ポルシェ パナメーラ S ハイブリッド 海外試乗レポート/金子浩久(1/4)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:ポルシェ・ジャパン
あぁ、ポルシェのハイブリッド猛攻が止まらない。
ドイツで行われたポルシェ・パナメーラSハイブリッドのメディア試乗会で、開発責任者のミハエル・スタイナー博士から面白い挑戦を受けた。
「試乗は、ここからゴール地点で終了します。そこからは、別のコースを設定してあります。そのコースで“燃費グランプリ”を決行します。自信のある方は、すでに私が走って出した燃費値に挑戦しませんか?私の出した6.8リットル/100km(14.7km/リットル)を破った方には、賞品を出しますよ!」
そこまで言われたら、受けて立たなければ男が廃る!
スタート地点は、南ドイツ・オーバーザルツベルク山岳地帯のベルヒテスガルテンにあるホテル。そこから山を下り、すぐに隣国オーストリアのザルツブルグに入り、街中をかすめ、その北側の丘陵地帯をグルッと回って、再びドイツに戻り山を登って、ゴールというコース。
ちなみに、ベルヒテスガルテンには第二次大戦前にアドルフ・ヒトラーとナチス党幹部連中の山荘があって、戦争末期には彼らはここで一年のうち数ヶ月を過ごすようになっていたことで有名な避暑地である。
当時の建物は終戦時に連合軍にすべて破壊し尽くされた。現在は、その跡地見学用のシャトルバスが山の中腹から運行されている。ヒトラーは、政権を獲る以前に著した「わが闘争」の印税で、最初の山荘を購入した。アルベルト・シュペーアの「第三帝国の神殿にて」を思い出しながら、燃費グランプリのスタートを待った。
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