したのはこの使い勝手、居住空間の絶妙な広さだった。
ここまでクーペのデザインを強調しつつも、いざ乗り込めば室内は間違いなくセダンのそれと同等だ。後部座席の膝前は、女性の私はおろか、ややグローバルに迫る勢いを感じさせるボディを持つT編集部員氏(身長180cm)が乗り込んでなお『わ、これは広いね』と言わしめた。対してヘッドクリアランスはまあ、合格点といったところか。身長162㎝の私ならなんの不満もないが、T編集部員だと長距離移動は圧迫感をガマンしなければいけない。
しかしガバっと開くテールゲートのラゲッジルームの容量は相当なもの。何かと荷物の多いファミリーユースにもしっかり対応するだろう。
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