【試乗】BMW 4シリーズグランクーペ「435i グラン クーペ M Sport」 試乗レポート／今井優杏(4/4)

M Sportが本領を発揮するのはやはり「スポーツプラス」

さてしかし、やはりM Sportが本領を発揮するのは「スポーツプラス」なのであった。

シフトノブ隣にあるスイッチを倒せば、一気にガウン！と低音が生まれ、コチラのやる気スイッチをも押してくれちゃうのである。しかし意外なほどにこれもサウンド控え目。ドライバーズシートに座っていれば、低いエンジンサウンドの美味しいトコロは感じられるが、集中力を乱すほどの爆音はきっちり遮断されている。それがまた落ち着いた感じで参っちゃうのである。

落ち着いた感じ、といえばアシのソフトさ、アタリの心地よさも「スポーツ」「スポーツプラス」でさえ守られていたのが印象深い。インフォメーションは伝えるが、ギャップはコクっと乗り越える。振動が反響することもない。反響しないから次のコーナーにもレスポンスよく切り込むことが出来る。

例えるなら、ビジネススーツでも峠を駆け抜けられるイメージ。髪振り乱さず、スーツに皺も付けずにワインディングを流すことが出来るような、都会的なスポーツモードだと感じた。

ブレーキのタッチも素晴らしい！

もちろんハンドリングもそのイメージを完全に踏襲する。M Sportの太いハンドルを握って峠に向かえば、コーナリング前半にクイクイ鼻先が入る、という感覚ではなく、すっとコーナーに切り込んだ先に後輪が出口へ押し出してくれるFRフィールを存分に堪能できる。ライントレース性が素晴らしい！とかいうんではない。ドライバーをどこか試すような、切り角に帳尻合わせてくれるようなアシストも、どうにもニクイのだ。

さらに言うなら快適にスポーツドライビングを楽しむために一番重要なブレーキのタッチ、これが素晴らしい。助手席にハニーを乗せてのデートで、大事なハニーを労わるフェザータッチのブレーキングからサーキットでの激しい蹴り込みまで網羅する。

そりゃモテるに決まってる！

4シリーズ グラン クーペ、存分なスペックを余裕というヴェールで包み、コンサバなのに新しく、程よくヤンチャで攻めてる… これって理想のミドルエイジじゃないですか。モテるに決まっている。

今回は試乗が叶わなかったが、9月にはBMWのクーペファンには待望の四輪駆動モデル「420i xDrive グラン クーペ」がいよいよ上陸する。東～北日本あたりで大いに歓迎されそうだ。

[レポート：今井優杏]

BMW「435iグラン クーペ M Sport」主要諸元

全長x全幅x全高：4670x1825x1395mm／ホイールベース：2810mm／乗車定員：5名／車両重量：1690kg／駆動方式：後輪駆動(FR)／エンジン種類：直6 DOHC BMW ツインパワー・ターボ 直噴 ガソリンエンジン／最高出力：306ps(225kW)/5800rpm／最大トルク：40.8kg-m(400N･m)/1200-5000rpm／トランスミッション：8速AT／燃料消費率：12.7km/L[JC08モード燃費]／タイヤサイズ：(前)225/40R19/(後)255/35R19／車両本体価格：8,030,000円[消費税込み]

※試乗撮影車には「パーキング・サポート・パッケージ」(113,000円)、「Mスポーツ・ブレーキ」(103,000円)、「アダプティブ M サスペンション」(103,000円)、「電動ガラス・サンルーフ」(175,000円)、「スルーローディング・システム」(29,000円)、「ブラッシュド・アルミ・トリム/ハイグロス・ブラック・ハイライト」(0円)、「アダプティブLEDヘッドライト」(170,000円)、「レーン・チェンジ・ウォーニング」(77,000円)、「アクティブ・プロテクション」(51,000円)、「ACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)」(98,000円)、「BMW コネクテッド・ドライブ・プレミアム」(61,000円)、「メタリック・ペイント」(82,000円)等、合計1,062,000円のオプションを装着。

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