プジョー 新型 308・308SW 速攻試乗レポート/河口まなぶ(1/3)
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:オートックワン編集部
ドイツ車も真っ青なグローバル基準のハイクオリティぶり
ひと目見た瞬間、相当に上質になったな、と思った。もう以前の、どこかに隙があるからこそニクメないフランス車のイメージはすっかり消え失せて、随分と大人びた印象があったのだ。
そうして感心する一方、心配事はさらに大きなものになった。それはつまり、
ますますドイツ車的になったんじゃないか?
ということ。先代もその前のモデルと比べると、かなり上質になった=ドイツ車的になったと思えたわけで、今回はそれに輪をかけた状態。佇まいにはエスプリというより、硬質で精緻な感覚が宿ってさえいる。
もはやオープンテラスのカフェの前よりも、明らかにコンクリートとガラスの建物の前の方が雰囲気的に似合う…要はそのくらい、質感の向上が著しい。キャラクターとしてのフランス度は希薄だが、ある意味、良いもの感は最大のライバル「フォルクスワーゲン ゴルフ」以上のクオリティを感じさせるほどだ。
内装の仕立ても隙がない!
そうしてドアを開けてみると、目の前に広がる景色もドイツ車真っ青の隙のなさを見せつけてくる。
なんといっても内装の立て付けが文字通り“隙がない”だけに、クオリティがとても高く感じる。そしてシルバーのスイッチ類等がカッチリとアクセントとして効いており、上級モデルではセンターにスウェード調の生地をもちいたレザーシートが落ち着いた雰囲気を醸し出している。
そうした内外装に正直、歓びと悲しみが複雑に混じり合う感情を覚える。
なぜならば、プロダクトとしての圧倒的な進化を見せつけられ素晴らしいと感じる歓びと同時に、そこにはエクステリアで感じた以上に、ドイツ車的な世界観とヒエラルキーを感じるからである。
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