991台限定!50年ぶりに復活した新型ポルシェ「911R」、これが名実ともに最上級の911だ!(3/4)
- 筆者: 清水 和夫
- カメラマン:ポルシェジャパン
テクニックがある猛者が乗るべきスポーツカー
911R専用に開発されたショートシフトストロークの6速GTスポーツマニュアルトランスミッションは、シングルマスフライホイールを使い、レスポンスを重視している。
次期GT3にも使われるかもしれないと噂されるこのトランスミッションは、実際9000回転近くまで何のよどみもなくシャープに回った。MTと組み合わせはやはり印象的で、中間加速の反応はGT3RSにも勝ると感じた。
つまり911Rの場合、9000回転回る500馬力のエンジンを、3ペダルの6MTギアを駆使して乗ることになる。2ペダルのパドルシフト搭載モデルとは違って、正確無比なトゥ&ヒールのテクニックが必要になるのだ。
最近の若手プロドライバーでもトゥ&ヒールのテクニックは全員が持っているとはいえない。だからこそ911Rは、「昔はならしたもんよ」と自負する猛者が乗るべきスポーツカーなのかもしれない。
驚くほどに乗り心地がいい
走り始めてすぐに、クラッチのレリーズベアリングの振動音に気がついた。これはチューンドカーにはつきものの音なので、私は特に違和感を持たなかったが、そうしたクルマと付き合ってこなかったオーナーはディーラーに電話を入れてしまうかもしれない。
軽量化のために遮音材も使われていないので、レリーズベアリングの振動音とともにキャビンはスパルタンな雰囲気に包み込まれる。とにかく911で一番イイモノ(高価なもの)を、という人にはストイックすぎるともいえそうだ。
しかし走りだすと、腰が抜けるほど乗り心地がいい。これには驚きを隠せなかった。路面の微小な凹凸にもサスペンションはしなやかに反応し、大きな力が入るとしっかりと対応してくれる。
タイヤサイズはGT3と同じ20インチだが(GT3RSは21インチ)、サーキットのラップタイムを意識しないで開発されただけあって、現状ベストな911シャシー性能だと確信できた。
流して走ったときは素直さと快適さを合わせ持つが、いざひとたびスロットルを踏み込むと、まさにGT3RSの速さがよみがえる。
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