ポルシェ パナメーラ S ハイブリッド 海外試乗レポート/金子浩久(4/4)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:ポルシェ・ジャパン
経済性だけがパナメーラSハイブリッドの価値ではない
ベルヒテスガルテンへ戻って来ると、道は急峻な上り坂となった。さっきまで5.0l/100km台だった燃費が、もう6.0l/100kmに上がっている。 6.1、6.2……。キツく登りながら、コーナーの径まで小さくなっていく。アクセルペダルを強く踏み込まないと、停まってしまう。
6.5!マズいっ。ゴールまで、まだ2キロ以上も残っている。コーナーをひとつ回ったら、下り坂が現れた。ラッキー!センターコンソールの「Eパワーボタン」を押して、モーターだけで走って燃費を稼ごう。画面を変えてチェックしたら、バッテリーは半分以上残っている。あと、800メートル。最後の上り坂だ。
燃費計はというと、6.6リットル。ギアは2速でエンジンのみで登っている。悪あがきしてパドルでシフトアップしてみたら、さらにスピードが殺され、停まりそうだ。ある程度スピードに乗せないことには、燃費を悪化させるのではないか。今ごろ気が付いたって、遅いやい。
ゴールが見えた。6.8、6.8、6.8。なぜか、息を止めて、ゴールを切った。
6.8のままだ。良かった。でも、スタイナー博士にはおホメの言葉はいただいたけれども、約束の賞品は、まだもらっていない。
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